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Wednesday, January 21, 2009

横浜市が全校で小中一貫教育

全小中学校で小中一貫教育を行うと
横浜市が決めたらしい。

「小中ギャップ」解消へ全校で一貫教育 横浜市決定のメリットは?!  (1/3ページ) - MSN産経ニュース

横浜市教育委員会が、新学習指導要領が完全実施される平成24年4月から、すべての市立小中学校で9年間一貫の教育を実施する方針を決めたことが19日、分かった。小中一貫教育は東京都品川区や広島県呉市などで導入されているが、横浜市のように小学校346校、中学校全145校という大規模な実施は全国初


横浜市が小中一貫教育を決めた。
理由は「勉強」と「環境」ということ。

「勉強」では、中学進学直後に勉強が急に分からなくなる「中1ギャップ」の解消が期待できる。


俗に言う「中1ギャップ」というやつで、
社会問題にもなった。

現在、同市では中1生の半数が人間関係の変化による不安などで何らかの形で不登校を経験するという。


もうひとつの「環境」も「中1ギャップ」と
いってもよいと思うが、そう書いていない。

このニュースを聞いた翌日
栃木県でも小中一貫教育が導入される
というニュースがあったが、
そこには

背景には子供たちが抱える心の問題「中1ギャップ」の解消がある。


「中1ギャップ」とは便利なことばである。
地域で問題が異なるのは当然のことだ。
しかし、それをひとつのキーワードで
丸めてしまうと、本質を見失いやすい。

栃木県の小中一貫教育は、
制度的な「ゆとり教育」とみることができる。
私はそう理解した。

小中一貫教育は、小学校6年間、中学校3年間という期間にとらわれず、子供の発達によって3段階に分けて行われる。


私の知る一貫教育とはこれだ。
品川の例もこのパターンだったと思う。
横浜の場合、この色が薄いような気がしてならない。

横浜市の小中一貫教育導入の報を受けて
文科省次官のコメントがすばらしい。

文部科学省の銭谷真美事務次官は19日、横浜市の取り組みについて「小中、中高、高大といった学校間の接続は大きな課題。小中学校の9年間を一期間ととらえ、どのようなカリキュラムを作るべきかという試みは評価し、応援したい」とエールを送った。


すべてにおいて、温かく見守り、
応援だけにとどめてほしいものである。

see also
KOYASUamBLOG2 | 小中一貫とはなんだろう

Friday, April 25, 2008

「すべての生徒の偏差値を上げます」

 学力テストが行われ、あいかわらず「学力」にまつわるはなしが多い。教育産業界、地方行政、教育行政、産業界など、多方面からアイディアが出されては、だらりと流されていく。そんな中で、京都府は革新的な教育改革を行い、先導していると私の目には映っている。

京都府教委 学力向上の妙案に予算 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

京都府教育委員会が、学力の向上策を府立高校から募り、優秀な提案をした高校だけに予算をつける「学力向上企画コンペ」に取り組んでいる。学校間の競争を通じ、新たな指導法の開発や全体のレベルアップを目指そうという試みだ。

 効果のありそうな案を、一校だけの特権としてしまわぬよい試みと思う。学力向上のアプローチは、それだけで金になる、金のなる木だ。公教育としては本末転倒になりかねない、経済原理をつぶそうという試みだろうと考える。

 それに閉じた空間での思索というのは、どうしてもアナがある。このような試みでは、評価する側も「なぁなぁ」ではない。閉じた空間では「あたりまえ」のことでも説明が求められることもあろう。主観と客観にする作業、自分の主観を相手の主観に昇華させる術は、現在の学力テストなどでも求められるスキルである。

 しかし、この読売の記事の中でどうしても気になることがある。

「毎朝、20分間学習を続け、すべての生徒の偏差値を上げます」

 いったい、どのようにして「すべての生徒」の「偏差値」を上げるのだろうか?近年の偏差値の求め方は、昔の偏差値の求め方と変わったのか?

学力偏差値 - Wikipedia

偏差値60以上(あるいは40以下)は、全体の15.866%いる。
偏差値70以上(あるいは30以下)は、全体の2.275%いる。
偏差値80以上(あるいは20以下)は、全体の0.13499%いる。


 それと、偏差値が学力値という認識がまだあるのか?この発言が誰によるものか記事にはない。「学力の向上策を府立高校から募り……」とあることから、教諭もしくは校長・副校長、とにかく、教職員によるものだろう。現場の人間がこのような認識なのは悲しい。それとも、記事を書いた記者が咀嚼した結果の表現か?私には判断がつかぬ。

 どこで、聞いたのか忘れてしまったが、こんな会話があったという。ある中年たちが飲み屋でしていた会話らしい。

 「オレ、偏差値低いから」

 学校を卒業して20年くらい経つだろう。いまだにその当時の偏差値を彼らは保持し続けているらしい。まぁ、思い出話だったのだろう。

Wednesday, December 05, 2007

株式会社立

 「株式会社立」ということばを見て驚いた。

全国で初めての株式会社立小学校を認可/相模原市 : ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞

 私は「株式会社立」ということばが初見だった。なので、はじめての「株式会社立」の学校ができたのかと思っていた。小学校がはじめてのようだ。

 立て続けに「株式会社立」ということばを目にする。読売新聞で連載されている『教育ルネサンス』というのがある。今回のテーマが「検証 特区の学校」だ。なぜ「特区の学校」が「株式会社立」なのか?

株式会社立中学校・高等学校(かぶしきがいしゃりつちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、小泉純一郎内閣の下で実施された構造改革特区の制度を利用して、株式会社が設置した学校である。日本では学校法人2004年から2007年春までに全国で14の中学校、高等学校がある。既存の学校と違い、カリキュラムを自由に組んで特色を打ち出すことができるのが利点であるが、逆に、私学助成金が受けられず、また学校法人への寄付には認められている税制上の優遇措置がないという財政的に不利な点がある。この不利な点のためか、朝日塾中学校の1校を除いて、株式会社立の学校の形式は通信制高等学校のみである。また所在地も地方の辺地に偏っているのも特徴である。
株式会社立中学校・高等学校 - Wikipedia

 とりあえず、金銭面では不利らしい。しかし、カリキュラムを自由に組める利点があるようだ。なので、カリキュラムを売りにしているらしいというのはわかる。しかし、カリキュラム自体は文科省が口出しするのではないのだろうか。それとも経産省の管轄なのだろうか。よくわからない。

 大学ならば、「学士」が得られるのだろうか。高校なら「大学入学資格」が得られるのだろうか。小学校・中学校なら「高校入学資格」が得られるのだろうか。

 今回の相模原市の株式会社立小学校は、インターナショナルスクールが母体となっている。

Wednesday, September 26, 2007

教育再生会議は存続

 予想通り

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 町村官房長官、教育再生会議存続を表明

 しかし、教育再生会議の影響力ってのは一体どれくらいなのだろう?未だに謎である。

Wednesday, September 05, 2007

朝青龍問題、波及か?中学で武道必修化へ

 タイムリーなだけに「朝青龍問題に釣られてか?」と考えてしまう。

中学で武道必修化へ 中教審体育部会 「伝統文化」重視で|学校教育|教育・福祉|Sankei WEB

 子どもの体力低下を懸念して学校体育に力を入れる、と先に報道された学習指導要領改正にあったが、こう来たか。言いたいことはなんとなく分かる。相撲の新弟子検査にはじめて受験者が0人という報道が7月にあったしね。

 しかし、これが意外であった。

男子の武道は4年度まで必修だったが、女子について必修化するのは戦後初めて。


 4年度って平成4年度ですよね?だとすると、私は武道必修だったはずであるが、まったく記憶にない。はて、なぜだろう?忘れたい記憶なのかしら。

 もうひとつ危険な発言がある。

文科省によると、武道の必修化は「触れてみて良さがはじめて分かる」(企画・体育課)という狙いが強い。


 まぁ、なんというオカルトでしょう。学校現場では、これは禁じ手のはずである。だから、体罰が禁止された。「言語力」を鍛えたいと教育改革を模索している大締めが言うことばではない。

 しかし、剣道や柔道を必修にするなら、古武術でも必修にすればいいのに。こちらの方が、日本文化としては古いだろうし、実際にも役に立つ、一石二鳥でしょう。 

Saturday, August 04, 2007

経団連の考える「今後の教育のあり方」

 興味深い記事があった。日本経団連の東富士夏季フォーラムにて教育について話があったようだ。

「今後の教育のあり方」-第6回東富士夏季フォーラム<第1日>第1セッション

 第1部で、教育再生会議の池田守男氏による「社会総がかりでの教育再生に向けて(初等中等教育を中心に)」というタイトルの口演があったようだ。

 教育再生会議がどれだけの実行力を持っているのか、未だに不明瞭であるが、なかなか突拍子もないことを議論しているなぁというのが、私の感想である。

 教育の現場に「ガバナンス」の概念がないとあるが、ここでの「ガバナンス」とはどういう意味だろうか?真っ先に思いつくのは旧来の公務員体質のガバナンスはあろうにと、食いつきたくなるが、違うのだろう。この記事に書いてあるような「ガバナンス」が機能したとなると、かなり、殺伐とした空気になりそうな予感がする。成果主義下の企業のように。

 学習者第一とは、要は、成績が良くなるということに価値を置いている。成績に、テストの点数に評価のものさしが設定されたものだと認識する。そのために教員は努力せい、ということなのだろうけど、教員の研修や教育が完了した後でも、成績が上がらない生徒がいる場合、それは生徒の責任となるのだろう。「ああすれば、こうなる」という考えのもと、かなり無謀な世界観じゃないだろうか?

 「ゆとり教育」が「ゆるみ教育」になっているという指摘は同意する。ならば、「ゆるみ教育」を「ゆとり教育」に是正して、はじめて「ゆとり教育」の評価ができるのではないだろうか?「ゆとり教育」だって、唐突にはじまったわけではない。国立大学の付属小中なので、臨床実験が行われているはずだ。そこで、合格点が得られたからこそ、全国に広まったのではないのか?なぜ、国立大学の付属小中が入試制なのか?それは、度重なる方針転換に翻弄されぬ生徒を選別しているためである。

 よくよく見るとかなりフラットな会議だ。言いたいことを言いまくっている感じである。企業としては、優秀な社員が欲しい。チームワークが円滑にできるなど、人間関係に関する要求が教育内容に包括されている。なので、個性とか秀でた才能などの発言はない。それは第2部でもあるように、大学の仕事なのだろう。

 唯一、救いとなるような発言はこれ。

子どもに害となる刺激を抑制するのは企業の責任でもある。


 が、初等中等教育は労働奴隷養成所と化しそうである。

see also
さよならマルクス (内田樹の研究室)

Tuesday, March 20, 2007

教育戦争

 『ガイアの夜明け』で教育…… 見ないわけにはいかない。

「「公立」vs「私立」~教育再生の最前線では~」 : 日経スペシャル ガイアの夜明け

 昨今の教育改革に絡めたものではなく、現在の学校事情をまとめたもので目新しいことはない。しかし、品川区の中学校が結構な時間を割いて放送されていたのがよかった。アウトラインは以下。
  1. “黒船”ワタミの学校再建術
  2. スーパー公立を目指せ!
  3. 学校が選ばれる日
 郁文館夢学園の改革はまさに企業改革だ。どのような内容のことをやっているのか知らなかったが、教員にコスト感覚を養わせるための「50%プロジェクト」は興味深い。これは、私立だからできることではあるが、教員の異動がない私立だからそこ必要だと感じた。番組内の教員の発言を聞くとそれは確信となった。しかし、公立にもこの意識はとても欠けていると思う。最近、事務出身の校長が注目を集めているのも、コスト感覚の欠如と関連しているだろう。もうひとつ、なかなか刺激的な言葉ではあるが、深いと思った。

「教えることに専念することは、理想ではない」

 これは深い。素直に聞くと「なにを!?」と思いたくなるが、教えることができて当たり前というニュアンスがある。その上で経営センスとコスト感覚を求めるもので、ハードルの高い要求だ。大村はまの2歩先を行っている。かなりゲンナリする言葉だが一理ある。あと教員を評価する「360度評価」というのが取上げられていたが、さらっと流れてしまった。評価者が校長、同僚教員、生徒、保護者と四面楚歌の状態の評価であるが、重み付けがどうなっているのか謎なのでなんとも言えない。

 スーパー公立として取上げられていたのは九段中等教育学校だ。ここはすごい。なんせ、予算が他の公立校の10倍あるらしい。それゆえに、いろいろなことができている。習熟度別少数教育などはお金がないとまずできない。そして、授業時間の確保のために、土曜補講を早稲田アカデミーに委託している。これもお金がないとできない。このブログでさえも九段中学を検索して辿りついた人が多かった。謎が解けた。やっぱり、教育にはお金がかかる。

 で、最後は品川区の東海中学校。品川はいち早く学校選択性を施行した。その弊害というか、影響という感じで放送されていた。しかし、このお陰で、教員はかなり自由に授業ができるようになったのだなぁと改めて感じた。正直なところ、その他、大部分の学校はこの東海中のような状態だろう。東海中でも学力向上ということで教師間のレビューを行い、授業の質を高める努力をしている。番組では2年目の先生が取上げられていたが、問題となることは、どこでも、誰でも一緒なんだなぁと実感した。公立ならではの悩みだとは思うのだが、先に述べたように、かなり自由度の高い授業を行うことができるので、うまく切り抜けていたように見受けられた。

 校長が変われば学校は変わるという言葉がある。この番組を見ると、それは真なのだなぁと思う。九段の校長は「なりふりかまわず」という姿勢。一方、東海中の校長は理想と現実のジレンマに揺れながら。この差が一般教員に与える影響は大きい。

Monday, March 19, 2007

そんなに多くのことを求めちゃいけない

 先日、教育再生会議から夏休み・春休みの1週間の短縮と1日7コマの授業実施が提案された。どこからか、「過労死する子どもが出てくる」と冷やかしがあったが、思わずうまいと唸ってしまった。今回の提言もすごい。

教育再生会議:学年ごとの「到達目標」設定方針-教育:MSN毎日インタラクティブ

 ほんとうに「アンチゆとり教育」なのだなぁと感心する。徹底している。「ゆるぎないものひとつ」って感じだ。

 というか、今までも到達目標はあったでしょう?ってのが一般的な反応かと思うのだが如何なのでしょうか?現状の教育システムが全く見えなくなってきてしまった。

現在は学習指導要領で学年ごとの「指導する内容」が示されているだけ

 ほう、そうなのか。勘違いしていた。でも、現場レベルでは今回の再生会議の提言と同じ認識だから、「補講の義務化」というのがポイントなのだろう。それでも落第や留年やらという話はさすがにでてきていない。

 しかし、これは難しいと思う。漢字はいざ知らず、算数は積み重ねの学問で、基礎は後々の数学へ大きな影響を与える。これは間違いないと思うが、意外に、自力で何とかできてしまう場合もある。これは教え方云々ということにつながるのかもしれないが……

 そして、個人的には以下が気になる。

国語、算数(数学)、理科、社会、英語(外国語)の5教科を「基本的教科」として重視する姿勢を鮮明にし、増加分の授業を優先的に振り向けるよう求める。

 英語(外国語)は「基本的教科」から外していただけませんでしょうか?

Wednesday, November 15, 2006

小中高一貫

 2008年度から小中高一貫教育が長崎県五島市で行われるようだ。

全国初「小中高一貫特区」長崎・五島市で認定へ : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 記事中にもあるように、義務教育課程と高校課程の接続・連続がカギとなる小中高一貫教育、行政も全面協力らしい。よい傾向と思う。

Friday, September 22, 2006

教育改革

 2006年9月20日付けの読売新聞・朝刊に「安倍氏 教育改革で具体策」と総合面にでっかくあったので覚書の意味も含めて安倍さんがどんな教育改革を推し進めようとしているのかまとめてみる。

 読売新聞にあったのは以下
  • 臨時国会での教育基本法の改正
  • 教員免許の更新制導入
  • 「教育バウチャー制度」導入
  • 「教育改革推進会議」(仮称)の新設
  • 学校評価制度の導入
  • 国公立大の9月入学への変更と奉仕活動の奨励
 はじめの「臨時国会での教育基本法の改正」というのは、私にはよく分からないので端折りたい。「教育改革推進会議」ってのは、臨教審や教育改革国民会議と一緒であろう。「教員免許の更新制導入」と「学校評価制度」は今さらという感じがあるので、これも端折る。なんとなく唐突に出てきたような感じがある「教育バウチャー制度」がポイントではないだろうか。

 教育バウチャーとは、asahi.com:文科省検討の教育バウチャー、効果は未知数 - 暮らし にある言葉を借りると
 教育バウチャーは一般的に、
  1. 子どものいる家庭が行政からバウチャーと呼ばれる利用券を受け取る
  2. 公立、私立を問わず、子どもが通いたいと思う学校に利用券を提出する
  3. 利用券の枚数に応じて、学校側が運営資金を得る
――という仕組みとされる。
とある。
 要は入学者の多い学校にはたくさんのお金を、予算をあげますよ。という制度だ。公立も私立も関係ない。これだと、公立は先細りしそうな感じが否めない。学校の特色を出しましょうといいますが、公立校では教員の異動がある。先生を固定せずにこのような制度が行われると公立はなくなってしまうのではとも思えてくる。利用者が選べるというのはとてもよいことだが、現行の学校行政では、競争原理を導入しようも、思ったような効果は期待でいないのではないだろうか。私立へよい人材が流れてしまうという危険もあるように思える。

 もうひとつ、目新しいものとしては「国公立大の9月入学への変更と奉仕活動の奨励」だろう。正直、意図がよく汲めなかったが、asahi.com: 「教育基本法の改正後、大学9月入学を」 安倍官房長官 - 教育 によると、
国公立大学の入学時期について「世界の大体の学校は9月だ」と語り、9月入学の導入を検討する考えを表明した。そのうえで「(入学まで)4月から9月の間に、ボランティア活動をやってもらうことも考える必要がある」
ということらしい。もっともらしいが、卒業も9月になるんでしょうか?なるんですよね、きっと。世界というよりは、イギリスよりな感じです。ファンデーション過程なども、そのうち言われそうです。
 ボランティアを義務づけるというのは、筋が違うのではないかといった話もあるだろうし、当然、あったようだ。谷垣氏がそうであった。私も、なんか違うなと思うが、ボランティア然り、インターン然り、日本ではまだまだ認められた奉仕活動ではないと感じている。特に企業ではボランティアに行く時間があるなら効率よく作業しろ。などと叱られそうであるし、もっともな意見でもある。インターンも、試験があり、それに落ちるとインターンに参加できない。インターンってそういうのだっけ?と人事に喰いついたこともある。大人の事情がある。

 バウチャー制は悪い制度ではない。ただ、現行の学校行政ではうまく機能しないことは目に見えていると思う。まずは、バウチャー制導入にあたり、しっかりとした人事制度を作るべきではないだろうか。「しっかりした人事制度」とは具体的に何かというと、学校の特色にあわせた教員を集めること。教員異動のシステムもバウチャー制にはそぐわない。教員の固定化も視野に入れてもらいたい。
 そして、ひとつの学校ではなく、生徒が移動しながら授業を受けられるのも面白いのではないか。「この教科はこの学校、これはこっち」などもありなのではないか。そうすれば格差拡大も抑制できるのでは。

 【論点・争点】(3)教育改革 : 自民総裁選 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) に3者の主張がのっている。

Tuesday, April 18, 2006

公立塾

 児童・生徒目線ばかりでなく、教員や教員志望者目線でも良さそうなモノに見える。

塾に通えぬ小中学生に無料の“公立塾” : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
文科省、来年度から教員OBらでスタート

 経済的理由などで塾に通えない子どもを支援するため、文部科学省は来年度から、退職した教員OBによる学習指導を全国でスタートさせる方針を固めた。

 通塾する子どもとの学力格差を解消するのが狙いで、放課後や土・日曜に国語や算数・数学などの補習授業を行う。来年以降、団塊世代の教員が相次ぎ定年を迎えることから、文科省では「経験豊富なベテラン教師たちに今一度、力を発揮してもらいたい」と話している。

 教員OBによる学習指導は、希望する小・中学生を対象に、放課後や土・日のほか、夏休みなどの長期休暇を利用し、小・中学校の教室や公民館、児童館などで行う。受講は無料とし、テキスト代などは参加者に負担してもらう方向で検討する。

 教員OBの確保は、講師希望者を事前登録する「人材バンク」のような制度の整備を目指しており、計画が固まり次第、各都道府県教委などに協力を呼びかける。講師への謝礼などについては、今後さらに協議する予定だ。

 文科省は、長崎市で2003年7月に起きた少年による男児誘拐殺人事件などを受け、地域住民と子どもたちが一緒に遊びやスポーツを楽しむ「地域子ども教室」を推進している。教員OBによる学習指導は、この事業を拡大する予定で、各都道府県を通じ、市区町村に運営費用を支援する。

 04年末に公表された経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査結果では、「読解力」を中心に成績下位層の得点が下がり、上位層との格差が広がった。特に「数学」では、経済力などの家庭環境が整った子どもほど得点が高いという結果も出ており、専門家からは「学校週5日制などで授業時間が減る中、塾などに行かず、学校の授業だけに頼ってきた子どもほど影響を受けたのではないか」との指摘も出ていた。

 文科省の担当者は「進学塾のような受験対策を行うのではなく、あくまで授業以外にも勉強したい子どもに、教育の場を提供するのが目的」と説明している。

 文科省の05年調査によると、小4~小6の児童で塾に通っているのは約37%、中学生は約51%。また、昨年度に定年退職した公立小・中学校の教員は約6500人だが、来年からは戦後のベビーブーム時代に生まれた「団塊の世代」の教員の大量退職が始まり、08年度には約1万5000人に達すると見込まれている。

(2006年4月16日 読売新聞)
 今ひとつこの試みの真意がつかめないでいるが、私なりに咀嚼。

 ひとつは「ゆとり教育」の穴埋め機関という考え。ゆとり教育間の子どもたちの学力をデータを記事では引用しており、そこでは勉強環境の整った、つまり、塾や家庭教師など、学校以外にお金を使える経済的に裕福な家庭の子どもとの学力差が大きいといっている。その穴埋めのために公立塾としてフォローしましょうと聞こえる。まともな理由はひとつしかないかなぁ。

 講師には退職者を採用するとあるので、私的な考えとしては、先生の卵たちに訓練の場として、かつ、経験豊富な人たちに教えてもらう場としてもよいのではないかと考える。

Friday, April 07, 2006

品川「4・3・2制」始動、区立の全校小中一貫に

 何気に注目している「4-3-2制」。今後の動向に注目です。

品川「4・3・2制」始動、区立の全校小中一貫に : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東京都品川区で今年度から、区立の全小中学校で小中一貫教育が始まり、6日、各校で入学式や始業式が行われた。

■「中1ギャップ」解消狙い

 自治体内のすべての学校で、これだけ大規模に小中一貫教育に乗り出すのは全国で初めて。中学1年生が小学校時代との様々な“格差”に戸惑う「中1ギャップ」を解消するため、戦後の義務教育を支えてきた「6・3」制を「4・3・2」へと衣替えする大胆な試みだ。

 同区の小中一貫教育は、構造改革特区制度を活用するもので、区内40小学校、18中学校で一斉に始まる。

 中学入学後、授業についていけない子供が増え、不登校や問題行動も急増するというのが中1ギャップ。文部科学省によると、2004年度の不登校の子供の数は、小6の7652人に対し、中1では2万2974人に上っていた。

 そこで、品川区では、義務教育9年間のカリキュラムを「4・3・2」の3期間に分け、〈1〉基礎基本の定着を図る4年間〈2〉個性や能力を育(はぐく)む3年間〈3〉自分で課題を見つける力をつける2年間、と位置づける。

 そのうえで、これまで中学入学時に難度が上がっていた授業に溶け込みやすいよう、5年~9年(中3)では、算数・数学や国語などについて、習熟度別のクラス編制などによって授業を行う。また、1年(小1)から英語を始め、道徳と総合的な学習の時間などを合わせた「市民科」も設ける。

 小中一貫校として6日に開校した区立日野学園(品川区東五反田)の開校式には、1~9年までの557人と保護者らが出席。高橋久二区長が「小中一貫の象徴として開校を宣言します」と述べた後、小坂憲次・文部科学相も「小中連携を先駆ける大きな役割を持っている」などとあいさつした。

 同校では、1~9年生が同じ校舎で学ぶが、他の学校ではこれまで通り1~6年が小学校、7~9年が中学の校舎を使う。来年度以降、5組の小中学校が校舎を統合し、開校する予定。

 長女が日野学園に入学した母親(34)は「最新設備が整っており、教育課程も期待できそう。ただ新しい取り組みなので、不安もあります」。別の母親(40)は「区を挙げて取り組んでいるので期待している」と話した。

 同省によると、構造改革特区で小中一貫教育を実践中や予定中の自治体は全国に17ある。しかし、同区のように、すべての教科でカリキュラムを見直し、自治体内の全校で実施するケースはないという。

(2006年4月6日 読売新聞)

Tuesday, March 21, 2006

大学等における障害学生を支援

 障害者が大学等で勉学できるための支援事業をJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)という機構が行っている。今までは、体系的システムが大学側になく、その都度対応していたが、近年では障害者が大学に進学する率も増えており体系的なシステムを構築する必要性を感じているらしく、普及に努めている。

KKSブログ: 大学等における障害学生を支援

 これはとても分かりやすいが、健常者に対しての障害者教育等もそろそろ必須になって良いのではないかと考えている。私が知らないだけで、もう既に、実践されているのならいいのだが、そうでなければ真剣に考えてよい分野だと思う。

 仕事が、俗に言うブルーカラーの仕事からホワイトカラーの仕事に変化している。体に不自由があろうともハンディにならない時代になった。それ以上に、障害者の特徴はマイノリティで健常者からの視点では気がつきにくい点も、新しいフィールドの開拓になるかもしれない。実際、そういうマイノリティの視点から企業家として成功している方もいる。

 つまり、労働者として稀有な素質を持つ者を手放しにするはずがなく、企業での採用は増えるのではないかと考えている。そうなった場合、一緒に働く健常者の素質が大きなポイントになると思う。具体的に、どのような教育が必要かは正直わからないが……

Friday, February 10, 2006

「国数理」小中で授業増 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 「ゆとり教育」とは、「教える内容を減らす」のではなく、「目標到達時期を大目に見ること」と、私は理解している。このような「ゆとり教育」の方針は捨てるべきではない。その中で「学力」と呼ばれるものを高めていくべきと考える。

「国数理」小中で授業増 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の教育課程部会は8日、小・中学校で「国語」と「算数・数学」、「理科」の授業時間増を求める審議経過報告書案をまとめた。近く、最終決定する。

 ◆学力低下食い止め

 一昨年12月に公表された国際学力調査結果で、日本の子どもたちの学力低下が判明したことを受けた措置。文部科学省は今後、学習指導要領の見直しに反映させる方針で、「ゆとり教育」の転換は「国語」と「理数」重視で進みそうだ。

 報告書案は、国語を「すべての教科の基本」、理数教育を「科学技術の土台」と位置付け、いずれも「充実を図ることが必要」と指摘。そのため「授業時間数についても具体的に検討する必要がある」と、時間増を求めた。

 さらに、国語では、子どもが古典や名作に触れ、日本の言語文化に親しんだり、自分の考えを用紙1枚程度に表現する力を身につけさせたりすることが不可欠と指摘。理数教育では、小数や分数の意味、エネルギーの概念などを実生活と関連付けて理解させることが重要と訴えた。

 同部会では今後、「ゆとり教育」を象徴する「総合的な学習の時間」の削減や小学校への英語教育導入の是非なども議論する予定で、国語と理数の時間増については、他教科との兼ね合いを踏まえて調整する方針だ。

(2006年2月9日 読売新聞)
 国語力は全ての土台となる力だ。それは間違いない。数学も理科も英語も、全ての土台は国語力だと強く信じている。このようなことを考えると、小学校へ英語教育の導入は疑問符が付くのではないだろうか?「総合的な学習の時間」も結局、なんだったんだという印象でしかない。

 教育は何を目指しているのか?今一度、考えた方がいいと思う。

Wednesday, February 08, 2006

幼児教育義務化 具体策など検討…自民特別委初会合 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 この方向へ走ることは間違いなさそうな感じです。

幼児教育義務化 具体策など検討…自民特別委初会合 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 自民党は7日、学校教育特別委員会(委員長=塩谷立・前文部科学副大臣)の初会合を開いた。政府・与党は、幼児教育の義務化を検討する方針を固めており、同委員会で具体的な制度改正などについて協議する。

 同委員会は、党文部科学部会・文教制度調査会合同会議の下部組織として設置された。幼児教育、高等学校教育、教員・学校評価、教育委員会の4小委員会を設け、義務教育のあり方や国、都道府県、市町村の役割分担などを検討する。特に、幼児教育小委員会(小委員長=北川知克衆院議員)では、幼児教育の無償化・義務化のほか、幼稚園・保育園の幼保一元化などがテーマとなる。

 同委員会は5月中に提言をまとめ、今年の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」に反映させる方針だ。

(2006年2月8日 読売新聞)
 義務教育のあり方としては、小・中学校の連携をもっと密にしなければいけないと思っている。幼児教育も義務化されれば、より密に連携をとるべきだろう。

 幼児は成長差が顕著にでるので、そこら辺をどのように評価に反映させていくのか興味がある。これは、小学校低学年にも言えることでなかなか難しい問題のようだ。

 義務教育でも場合により単位制のような評価を用いてもよいのではないかと、最近おもう。

Sunday, January 01, 2006

幼稚園から義務教育、延長幅1~2年…政府・与党方針 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 あけおめ、ことよろです。

 新聞の一面にでっかくこの記事が載っていました。正月のニュースではないような気がしましたが、家族が揃うこの日だからこその記事でもあるなって思いました。結構衝撃的な見出しです。背景には学力格差の解消が一番の理由らしいです。その他、少子化対策のためということもあるようです。

幼稚園から義務教育、延長幅1~2年…政府・与党方針 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 政府・与党は、小中学校の9年間と定められている義務教育に幼稚園などの幼児教育を加え、期間を10~11年間程度に延長する方針を固めた。

 幼稚園―小学校の区分による環境の変化が学力のばらつきを招いているため、幼稚園を義務教育に含め、一貫した学習体系を構築するのが狙いだ。

 幼児教育を無償にすることで、少子化対策を強化する面もある。1月に召集される通常国会に提出する予定の教育基本法改正案で義務教育の9年間規定を削除し、2009年度以降の義務教育延長の実現を目指す。

 義務教育をめぐっては、近年、小学校低学年で、集団生活になじめない児童が騒いで授業が混乱する「小1問題」が起きている。幼稚園―小学校―中学校と進学するにつれ、指導の内容、難易度などが大きく変わり、成績格差が拡大する問題も指摘されている。

 このため、政府・与党は幼稚園などの幼児教育を含めた義務教育制度の見直し論議に入っている。

 自民党は、05年9月の衆院選の政権公約(マニフェスト)に、「幼児教育の無償化」を盛り込んだ。1月にも、政調会の下に「幼児教育小委員会」を設置し、無償化の具体策として、義務教育延長を議論する。そのうえで、延長に向けた第1段階として、教育基本法4条で定められている義務教育の9年間という期間を削除する考えだ。

 与党教育基本法検討会の議論の中で、公明党もこうした考え方を大筋で了承している。

 自民党文教制度調査会幹部は、昨今の児童・生徒の学力低下を背景に、「諸外国も義務教育期間を延ばす方向だ。日本も真剣に検討すべき時期にある」と主張している。諸外国では、例えば、英国は5歳から11年間を義務教育とし、2000年から5歳未満を対象に無償の保育学校を拡充。フランスも1989年から公立幼稚園を無償にしている。

 政府・与党は、今後、幼児教育をどういう形で義務教育に取り込むのか、調整を図ることにしている。

 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関、鳥居泰彦会長)では、05年1月にまとめた幼児教育に関する答申で、「幼小一貫教育の検討」を掲げた。政府・与党内には、このほか、〈1〉幼稚園の1~2年保育を義務教育とする〈2〉義務教育の枠内で、「幼小一貫校」を創設し、普通の幼稚園か一貫校かを選べるようにする――などの案が浮上している。
 記事を読んでみると学力格差の均等化というよりは人間性の確立の問題がメインのように受取れます。「小1問題」を引き合いに出しているからかもしれませんが。社会性の取得が急務で、そのために幼稚園を義務化しませんか?ってなかんじに受取れてしまいます。これは家庭教育が満足にいかないだろうからってのが裏で読みとれます。教育は国に任せてくださいと聞こえはいいですが、家庭教育をやりやすくするほうが急務なのではないだろうか?

 ましてや、義務教育の改革だけで全ては終わらず、高校や大学との連携をもっと密にしなければ、どこを直しても必ず綻びがでるでしょう。そのたびに、改革を振りかざすのならば子どもでもできる。

Friday, November 25, 2005

盲・ろう・養護学校を一元化=障害児教育で答申案-中教審

11月21日の時事通信の記事。以下、引用
盲・ろう・養護学校を一元化=障害児教育で答申案-中教審

 今後の障害児教育について検討していた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会は21日、盲・ろう・養護学校制度の一元化などを盛り込んだ答申案をまとめた。これを受け、文部科学省は次期通常国会に学校教育法などの改正案を提出したい考え。
 答申案は(1)盲・ろう・養護学校制度を「特別支援学校」(仮称)に一元化(2)小中学校で学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を抱える子どもへの個別指導機会の増加(3)障害児教育に対応した教員免許制度の改革-などが柱。 
(時事通信) - 11月21日21時1分更新
 障害児教育というのは特殊学校のみならずの問題だと考えています。将来的には、公立学校でも障害児を受け入れなければならないときがくると考えています。

 LDやADHDなどが養護学校の範囲かと問われたら、ほとんどの人が「No」だと思います。しかし、私は「Yes」だと考えています。これからは盲・ろう・養護の区別、特に養護の区別が難しくなるので一元化しようとしているように感じる。

 教員免許制度の改革も盛り込まれているようですが必要だと思います。と、同時に保護者や子どもたちへの教育も行うべきでしょう。そのような方向性でなければ、うまく機能しないように思えます。これからは、一緒の空間・時間を共有させることが求められてくるのではないでしょうか?そのために、特殊学校以外の教員にも教育が必要で、これから教員になろうとしている人たちへの制度の改革は納得がいく。

 社会へ出れば障害を持った人たちと仕事をする機会が必ずあります。特にホワイトカラーでは、その割合が高いです。そして、これからはほとんどがホワイトカラーの仕事となるでしょう。私の世代は、全く隔離されていました。社会へ出るまで接触がありませんでした。互いにうまく混ざり合うことができずに、歯がゆい思いをしたことがあります。

 これは私の経験です。効率よく仕事を進めるためのグループには、「和」が求められます。これを作るためには、コミュニケーションがとれなければなりません。外国人相手ならは外国語を習うでしょう。それと同じように聾だったら、手話といったことがなされていません。コミュニケーションにイライラするようになる。「和」を保つために関わりを減らす。こうなってしまってはいけません。

 イライラしないためにも、家庭教育・学校教育共に次のステップに進むときなのかもしれません。

Friday, October 07, 2005

小規模特認校

 「小規模特認校」なんてのがあるんですね。はじめて知りました。

「小規模特認校、高まる人気 都会に住み自然の中で学ぶ」
 都市で働きたい、だけど子どもは自然の中で学ばせたい――。そんな保護者の願いを、引っ越し不要でかなえてくれる小学校がある。校区外からの通学を認める「小規模特認校」。近年、東京や関西など大都市圏でも広がりつつある。市街地は緑が乏しく、少子化で家族間の触れあいも少ない。そんな「都会派」の欠点を補う学校に注目が集まっている。

◇バス30分、半数が「街の子」大阪府高槻市

 JRを利用すれば、大阪、京都両駅まで15分以内。大阪府高槻市はサラリーマン世帯を中心に人気が高いベッドタウンだ。

 泉あけみさん(46)は毎朝、出勤前に6年の昂基(こうき)君(11)を車で近くのバス停に送る。バスは30分余り走ると、京都府境に近い山あいに着いた。

 市立樫田小学校。03年度、市教委から小規模特認校の指定を受けた。全校児童は45人のうち23人が「街の子」だ。昂基君は4年生の時に転入してきた。「学校の近くで、図鑑でしか見たことのなかった昆虫を捕ったよ」と笑顔で話す。

 自宅は新興住宅地にあり、以前の小学校は市内有数の大規模校だった。あけみさんは「学習塾に習い事と、子どもに過度なストレスを与えたくない。自然の中で、のびのびと育てたかった」。

 夫婦共働き。「引っ越しも、転職もしなくて済む」のが、転入の決め手の一つになったという。

 年間に約5万円かかるバス代を除けば、特別な出費はない。「私学と異なり、お金をかけずに特別な授業を受けられるのでお得です」。バスやマイカーなど保護者の責任で送迎できることが、入学の条件だ。

 同小の売り物は、「縦割り編成」。総合学習では、3~6年生を3グループに分けている。田畑、河川、山林を「教室の一つ」ととらえた授業を進める。

 その一つの稲作は、地元農家から無償で借り受けた水田で、卒業まで毎年、田植えから稲刈りまで取り組む。赤松清校長(57)は「1年前と比べることで、天候の違いも分かるし、生物への関心も高まる」。お米は1年分の給食に回る。この秋は105キロを収穫した。

 毎秋に開く説明会では、小規模校だと競争が少なく、学力レベルが下がらないかと心配する保護者が多いという。

 同小は、全学年で外国人講師による英語授業を展開。毎週1回、「がんばりタイム」という時間を設け、児童の習熟度に応じて個別指導もする。

 子どもが少ないメリットについて、6年生10人を受け持つ担任の武藤亮教諭(29)は「どの授業も一度は質問が当たるので、個々の理解の程度が分かる」と話す。

 一方、1年生の担任の中川るり教諭(52)は「目が行き渡り、ついつい手助けしてしまう。自立心がなくなってはいけないので、過度の指導はしない」と心がける。

 特認校になる前の02年度の全校児童数は28人。人気は高まる。市教委は「教室も狭く、児童の受け入れは1学年10人が限度。それを超えると、小規模校の利点も薄れるので難しい」と話す。

◇福岡・神戸など、100万都市でも続々

 「特認校」は100万都市でも相次いで誕生している。

 福岡市・博多湾に浮かぶ(のこの)能古(のこの)島(西区)。この春、市立能古小学校は「海っ子スクール」の愛称で特認校になった。5人の児童が新しく仲間入りした。

 新興住宅地の対岸までフェリーで約10分。最寄りの地下鉄の駅から、九州最大の繁華街・天神まで15分ほどで着く。在校生の保護者も対岸に通う会社員が大半だ。

 島の自然を生かした授業が特色だ。地元漁師の漁船に乗って海の汚染を調べたり、魚介類をとったりする。近くの果樹園でミカンの栽培も手がける。

 志賀康弘教頭(50)は「保護者は40人学級よりも、少人数のほうが個別の指導を受けられると期待しているようだ」。

 神戸市は02年度に、北九州市は99年度に、広島市は98年度から特認校制度を導入した。

 神戸市灘区の六甲山小学校は全校児童35人のうち、27人は校区外の子どもたちだ。ケーブルカーやバスを利用して通学する。特認校になる前年の01年度の児童数は11人に過ぎなかった。

 「山の子タイム」と題し、近くの池でザリガニや小魚をとり、ジャガイモを植えることも。南馬進教頭(48)は「住まいを変えずに、ひと味違った教育を受けさせられるのが人気の秘密ではないか」と話す。

 東京都八王子市の恩方第二小学校は特認校の指定を受けた97年度の児童数は39人。今年度は52人と増えている。

 大阪府内では、河内長野市で00年度に始まり、来年度は和泉、柏原両市でも始まる。和泉市が9月に開いた体験学習会には、約50人の児童が参加した。同市教委は「予想以上の注目。家庭的な雰囲気の中で特色ある教育を打ち出したい」と意気込む。

 文部科学省教育制度改革室は「これまでは学校の統廃合や複式学級を防ぐ意味合いで取り入れる地方都市が多かったが、近年は『学校選択の自由化』の流れで、都市部でも選択肢のメニューに取り入れる自治体が増えている」と話している。



 《小規模特認校》 97年の文部省(当時)通知「通学区域制度の弾力的運用」に基づき、学校選択制の一つとして広がった。学校選択制は特色ある教育が進む長所と、学校の序列化が進み地域との連携が希薄になる短所が指摘される。市区町村教委は従来、地理的、身体的理由や、いじめなどの「相当の理由」がないと校区外への入学は原則として認めていなかった。
 この記事中にあるように、親御さんにとってはよい試みだと思います。都会に暮らしながらも、「子どもに自然を感じながら生活してもらいたい」という贅沢な悩みを解消する術のひとつです。子どもとしては、おそらくはじめは嫌がるでしょうね。私ならイヤがると思います。でも、きっと自然の中で生活する「良さ」を実感するでしょう。ギャップを一番、肌で感じているのは子どもたちなんですから……