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Tuesday, December 25, 2007

天外伺朗 / 茂木健一郎 『意識は科学で解き明かせるか―脳・意志・心に挑む物理学』

 天外伺朗氏と茂木健一郎氏との対談本である。「不思議な組み合わせだ」というのが、私の感想である。Googleさんに問い合わせてみるとそうでもないらしい。

Amazon.co.jp: 意識は科学で解き明かせるか―脳・意志・心に挑む物理学 (ブルーバックス)

 本書をつきつめてまとめると、意識をどう捉えるか、それが問題だという。わかりやすい。タイトルままである。

 コトの発端は量子力学としている。なぜ量子力学なのかというと観測問題がキモである。これが活性剤であり、ワルさをするトリックスターだ。なので、量子力学が本書の大半を占めている。これはこれで、私は有意義であった。本書を科学史としてみると面白いと思う。

 全く関係ないが、本書pp.83-85にある熱力学の第二法則の好例とされる、グリセリンの中で拡散するインクの実験を見たことがある。現在は削除されてしまっている。残念。

Thursday, November 15, 2007

松井孝典 / 南伸坊 『「科学的」って何だ!』

 愉快痛快であるが、同時に、夢のない大人と映ってしまう。

Amazon.co.jp: 「科学的」って何だ! (ちくまプリマー新書 66)

 「ちくまプリマー」なので、中高生向けの書籍である。中高生向けの書籍は、ざっくりと概要を掴むのに最適である。なので、岩波ジュニア新書、ちくまプリマー新書は注視している。大人でも躊躇することなく手に取れと、自分に言い聞かせている。

 さて、本書は『「科学的」って何だ!』というタイトルと、松井孝典氏ということを考慮すれば、「宇宙に関することかしら?」と思うのが自然だ。しかし、内容は「メディア・リテラシー」と「情報リテラシー」である。Amazonのレビューを見ていると、ここら辺の食い違いが低評価のひとつと考えられる。実際、私もがっかりした。

 気をとり直して読んでみる。基本、愉快痛快である。しかし、読者ターゲットである中高生にはどうだろうか?と思うふしがある。自分の経験のみを頼りにした推測である。

 私が小中学生のころ、テレビではオカルトやら心霊現象やら超能力やら宇宙人やら無法地帯であった。毎週のように、これらのどれかが特番で放送されていたように思う。そのような番組では、たいてい、科学者と称する人が何人かゲストでいる。反論者として、もしくは、科学敗北のピエロとして。

 私はここで、まんまとテレビの術中に陥る。科学者はなんて夢のない連中なのだ。これらの現象がそう簡単に科学で理解できるのか。いや、できないんじゃないの。じゃぁ、不思議な方を信じちゃうよ。ほとんど生理的な反感・嫌悪である。理論もクソもあったものではない。

 本書には「科学者はなんて夢のない連中なのだ」と思わせる部分が多いと、私は感じる。そこに、もうひとりの著者、南伸坊氏はつっこみを入れるのであるが、突き放されてしまう。ディスコミュニケーションである。私が小中学生のころ、テレビを見ながら感じていたのと同じ感覚が本書に残っている。

 さてさて、残念がっていても仕方がない。本書では教育、特に科学教育に問題提起をしている。それが本書のコアである。

 日本に科学者という肩書きを持った人がどれほどいるか知らない。リタイアした科学者は義務教育課程へ天下りしてくれないだろうかと思う。子どもたちばかりへの影響ではなく、先生への影響も大きいはずである。そして、科学の授業で「読書会」も考えられてよいはずである。実験も確かに面白い。米村でんじろう氏などは、科学への門を開くのが役割だと考えていると、私は思う。その門をくぐった人への手助けとして「読書会」ほど必要不可欠なことはないと、ふと、考えた。

 古典物理は、子ども時代の「遊び」や生活そのものが読書会の役割をしている。しかし、高校でやる磁気学はチト日常から遠く、「遊び」や生活からイメージするのが難しい。物理を綴る数学に至っては、中学から抽象的な概念が入ってくる。幾何は大切な分野であるが、これも、微分・積分ほど直感的ではないというのが、私の経験である。

 サイエンス・カフェは学者間のブレインストーミングという性質が強いように、私には感じる。しかし、本来は学者と一般人のコミュニケーションの場である。それを教育現場へ持ち込んでもよいのではないか。私はこれを、リタイアした科学者がタクトを振るう「読書会」とした。如何なもんか?

Saturday, November 10, 2007

生物と無生物のあいだ

 ようやく読み終えた。綺麗な文章だ。

Amazon.co.jp: 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)

 分子生物学の近代史、だと思う。背景の人間関係がドラマタッチで描かれており、絵が頭に浮かぶ。外国人作家の科学書は、おおむね、本書のような文体である。私は、実は、このような文体は好みではない。

 好みではないが、『内部の内部は外部である』のくだりは、その表現力を妬む。これの表現が福岡氏のオリジナルなのかどうか、それは知りかねるが、綺麗な文章だと感じた。

 読了するのに時間がかかった。何冊、別の本を読んだのか、もう覚えていない。チビチビ読み進めた。しかし、読み終えると生物学への興味が沸いているのに気がつく。高校の生物のレファ本として最適なのではないだろうか。

Saturday, September 15, 2007

物理法則対話

 仰々しいタイトルの通り、中身も仰々しい。

Amazon.co.jp: 物理法則対話

 科学史、物理史とでもいうのでしょうか。時間軸で物理法則の概念説明がされている。面白い中身なのだが、内容は決して簡単ではない。むしろ、コレだけの紙面にギッシリと詰込まれた内容を噛み砕くのは難しいのではないだろうか。

 一読して理解できないなら、何度でも読まなければいけない。精読が必要な箇所はほとんど教科書を変わらないように、私は感じる。しかし、物理法則のみの解説ではなく、その裏の思想や哲学を理解するのが本書の目的である。

 私は縦書きに読みにくさを感じるのだが、それは好みの問題。

Tuesday, August 28, 2007

言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか

 肉厚な内容。

Amazon.co.jp: 言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか (中公新書)

 「言語をサイエンスに」という酒井邦嘉氏の思いが色濃い。もちろん、その部分は賛成であり、情報工学での活用も考えられるので、丹念に研究がなされてほしいと思う。しかし、本書を見ると、翻訳ソフトはまだまだだなぁと改めて思う。

 この手のはなしは、分野別ではなく、時系列で述べてもらえると、私はすんなり理解できることが多い。分野ごとで述べられているのであるが、2章を読んでいるのに、7章に詳しいとか書かれていると「なんだかなぁ」となってしまう。まぁ、これは私の嗜好である。

 チョムスキーの言語生得説を仮定して論じてあるので、現在の言語学、認知言語学、応用言語学の問題点を知るのによい。本書では、今までの論文を言語生得説の立場から批判している。しかし、紙面の関係上、とてもあっさりした批判に終始している感が否めない。然るに、その妥当性を解決するためには、他の書籍を見ながら、「ふむふむ」などとしなければならないだろう。そんな書籍も、時間もないので私はやっていないが、精読するならば、参考文献を手元におく必要がある。

 以下のサイトに、本書のためのチェックポイントのようなものがある。

英語教師のための認知科学・認知哲学

 「現在、常識・定説として何があるのか」ということをこのリストから考えることができる。読む際の助けとなるだろうと思う。私は読み終わってから知ったのだが……

Saturday, July 21, 2007

いやでも物理が面白くなる

 読者対象が明記されていなので、万人向けの書籍だと思うのだが、高校生ならば1年生が対象であろう。感化されて志村史夫本、3冊目。

Amazon.co.jp: いやでも物理が面白くなる―交通信号「止まれ」はなぜどこの国でも赤なのか?

 本書の「まえがき」にこうある。

学校の試験の点数を高めようとするような本ではない。また、「受験」に即効性があるような本にも思えない。(pp.5)


 筆者が書いているのだから間違いないだろう。しかし、物理を考えるうえで大切なスタンスを学習前に知っておくことは、結果として試験の点数を高める効力はあると思う。

 物理とは、おもいっきり単純にいうと「こう考えれば、辻褄が合う」ということだ。

 「こう考える」というのは定理であったり、定義だったりで、「辻褄が合う」というのは数式で表せるということ。

 「こう考える」というのは見た目とのギャップがあると甚だ難しい。基本的に物理は世紀の大発見の積み重ねである。むずかしくて当然だと楽観的に考えてもいいと思う。しかし、見方をちょっと変えると世紀の大発見も凡人に理解できる範囲に変わることが面白いじゃないか。

 宇宙空間では常に落下している。

 上の言葉を聞いた時、まったくピンとこなかった。どこでどのように聞いたのか忘れてしまった。ピンとこなくとも「辻褄が合う」のである。解せなかった、まったくもって解せなかった。そのような対象に波・光・電磁波があるが、それが丁寧に書かれている。

 本書のサブタイトルに「交通信号『止まれ』は なぜどこの国でも赤なのか?」とある。夕日でも見ながら考えてみよう。

Saturday, July 14, 2007

今週読んだ本たち

 今週はあまり本を読まなかった。週末は台風の影響で家にいることが多いだろうから、今日は頑張って図書館へ行った。何を血迷ったか、いつのもクセで歩いて行ってしまったのでやや雨に濡れたが、歩かないと気持ちが悪い。そういえば、今日が誕生日の友達が多い。おめでとう。


Amazon.co.jp: こわくない物理学―物質・宇宙・生命

 『アインシュタイン丸かじり』を読んで志村氏のスタンスに共感を得たので読んでみた。「はじめて物語」的な語り口がいい。中学生や高校生では、少し、戸惑うかもしれない。もちろん、理解できるとは思うが、全員ではないだろう。物理好きが補助線を引きく手助けをしながら読むと、効果は倍増だと思う。良書。


Amazon.co.jp: 「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)

 面白そうだなぁと思って読んだが、正直なところ、「ババ引いたなぁ……」と思った。しかし、読むスタンスを変えると良書になった。道徳の教材として使えそう。


Amazon.co.jp: わが友 本田宗一郎

 私の好きな人物のひとり、井深大。彼の晩年の書。盟友、本田宗一郎氏の死を受けた回想録。井深氏の考えは、やっぱり好きだ。晩年は本書でも触れているが、今で言う「トンデモ」の世界に踏み込みすぎて焼が回って(この使い方は正しい?)しまったという評価が多い。それでも彼らの理念は根をしっかりとおろしているような気がする。それには、彼らをサポートした人物の功労が大きいのは、大いに頷ける。


Amazon.co.jp: 迷いと決断

 『わが友 本田宗一郎』の読後に読んだ。SONYは盛田昭夫によってSONYになったのだと、改めて感じる。そのDNAを現代に適応させようと努力した出井氏の回廊録。面白い、非常に面白い。私はSONY大好き人間なので、ほんとうに面白い。

 私は、「出井はSONYを壊した人間」だと思っていた。まぁ、半分はあっていると思うが、半分は間違いだ。「SONYを壊した」と思った理由は、「QUALIA」と「ビジュアルの劣化」、「多角経営」だ。

 「QUALIA」に関しては、コンセプトは大賛成なのだが、作られるモノがどうにもこうにも意味あるものに見えない。100万円もするブラウン管テレビや、なんだかよく分からないCDトレイのプレイヤー、20万~30万くらいする超高級ヘッドホン。ディジタルの時代にアナログの価値観を捨てられずに、なんとかSONYブランドで立て直していこうという安直なプランにしか、当時の私の目には映らなかった。もちろん、消費者と経営者の視点差はあるだろう。

 「ビジュアルの劣化」はデザインが長持ちしないということに起因する。特にVAIOなんかを見ていると感じるのだが、こんなの誰も買わないよというデザインが平気で「斬新」などと市場に出てくる。デザインの価値観なんてのは、ひとそれぞれで、後から流行がついてくる場合も確かにある。にしても、VAIOの場合は、デザインのクオリティが低いのが多いと私は思うことを禁じえなかった。それに比べたら、ソニータイマーなんて可愛いものだ。というか、私はこれを信じていない。なぜなら、私が使っているVAIOはすでに5年目だからだ。「経営の多角化」は本書に詳しい。

Saturday, July 07, 2007

アインシュタイン丸かじり

 テレビ東京の特番タイトルのようで私はイヤなのだが、帯にある「『知の巨人』の魅力を濃縮」に偽りなし、と思う。

Amazon.co.jp: アインシュタイン丸かじり―新書で入門

 著者の志村史夫氏は著書が多い。「理科系の英語」も彼の著書だ。そんな氏は応用物理が専門である。本書は氏のキャリアからは王道である。

 が、私はアインシュタインについて詳しくない。それにアインシュタイン本は初読である。なので、本書がアインシュタインについて必要十分の内容であるかどうか、私が太鼓判を押すことはできない。

 アインシュタインの名前は誰もが知っていると思うが、何をしたのか問われれば「相対性理論」と答える私。しかし、「じゃ、文型の私にも分かり易く説明してくれない?」と問われると、自慢じゃないが、私は閉口してしまう。すらすらと話せる人は少ないと思う。

 本書は、そこら辺がビシっと簡潔に述べられている。これは根本的には物理学に対してとるべきスタンスでもある。

長年、物理学の分野で仕事して来た私ではあるが、正直に告白すれば、本当に長い間、「特殊相対性理論」の理解に苦しんだ。しかし、「あること」さえ素直に認めてしまえば、「特殊相対性理論」は決して理解し難いものではないことに気付いた。(pp.102)


 先生にこう言ってもらえると学生の気分は楽になる。私は電磁気の理解に非常に時間を費やした。単位が必要だったので、半ば諦めモードで鵜呑みにした経験がある。結果、コレが正解で、電磁気があれよあれよという間に面白くなった。本書(まぁ、似たような書籍はあったと思うが)があれば、もっと楽に壁を乗り越えられたかもと、当時を振り返った。

 アインシュタインのすごさを知るには、前アインシュタインの物理を理解しなければならない。本書はその流れが秀逸で、物理を苦手とする高校生や大学生が読めば、前アインシュタイン物理の理解の足しにもなるはずだ。氏が書く、物理学の本を読んでみたくなった。

Saturday, June 23, 2007

ガクモンの壁

 『ガクモンの壁』か、うまく形容したと思うが、語呂などを抜きにし表すならば、『ガクモン“間”の壁』だと思う。しかし、養老先生って左利きだったのか。ちょっと近親感。

Amazon.co.jp: 養老孟司 ガクモンの壁

 もともとは『学問の格闘』という名で出版されたようだ。こちらの方がピンとくると、個人的には思う。『バカの壁』にあやかり過ぎだ。そんなマイナス評価があったので、なかなか手が伸びなかったのだが、読んで正解だった。やっぱり、タイトルって重要ですよ。出版社のみなさん。

 本書は「人間」を、違う角度から覗く、とてもスケール大きい内容だ。考古学、人類学、生物学、心理学、医学、それぞれの「人間」の見方の一例を示しているのが面白い。「学問の格闘」というのも納得。文系・理系というラベル付けがあほらしくなると思う。私は、早いうちに文型・理系というラベルを剥がしてしまったので、これの肯定になるのかもしれない。そういった、贔屓目はある。

 ホストの養老孟司氏と対談相手の若手研究者とでは、なかなか、活発な話し合いができないのではないかと思われるかもしれない。しかし、私見ではあるが、挑発的な質問も飛び、研究内容の危険性や、養老氏のパーソナリティに触れる話題もあり、サイエンス・カフェではこのような会話が行われているのかなぁなどと想像して読んだ。

 しかし、まぁ、いつもながら、養老氏の対談本はときどき筋を追えないときがある。いつになったら、リアルタイムで筋を追えるのやら……

Saturday, June 09, 2007

トンデモ科学の世界

 キャピキャピの竹内・茂木本である。

Amazon.co.jp: トンデモ科学の世界

 おそらく竹内・茂木本の処女本だろうと思う。95年発行という時代を感じさせる内容もチラホラあって懐かしい。タイトルからは、ニセ科学をふたりで検証ってな感じに、現在のふたりを知っているのであれば感じるだろうが、チョット違う。

 竹内パートは、科学が○×で白黒はっきり区別することが困難であり、グレーゾーンのオンパレードだという。ときには、黒が白に変わったり、白が黒に変わったりと紆余曲折して成り立ってきたモノだということを述べている。科学哲学者の視点だ。竹内氏の『仮説力』のコアがすでにある。

 茂木パートも「クオリア」について、わかり易く書いてあったように思う。まぁ、それまでに腑に落ちない箇所が多々あり、自分なりに咀嚼していたので、その結果、わかり易く感じたのかもしれない。「クオリア」が心脳問題のコアというところから述べているので理解し易かったのかもしれない。

 これを読了後、「分からなくても、いつか、分かるもんだなぁ」と妙に物思いにふけった。学校教育がエレメントのみを取り出したために実感が伴わない、だから分かり難いんだ、という批判を私は知っている。効率を求める学校教育では難しいことかもしれないが、疑問をもつことこそが、型をつくったり、種になったりするのだと改めて思った。

 しかし、大槻教授って、懐かしすぎる……

Wednesday, May 30, 2007

『ネイチャー』を英語で読みこなす

 本書が、地元の国立大学でシラバス図書に指定されていたのか分かった。

Amazon.co.jp: 「ネイチャー」を英語で読みこなす

 本書は英語の指南書やハウツウ本ではない。本書の半分は、『ネイチャー』とはどのような雑誌なのか、という説明に費やされている。この説明のためだけに、(おおよそ)100ページも費やすほどの雑誌なのかというとそうではない。

 著者の竹内薫氏は、長年『ネイチャー』の翻訳作業を行っていた、内情を知る人物である。英語のオリジナル版と訳版が微妙に異なるわけとか、どのような論文が採用されるのか、大学入試に出題される、などを前半部で述べている。これは読む価値がある。イイことがありそうな気もする。特に高校生くらいにはよい影響を与えるのではないだろうか。

 後半は、『ネイチャー』に記載された論文から竹内氏がピックアップした20選に、内容解説と英語解説がつけられている。私は『ネイチャー』を購読していないので読むことはあまりないのだが、読んだことのある記事が2つ選ばれていた。ちょっと、うれしくなった。

 前半部分は誰かに指摘されずとも知ることができる。研究に携わるようになれば、情報収集のため「読む」という行為が義務になる。論文を提出する仕組みも生活に関わってくる。しかし、早いうちに知っておくと有益な情報だ。『ネイチャー』に限らず、学術誌を読みはじめるきっかけとなるだろう。そういった意味で大学のシラバス図書に指定されているのだと腑に落ちた。

Wednesday, March 21, 2007

脳にいどむ言語学

 一読して「ほぉ~」と腑に落ちるものは多くない。もちろん、そういった類の本でもない。

Amazon.co.jp: 脳にいどむ言語学

 大学の講義で参考文献によく挙げられているみたいだ。それくらい解りやすく書かれている。にもかかわらず、腑に落ちない、正確には感銘を受けないのはアプローチを説明しているからだ。基本的に、実験方法と評価方法を説明する本である。それはそれで有意義な内容なのであるが、第1章でことばのしくみとして生成文法の説明をしているので、脳と生成文法の関係に私の興味は向いてしまった。読み進めると、このことが本書の役割でないことがわかる。他の書籍を探すしかないのだが、参考文献が記されていないのが残念だ。

 今までの言語学は心理学とは密接であったが、生物学とは一線をひいていた。本書にも指摘があるが、今後は脳科学を軸として言語研究が盛んになるであろう。言語学の知識は評価や実験方法を設定するのに必要な基礎学問であることを如実に感じた。

Tuesday, February 27, 2007

脳のからくり

 「コマネチ大学」で広く知られるようになった竹内薫氏の脳科学勉強ノートである。

Amazon.co.jp: 脳のからくり―わくわくドキドキする脳の話

 ちょっと毛色の違う本であるが、中学生も脳科学に興味があるらしく、朝の読書の時間に何人か脳科学関係の本を読んでいたので勉強がてら。

 脳そのものではなく脳科学に焦点をおいているので、一読すると物足りなさがあるのだが「どのようなアプローチで脳の研究が行われているのか」ということを知ることが、渦巻く「脳」情報を精査する術になると思い、有益な入門書だと感じた。第1日(この本では章という言葉ではなく日という言葉を使っている)に「ゲーム脳」があげられている。これからはじまっていることが、私が「脳」情報を精査する術の入門書だと思った理由だ。

 平たい語りで読みやすいのだが、「意識と脳」の部分になるとチリチリしてくる。いくら平たく書かれていてもその哲学は難しい。