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Thursday, March 26, 2009

竹岡広信 『超人気講師のスーパー授業 竹岡式やり直し英語 (AERA Englishブックシリーズ)』

Amazon.co.jp: 超人気講師のスーパー授業 竹岡式やり直し英語 (AERA Englishブックシリーズ): 竹岡 広信: 本竹岡氏のことを知ったのは
NHK の『プロフェッショナル 仕事の流儀』。
しかし、放送は見ておらず、
どのような内容かを知らない。

にもかかわらず、
記憶によく残っているのは竹岡氏が
『ドラゴン桜』と関連付けられているから。

その『ドラゴン桜』も今年の正月に読む。
よって事前知識としてあるのは、
メディアによく露出している
予備校講師程度である。

『ドラゴン・イングリッシュ基本英文100』を読んで、
主張することにいちいち感心し、同調した。
この人のやり方は、私にあっている。
そう思った。
学参ではなく一般語学書があるというので手にとった。
学参も興味がある。

目次
はじめに
まずはここからやり直し!
【主語その1】
英語を話すには、まずは主語の決定。
人物を主語にする!!!
【主語その2】
日本語は「リンゴ三つ」、英語では「三つのリンゴ」。
数量表現は主語の前につけよう!
【動詞】
動作動詞と状態動詞の2種類の使い方を覚えよう。
【関係代名詞】
関係代名詞は100%代名詞だ!!
「つなぐもの」として読んではダメ。
マンツーマン本格レッスン開始!
【時制その1】
日本語の「~する」は未来・仮定の意味を持つ!
【時制その2】
過去形には「いつ行われたか」を示す
過去の副詞が必要!
【時制その3】
will と be going to の意味の違いを把握しよう。
【助動詞】
would、could、might は過去形ではない。
現在の意味で用いる。
【仮定法その1】
仮定法の「法」は mood。「仮定の気分」の意味。
【仮定法その2】
基本を押さえたら、日常でよく使う
基本の表現を覚えよう。
【比較その1】
as ~ as 構文の正しい意味を理解しよう。
【比較その2】
少し難しい応用表現も基本に立ち返って考えよう。
【比較その3】
特殊構文「the 比較級、the 比較級」は
元の文章を考えてみよう。
【冠詞その1】
「聞き手」に予想可能な場合 the がつく。
【冠詞その2】
the + 名詞 + 説明語句は、「唯一のもの」。
【名詞構文その1】
名詞構文を理解すれば難しい文章もスラスラ読める。
【名詞構文その2】
名詞構文の主語と目的語はこうして見分ける。

Column 1
まずは苦手意識を捨てて。
何のために文法を学ぶのでしょう?
Column 2
手当たり次第覚えるのではなく
「頻度」を考えよう。
Column 3
「訳はなんだ?」ではなく、
「使う場面」を考えよう。
Column 4
文法は「慣れ」であることを覚えておこう。
Column 5
言葉は「変化する」。文法に絶対はない。

本書をひと通り読むのに、私は4、5日かかった。
問題が豊富なのだ。
穴埋めや和訳ばかりでなく、骨太な和文英訳も多い。
いちいち頭をひねり、ページをめくる手が止まる。
何かの片手間に読むような本でない。
それではもったいない。
学参に実況中継シリーズというものがあるが、
このような体裁なのだろう。
ツボにはまればこの上なく効率のよい勉強ができそうだ。

「やり直し」とタイトルにあるが、
「やさしく、かんたん、サルにでも…」という類のものではない。
私の印象では、
学校での説明では納得いかなかった人が読むと、
溜飲が下がるだろうと思う。

Friday, March 13, 2009

林信孝 『英文法に強くなる』

Amazon.co.jp: 英文法に強くなる (岩波ジュニア新書): 林 信孝: 本丸暗記ではなく、
理解型の英文法というのはよくある。
わからないのか、知らないのか、
きちんと理解していれば
どちらの方法がよいのか
おのずとわかる。

どちらとも大事なので、
どちらかが突出してよい方法ではない
ということを知らないといけない。

目次
はじめに
1 音声
受信 カタカナ発音はリスニングに不利
発信 キザじゃないと通じない
  • QUIZ 球団名
2 名詞と冠詞
受信 冠詞の意味
  • QUIZ a と the
発信 money は数えられない!?
3 冠詞の仲間
受信 冠詞の隠された意味
発信 決定詞
  • QUIZ too は some 系
4 時制
受信 時制でわかる文章のジャンル
発信 「た」は過去ではない
5 助動詞
受信 助動詞は二枚舌?!
発信 気分を出して
6 動詞の周辺
受信 仮定法を見分ける
  • QUIZ if 節は?
発信 発信します、SVOC
7 準動詞
受信 表の顔と裏の顔
  • QUIZ 過去?過去分詞?
発信 既成事実と将来展望
8 副詞類
受信 副詞は添え物?
発信 ファミレスの法則
9 副詞類
受信 関係節をあぶりだす
  • QUIZ that that....
発信 関係節は欠け節だ
10 ダミーとナレーター
受信 何の代わりでもない代名詞
発信 ナレーターは誰?:話法
11 比較
受信 クジラの法則?
  • QUIZ 雨だれは大問題?
発信 擬似関係代名詞?
12 指示と情報
受信 指示語は復元可能
  • こぼればなし 定冠詞 + 名詞は一種の代名詞
発信 「は」と「が」は同じ?
  • QUIZ so do I/so I do
13 文修飾と態
受信 2種類の副詞節
発信 誰の声?:受動態と語順
  • QUIZ 先立たれる
14 行と行 文と文
受信 行間を読む技術
発信 文と文をつなぐもの
  • QUIZ however
15 文化と場面
受信 解読から読解へ
発信 パラグラフ・ライティング
  • こぼればなし 協調の原則
QUIZ の答え
あとがき

本書は理解型の英文法の本である。
わからないことに強い説明方法だ。

訳語への説明を急がずに、
状況描写を喚起する説明は、
今はスタンダードであると思う。

しかし、この手の本は読みにくい。
これは私だけかもしれないが、
とにかく読むのに時間がかかる。
説明がまどろっこしくてイメージが追いつかない。
ましてや本書は図や絵がほとんどない。
説明の大半がことばによるものである。
これが疲れる。

たとえばこんなの、
「私は彼に新しい靴を買ってもらいたい」

準動詞の説明で、
I want him to buy a new pair of shoes.
の訳であるが、
「私は彼に新しい靴を買ってもらいたい」から
靴を買ったのが誰か
一目でわかるだろうか?

「私が望むのは、彼が新しい靴を買うことです」
なのか
「私がほしい新しい靴は、彼がお金を出して買った靴です」
なのか、一目でわかるだろうか?

目次を見るとわかることだが、
本書はこのような食違いをなくしたいと
試行錯誤している。
じっくり読む1冊だと思う。

本書は
隠れた名著の1冊という触れ込みなので
読んでみた。
残念ながら絶版のようだ。

Thursday, February 19, 2009

國弘正雄 『國弘正雄の英語の学びかた』

Amazon.co.jp: 國弘正雄の英語の学びかた: 國弘 正雄: 本前著は自伝書的な内容であったが、
本書は的を絞ったコンパクトなもの。

只管朗読のやりかたについて。

書かれている内容は前著と同じ。
いくつか前著に書かれていない内容も
あるようだが、わずかである。

前著の焼き増しといわれても仕方ないが、
良書の方法論を筆者自ら再編集したと
考えれば、また違った意味合いがある。

目次
・本物の技をすべての人に伝えたい 安河内哲也
・はじめに
第1章 音読で英語を体に覚えさせる
  1. 國弘流「英語音読法」とは
  2. 「英語」はなぜ必要なのか
  3. 英語学習は、楽器やスポーツと同じ
  4. 学校英語をバカにしない
  5. 英語の意味をイメージしよう
第2章 音読で英語を活用自在にする
  1. 英語は「左から右に」読め!
  2. 知っておきたい「区切りのグループ」
  3. 英語の化学反応とは
  4. 「音読」で英語がペラペラに!
  5. 「音読」を重ねれば、文法も身につく
第3章 音読を無理なく、飽きずに続けるポイント
  1. 「リスニング」と「音読」の関係
  2. 「音読法」テキストの選び方
  3. 「音読法」音声の選び方
  4. 無理なく、飽きずに続けるポイント
  5. おすすめ「発音」練習法
第4章 音読パワーで英語を磨く
  1. 「書き取り、書き写し」も大切
  2. 「単語」を増やす方法とは
  3. 「音読」のゴールとは
  4. 「音読」をもっと活用するために
  5. こうすれば外国人とうまく話せる
・実践篇 さぁ、音読してみよう
・あとがき

本書に書かれていることは
ふたつに分けて考えることができる。
  • 只管朗読の有用性
  • 只管朗読の際の注意点
只管朗読の有用性がメインであるが、それは
前著にまかせたいと思ってしまった。
具体的な勉強法は実は少ない。

まぁ、「あれをやれ」「これをやれ」と
いちいち、やりかたを確認しなければ
ならないような方法では本末転倒になりかねない。
勉強方法をおぼえるのがメインではない。

同程度のことが書かれている本に
『英会話・ぜったい・音読』シリーズがある。
こちらは、教材もついていてよりよい。
方法論もほとんど同じだが、本書は
安河内哲也氏が手を入れているせいか、
少しだけ注意点が細かい。

Saturday, February 14, 2009

田尻悟郎 『田尻悟郎の楽しいフォニックス―田尻式フォニックスで発音をきたえよう!』

Amazon.co.jp: 田尻悟郎の楽しいフォニックス―田尻式フォニックスで発音をきたえよう!: 田尻 悟郎: 本英語の発音について、学生時代に
希求したものがひとつくらいあろうだろう。
私は、50音表があればと思った。

しばらくしてから、
フォニックスというものを知る。
救世主に思えたが違った。
本書は「違った」とひっかかった部分が
改善されている。

ひっかかった部分は何かというと
シラブル単位の発音で考えてはいけないのか
ということ。

目次
フォニックスって、何?
Ⅰ 田尻式カナ発音記号について
1 母音
2 子音
Ⅱ アルファベットの読み方
1 アルファベットの名字
2 アルファベットの仕事(基本編)
Ⅲ 子音・母音の読み方(音のたし算)
1 子音+短い母音(①番読み)
2 子音+長い母音(②番読み)
3 その他の読み方
Ⅳ 読み方のさまざまなルール(その1)
1 同じ子音が連続する場合
2 連続する同じ子音の直前の母音
3 語尾のe
4 マジックe
5 eが唯一の母音である場合
6 yが唯一の母音である場合
7 cの2種類の読み方
8 語尾のcとce
9 gの2種類の読み方
10 語尾のgとge
11 2種類の「ン」
12 語頭のs
13 語尾のve
14 語尾のel, en, on, al
15 語尾のten
Ⅴ 特殊な読み方をするもの
Ⅵ 読み方のさまざまルール(その2)
1 語尾のque, gue
2 語頭のgu
おわりに
田尻悟郎の楽しいフォニックス

発音本の多くは音素単位で解説してある。
cat なら
c は無声のクッ
a は ae でアとエの間の音
t は無声トゥ
で、つないで発音して キャット みたいな。
この手法自体に噛みついていた。

私は、日本語にみたいに
ca ならば キャ とローマ字読み方式でも
よいのではないかと思っていた。
勝手に突き進めばよかったのだが、
中途半端に常識のあった私は、
前例がないということで、この方法を退けた。

『メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法』で
長谷川滋利氏が同じように考えていてことを知って、
嬉しくなったのを思い出した。

本書では、はやい段階で
「子音 + 母音の読み方(音の足し算)」
として出てくる。
これを肯定するのか否定するのかは
大きな違いだと思う。

英語本はほんとうに数多く出版されているが、
教材研究というのか、調査というのか
そのようなことが満足に行われていない
のではないかと思いたくなる。

本書で残念なのはひとつ
「田尻式カナ発音記号」で書かれていること。
独自表記は便利なのだが、
後々の応用が利かず、危険だ。

本当に利用者、本書の対象であれば
中学生のことを思っているならば、
発音記号のルビとして独自記号を使うくらいの
気持ちでいてほしかった。
相当面倒くさいことではあるが…

しかし、きちんと注釈(pp.2)があるのが、
他と違う点ではある。

Tuesday, January 13, 2009

國弘正雄 『國弘流 英語の話しかた』

Amazon.co.jp: 國弘流英語の話しかた: 國弘 正雄: 本正直なところ今更感、バリバリであるが、
よい本なので書く。

私は著者の國弘正雄氏のことを知らない。
見たこともないし、聞いたこともない。
なのでネット界隈でよい本だと言われても
読む気になれなかった。
本書の分厚さに威圧されたのも理由だ。

しかし、重い腰を上げて読んでみた。
英語学習理論本はお腹一杯であったが、
もっとはやく読んでおけばよかったと
後悔した。

目次
第1部 只管朗読編
私の只管朗読
繰り返すということ
只管朗読にはどんな功徳があるか ほか
第2部 英文法編
私と英文法
文法を知っているということ
文法をめぐるいろいろな主張 ほか
第3部 活用自在編
英会話と活用自在
只管朗読と活用自在
主題レベルの活用自在 ほか
第4部 日本と世界と英語編

英語で考えるとはどういうことか。
通訳するときはどんな頭の使い方
なのか。などは安心できる返答だった。
これだけでも学習のイメージは膨らむ。

正しい英語学習方法はあるのか?
むずかしい問いだと思う。

しかし、私が中学高校のときにやってきた
予習として教科書の英文を訳し、
授業で正しい訳と正誤確認し、
復習でもう一度自力で訳すのは、
効果も効率も悪いやりかただと思う。

これは教員にとって効率的なやりかたである。
けっして、生徒のためではない。

最近では訳先渡しで授業が行われている
らしい。私が受けてきた授業とは正反対の
スタイルである。
しかし、本書を読むと「あぁなるほど」と
腑に落ちると思う。

Thursday, August 28, 2008

小倉弘 『受験英語禁止令』

Amazon.co.jp: 受験英語禁止令―あなたの英語をリストラするマル禁132条: 小倉 弘: 本 著者は、代々木ゼミナールの中の人。今現在も講師をしているのは知らない。学校の教員同様、予備校の講師は生徒が「どのような理解をしているのか」を知ることができる。そのデータベースから足りている部分、足りない部分を132の項目をもって解説説明する。本書の解説方法は、最近はやっている「コア」とか「イメージ」のそれである。本書のターゲットはおそらく、ビジネスマンだろう。

 ビジネスマンがターゲットであれば、これはよい本だと思う。何がよいのか?ひとつは、受験英語に沿った解説がされていること。もうひとつは、説明のしかたがトリビア的でないこと。

 なぜ受験英語に沿った解説がよい点なのか?それは自分の知識を再利用できること、検索性が高いことがあげられる。学校で教わった内容に、なんか腑に落ちないという経験がひとつでもあれば、本書は使いやすいものになると思う。

 トリビア的な説明とは、「この単語にはこういう意味もあるんだよ、盲点だったね(笑」という説明のしかたである。このやりかたで勉強すると、いつかは「なんか腑に落ちない」という経験につながると思う。この腑に落ちないというのは、知識の断片化にある。ひとつの単語が、あんな意味やこんな意味になるのはわかった。しかし、なぜこんなにも意味が多様なのか?どんなカラクリでこのような多様な意味が出てくるのか?といった類のものだと思う。「コア」や「イメージ」と呼ばれている説明方法は、この断片化を解消してくれる、というのが私の経験である。

 久しぶりに英語を勉強するひとにとって、本書は確認テストのようなものになるだろう。ターゲットがビジネスマンだろうという推測はこれによる。132項目というと「多いなぁ」と思うかもしれないが、170ページ前後で字も大きい。1時間もあれば通読できる。お手ごろである。

Wednesday, April 30, 2008

金谷憲 『忙しい人の多読トレーニング・メニュー』

Amazon.co.jp: 忙しい人の多読トレーニング・メニュー: 金谷 憲: 本 多読ということばも英語学習法として認知されてきたと思う。英語学習のことばとしての多読を簡単に説明すると、やさしい英語の本を多量に読むということになる。

 やさしい本とは?多量ってどのくらい?

 直感的に、やさしい本というと「内容のやさしい」本だと考えがちだ。間違いではないが、多読に関しては「簡単な単語で書かれた本」ということだ。簡単な単語とはなにかというと、その単語を知っているかどうか。いたってシンプルである。結果、内容がやさしくなることもあろうが、内容的にはむずかしくても簡単な単語で書かれた本はやさしい部類に入る。

 「やさしい」はもうひとつレベルがある。それが内容だ。上ではむずかしい内容でもやさしい単語で書かれていれば「やさしい」本としたが、本書では、

 どんなに難しい本でも、寝転がって読もうと思えば読めないわけではありませんが、本来、机に向かって背筋を伸ばし、精神を集中して読まなければ頭に入ってこない、というような本はやめておきましょう。(pp.16)

 量について、有名どころでは100万語などの具体的な語数がある。もしくは、ベーパーバックの高さが 30cm とか 40cm とか、高さで計ることもある。本書にはこうある。

ページ数より、冊数で勝負しよう。(pp.22)

 本書は「トレーニング・メニュー」である。多読をトレーニングにするためのメニューが書かれている。レベルアップの仕方はあまり見ない。

 あまり書くとネタバレになるので、ひとつだけ書く。読みのスピードアップ。それが最初の課題だ。

Sunday, March 30, 2008

岡本浩一 『最強の英語上達法』

Amazon.co.jp: 最強の英語上達法 (PHP新書): 岡本 浩一: 本  コストパフォーマンスの高い一冊だ。著者は社会心理学者。専門はリスク心理学とある。どのような研究をしているのか、トンと見当もつかぬが、私は心理学者という認識である。

 心理学と学習というと、市川伸一氏を思い出す。認知心理学の研究成果を適用した良書がある。それの英語版であってほしいという思いで手にした。各種レビューでも悪い評価はない。

020号 「最強の英語上達法」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 - 語学の虎

 書評は上のリンクサイトが詳しい。私も同じような箇所に付箋やラインを引いている。重なるところもあるかもしれないが、興味深い箇所を書く。

 記憶に関することは、勉強本に書かれてることが多い。なので、よく知っていると思う。ここでは、外国語の記憶体系が興味深かった。

英語の場合、語彙についての知識は宣言型知識である。文法についての知識も宣言型知識である。(pp.76)

英語学習ということで考えると、母音や子音の正しい(英語らしい)発音の仕方を口唇や舌の動きとして理解し、スムーズにできるようになるプロセスは、手続き型知識の習得である。(pp.78)

 なにが興味深いのかというと、訳という視点がまったくないということである。宣言型知識とはそういう概念である。

 多くの人は、読んでいる英文すべてを和訳しているわけではないのだが、少し難しいところにくると、日本語に訳してみないと気が済まない習慣がついている。そこからいったん脱却することが大切である。
 そうして、どうしてもわかりにくいところは、構文を考えながらゆっくり何度も音読してみる。必要なら身振り手振りをいれて何度も音読してみる。(pp.97)

外国語をマスターしようという場合、もっとも大きな障害のひとつは、母国語である。このことをよく念頭においていただきたい。(pp.99)

 次に興味深いのは単語の覚え方だ。ここは丸々引用したいが要約する。筆者は、

英単語は、まず、丸暗記するのが正しいと考えている。(pp.104)

というスタンスだ。これは、文脈とともに単語の学習もしましょうというものに対するアンチテーゼである。わたしも、全面的にこれを指示する立場である。しかし、このことに触れている書籍が、私が読んだなかではなかった。筆者の理由は、

文の中で見て、用法やニュアンスを理解するという活動は、覚えるという活動とはまったく別の頭の使い方を必要とする。そのふたつを同時にすることは、心理学的には競合反応となり、どちらも中途半端になる。(pp.104)

 このことをはっきりと同じ文脈で言及している文章は少ない。

 発音に関することもガツンときた。

発音の習得には年月がかかる。いまのあなたの発音は決して完全ではない。けれどもそれを気にしないで、そのときどきの自分のベストの発音で声を出すことである。(pp.114)

 この理由も本書に書かれている。なかなかハードルが高い。

 本書は英語学習法に対する不安を軽減してくれる。必然的にモチベーションがあがる。今すぐにでもやらなければという気にさせてくれる。とりあえず、文法書と単語集、発音教本を揃え Let's go! という気持ちになる。

 本書は、新書としては分量が多く、250ページくらいある。しかし、読む側を考えて体裁されている。コラム集といった感じでとても読みやすいし、部分読みもしやすくなっている。今思うと、本書は新年度にふさわしい。

Friday, March 21, 2008

佐伯智義 『英語の科学的学習法―文法的分析でマスターする』

Amazon.co.jp: 英語の科学的学習法―文法的分析でマスターする: 佐伯 智義: 本 文法的分析で英語をマスターするとサブタイトルにある。本書タイトルの英語表記は "A Guide to Grammatical Analysis" である。

 文法的解析とはなにか?

文法的分析は、品詞と単語の性質(数、性、人称など)、それに機能(文を構成する要素;主語、直接目的語、間接目的語、状況補語など)をチェックすることです。(pp.31)

 この説明を読むと、学校教育でも十分に、というかこれしかやってないではないかという気がしないでもない。しかし、筆者の見解は以下である。

文法は“文法の授業”のためだけのもので「テキストを読む時や英語を話す時に、文法を考慮する必要がない」という考えが一般的です。(pp.24)

 このように言われれば、「うん、そうかも」とも思える。しかし、私の知る限り、このことで学校教育を憂うことは無駄である。むしろ、生徒個人、親に向けたメッセージであるというならば納得である。学校教育で考えなければならないことは、評価方法であろう。

 さて、本書の英語学習における目標・到達点は文法の自動化である。

●英語マスターへの本書の提案
1.英語は品詞や語順が大事な言語であることを理解しよう
2.学校英語で作られた、英訳・和訳の神経回路を断ち切ろう
3.「文法的分析」で、頭の中に英語だけの神経回路を育てよう
4.ネイティブにように、無意識下での分析を体得して、英語の読み書きと会話をマスターしよう

 ネイティブは文法を知らないのではなく、意識せずとも文法規範に則った発話やらなんやらの言語活動を行う(4)。中学生が「なぜ国語を勉強するの?」と考えるのと同じであろう。同程度に英語の文法事項を脳に刷り込ませ、自動化することを目標としている。その訓練法として、文法的分析を推している(3)。まずは英語のグローバル・ルールを無から作り出さねばならない。そのためには、とにかく、ルールを意識しつづけることが第1のハードルになる(1)。教師としては生徒に意識させつづけることが課題となる。上の引用でもっとも神経を尖らせなければならないのは「2.学校英語で作られた、英訳・和訳の神経回路を断ち切ろう」ではないだろうか?

 英文を読んだとき、内容は頭に残るが、英文そのものが残らない。英語で会話しているときも、内容は頭に残るが、英文とその音声が残らない。これに悩んでいる人は多いと思う。これは和訳の弊害のひとつだと思う。なぜか?和訳をしないと理解したと思えないからである。そうなると、母語を介入しないダイレクト・メソッド系の教授法がよいのかという話になるが、ご存知のように DM は効率・能率がわるい。学校のような大人数へのレクチャーで短い時間に要点を伝える術としては敬遠されている。教わる側としても不安だし、母語を介入せず外国語を理解するという状態がいかなる状態か理解できないだろう。これをどうにか解消しようとがんばっているのが「多読」による教授だと、私は理解している。

Thursday, March 13, 2008

ケリー伊藤 『プレイン・イングリッシュのすすめ』

 もっと評価されてもよかったのではないかと思う。

Amazon.co.jp: プレイン・イングリッシュのすすめ

 まず、「プレイン・イングリッシュってなに?」という、素朴な疑問がある。筆者であるケリー伊藤氏のホームページから引用する。

pecs-プレインイングリッシュ-Plain Englishとは

それでは、プレイン・イングリッシュは何かと聞かれると、少々困るんですが、こうですという形はないんです。よく混同されるんですが、ベーシック・イングリッシュのように、動詞は何語しか使わないとか、そういう決まりはないんです。一言で言えば、英語を母国語としている人ならだれが聞いてもわかる英語ですね。日本の英語学習者に則して言えば、中学3年までで学んだ単語で十分です。専門的なことを言うときには、テクニカルタームを使うこともありますが、構文自体は難しい構文は使わないということになります。

 ということで、プレイン・イングリッシュは英語母語話者に対するやさしい英語ということになる。評価されてよいのではと考える理由はここにある。

 極論すると、プレイン・イングリッシュは我々の中学英語になる。テクニカルタームは名詞であるから、プレイン・イングリッシュ的であるためには動詞が重要になる。中学英語の動詞が難しいのは知られている。これは、経験から述べることができる。

 中学の単語は意味が何通りも考えられる。当時の私は、そう思っていた。ちょっと難しい単語を見ると、意味が一通りしかない。これなら間違えようがない。学習者とはこういうものである。リスニングも難しい単語のほうが聞き取りやすい。一石二鳥である。

 しかし、生の英語に触れると状況は一変する。新聞や雑誌、インターネット上ではプレイン・イングリッシュを意識した文章が多い。私のように、基本単語の理解度が学校英語の範疇で止まっていると情けなくて涙が出てくる状況に追い込まれる。北米の独立系ベンダーの調査をしていたときに愕然としたことが、昨日のようである。

 それではどうすればいいか?ケリー伊藤氏は、単語の基本概念(Core Meaning)を利用しようという。今ではなじみのあることばと化した感がある。なので、説明はしない。

 私は本書を読み、ひとつ分かったことがあった。それは、学生時代の教師やえらく英語、英語に限らず外国語が達者な人たちに英英辞書を使うように勧められたことが多々ある。

 学生時代は、「何いってるんだ、この人は」といぶかしく思っていた。「なぜですか?」という問いに、納得のいく回答が得られなかったからだ。おそらく、教師も同じようなことを教師に言われたのだろう。そして、その勉強法で英語を習得してきた。教師の教え方というものは、自分の受けた教育に影響される。これは、教科教授法の授業でいやというほど聞いた。ということは、私に英英辞書を使えと言った人たちの経験知なのだろう。今ならそう考える。古い人の書いた英語学習に関する書籍を見ていると必ず書いてあることであるが、ただ、「使え」としかない。というか、基本概念なら英和辞書にも書いてあるではないか。ただ、なんとなく心許ない感は否めない。

 さて、本書を読みたければ、ケリー伊藤氏のホームページを見るとよい。「すすめ」の心は、本書と同程度に読みとることができる。

Sunday, March 02, 2008

田地野彰 『「創る英語」を楽しむ―「暗記英語」からの発想転換』

 あまり読まれていないようだが、もったいない。

Amazon.co.jp: 「創る英語」を楽しむ―「暗記英語」からの発想転換 (丸善ライブラリー)

 応用言語学者による、学校英語のブラッシュアップと学校英語教育への提言である。田尻悟郎氏の英語教育と似ているというのが、私の印象である。

 なにが似ているのか?それを書くとネタバレである。が、書く。「魔法の呪文」である。ふざけているのか?いや、ふざけていない。本書にそう書いてある。本書は「魔法の呪文」の実践編、論理編が丁寧に綴られている。私としては、その論理編が興味深い。

 「魔法の呪文」を用いた外国語学習は、ネイティブの母語習得法に沿っているという。「またそれか……」と、正直なところ思った。しかし、丸め込まれた。言葉が悪い。腑に落ちた。

 英語は固定語順言語である。大西泰斗氏が口をすっぱくして言っている、あれである。英語は、単語の並びに意味がある。ネイティブが自然と獲得する文法ルールである。先に述べた「魔法の呪文」はこの文法ルールだ。

 「大きなルール違反」(グローバル・エラー)にこだわる。学校教育では、このグローバル・エラーよりも「小さなルール違反」(ローカル・エラー)に興味が向きすぎであるといっている。ローカル・エラーとは、冠詞や三単現、不規則変換動詞のミスのこと。納得である。

Monday, February 04, 2008

林剛司 『英語は「多読」中心でうまくいく!』

 高専で多読をとりいれた授業を行っている著者による多読の啓蒙書である。

Amazon.co.jp: 英語は「多読」中心でうまくいく!

 本書は「なぜ多読なのか」ということを、作者の英語学習経験、実務で英語を使っている人の英語学習本、英語教育界の提言などをまとめ述べられている。これでもかというくらい多読の効果を連ねれば、十分だと私は思う。本書を読めば、多読をやらねばと思うのが正常だろう。しかし、学校英語が悪いと言っているのではない。注意が必要だ。

 学校英語も十分機能している。文法と訳読式の精読は短い時間で英語の骨格を教授する方法としては最適だ。プラス、多読を始める前の基礎工事としても欠かせない。「じゃあ、どうすればいいのか?」という質問の答えは大抵、どっちもである。対立するものではない。本書もこのことは慎重に扱っている。

 さて、本書は多読の啓蒙書である。なので、「多読ってどうやるの?」というのが少ない。全くないわけではない。「多読の授業ってどんなの?」というもの少ない。全くないわけではない。くわしくは Web で、ということになるのかな。

SSS英語学習法/多読+シャドウイング

 個人的に気になった参考文献

  • 金谷憲 『忙しい人の多読トレーニング・メニュー』(IBCパブリッシング、2005年)
  • 金谷憲 『英語授業改善のための処方箋―マクロに考えミクロに対処する』(大修館書店、2002年)
  • 酒井邦秀、神田みなみ 『教室で読む英語100万語―多読授業のすすめ』(大修館書店、2005年)
  • 竹内理 『より良い外国語学習法を求めて―外国語学習成功者の研究』(松柏社、2003年)

see also
英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方

Wednesday, December 19, 2007

池上嘉彦 『<英文法>を考える』

 最近のNHK教育の英語関連の番組を観ていた人には新しいことはない。

Amazon.co.jp: 「英文法」を考える―「文法」と「コミュニケーション」の間 (ちくま学芸文庫)

 本書は1991年に「ちくまライブラリー」から刊行されており、私が読んだのは1995年に刊行された文庫版。内容は16年前の本である。

 本書を手に取ったきっかけは、認知言語学の入門書としてリストアップされていたからだ。お勧めらしい。

認知言語学的メモ : 認知言語学文献案内

 認知言語学への興味は、NHK教育の『新感覚☆わかる使える英文法』による。なので、持ち合わせる認知言語学的知識は、この番組からの情報が私のすべてである。

 英単語編は、すぐに書籍になった。なので、英文法編もすぐ書籍になるだろうと思っていた。しかし、英文法編は出版される気配がない。個人的に、ヤキモキしている。

 私が通教で学んでいたとき、言語学関係の授業は「生成文法」のみであった。認知言語学については教授法のスクーリングで「はなし」があった程度で、学問として学んだことはない。

 本書の内容は、私が知っている情報とほとんどかぶる。ということは、『新感覚☆わかる使える英文法』と同等ということになる。私の事前の知識は上記のとおり。

Sunday, December 16, 2007

英語学習と脳科学

 大修館から出版されている『英語教育』の2008年1月号の特集が、「英語学習と脳科学」という面白そうな内容だ。

脳科学がいま元気である。言語学習に関連してさまざまな発見がなされるなか、英語教育界でも、脳科学を視野に入れての種々の提案、実験がされるようになった。新しい動向と最新成果を紹介する。

主要目次
脳内を最適に活性化する英語教授法とは(大石晴美)
英語(L2)の学習は日本語(L1)の語彙辞書を変える!:
 マルチコンピテンス研究が示唆するもの(村端佳子/村端五郎)
早期英語教育に文字はどこまで必要か(井狩幸男)
上級学習者は語彙をどのように理解しているか:
 反応速度と脳賦活から考える(石川慎一郎)
母語が違うと英語の情報処理時の負荷が異なるか(木下 徹)
私たちは日本語や外国語の文をどのように理解しているか(中野陽子)
第二言語習得研究の中の脳科学(松村昌紀)
[コラム]
脳科学から見たことばの習得(井狩幸男)

『大修館書店ホームページ燕館』より引用

 内容は、引用した目次の文字列から想像するものより、より専門的だ。現役の英語教師が触手を伸ばしたとしても、受信者、発信者ともに納得のいく「読み」ができるだろうか。不安はある。

 確かに脳科学は元気だ。しかし残念なことに、学問ではなく商業の面でそれが顕著である。事態がややこしくなる環境は整っている。特に英語に関しては百花繚乱である。教師が学問レベルの研究成果にふれる機会を増やすことは、必要不可欠になったと思う。

 脳科学と教育には政策の後押しもある。

「脳科学と教育」研究の推進方策について-3.「脳科学と教育」研究の推進に当たっての基本的考え方

 これは脳科学を教育に取り込もうというものではない。教育界からの課題に対して貢献できる研究をしてくださいという、科学界に向けた宣言である。ゆとり教育のときと同じように、真意が現場に十分に伝わっているのかあやしい。

 本書はこれから読む。

Wednesday, October 10, 2007

ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話

 『新感覚☆わかる使える英文法』終了に伴い、大西泰斗氏とPaul Chris McVay氏が復活というので、読んでみた。

Amazon.co.jp: ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話 (語学シリーズ)

 本書を除くと、彼らの著書は2冊読んでいる。『みるみる身につく!イメージ英語革命』(講談社プラスアルファ文庫、2005年)と『英文法をこわす―感覚による再構築』(NHKブックス、2003年)である。

 前者は単語をメインに、後者は文法をメインにと考えていい。本書に書いてあることは、これら2冊にも書いてあり、目新しいことはない。それを分かっていたので、今の今まで、彼らの出世作でもある本書を読まずにいた。にもかかわらず、私は本書を読んで「なるほどな」と思った。

 本書はイラストが素晴らしい。私が読んだ2冊は、特徴的なイラストを使っている。正直なところ、「あのイラストに落ち着いたのはなぜ?」と思っていた。本書は、私の不満を払拭してくれていた。書籍に使われるイラストが違うだけで、印象が変わるというのは珍しいことではない。しかし、同一作者がイラストを変えるというのは珍しいと思う。

 この類の本は、イラストがものをいう。好き嫌いにより、会計に運ばれるか、本棚に戻させるか、決まる。これは選ぶ側にとっては不幸なことだ。内容に関わらず、外面だけで好き嫌いを決めかねない。誤った判断により、有益な情報を自ら拒絶することになる。売り手としても同じだろう。

Friday, September 28, 2007

大人の英語発音講座

 「今どき英語発音本にCDがついていないなんて……」と思った。あら、ビックリ。こいつはいい。

Amazon.co.jp: 大人の英語発音講座 (生活人新書)

 2年くらい前に、本書の存在を知った。ということは、2年くらい読んでいないことになる。なぜ、2年前にスルーしたのかというと、上記にも書いたとおり、本書にはCDがついていない。「英語リスニング・スピーキング本としては如何なもんでしょう?」というのと、batの母音の説明(他の音も同様)で、「エ」と言いながら口を縦方向へ開いて云々、という説明しかなく、図がないことに不満だった。舌の位置とか、唇の形とか知りたかったのだ。

 その当時は、個別の音を知ることが英語リスニングへの近道だと信じていたので、『英語耳』(松澤喜好、アスキー)や『オバケの英語』(明川哲也・クレイグ ステファン、宝島社)に飛びついた。

 しかし、徐々に違和感を覚えるようになる。発音記号、一つひとつの音をなんとかモノにしたとしても、単語や文章として聞いた場合に、どのようにコレが役に立つのか、私には見えにくかった(気がついていないポイントがあった)。なので、フォニックスに手を出した。

 が、フォニックスでも問題は変わりなかった。基本的には『英語耳』や『オバケの英語』と変わらなかった。フォニクスの方が自学にとっては汎用性が高いと、思った程度だ。

 なにが不満だったか?

 それがシラブルとアクセント、音の連結や消失であった。本書ではこれらが、体系的に示されている。学習ステップと目標にも共感できる。本書のpp.113 - 115に書かれていることもこれらを後押しした。この手の言及を、私は『魔法の発音 カタカナ英語』(池谷裕二、講談社)しか知らない。

Wednesday, August 29, 2007

英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方

 やり直すのなら、とことん基礎から。

Amazon.co.jp: 英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方 (講談社パワー・イングリッシュ)

 著者の伊藤サム氏はジャパンタイムズ編集局次長、『週間ST』編集長という肩書きである(ソースは本書)。新人記者研修で行っている教育がベースとなっている学習法である。

 野口悠紀雄氏の「パラシュート勉強法」(『「超」勉強法』、講談社文庫、2000年)の視点から考える。野口氏のこれは分からないところは、とりあえず飛ばして、先へ進めといっている。そうすれば、基礎的なことへの「気づき」の視点が生まれるというもので、ひとつのトリガーを提供する自己学習法である。

 この「やさしく、たくさん」にも、この基礎への気づきという視点が含まれているように思われる。理由は新人記者が英語ネイティブであるということだ。基礎は難しい。それは、概念の理解になるのだから。抽象を具体へという変換作業をするためには知識が必要であるからだ。経験がなければ気づくことは難しいと思う。しかし、初学者には絶対的にそれが不足している。だから「たくさん」なのだ。

 「やさしく」の定義は難しい。本書では、はじめは、中学英語からと書いてあるが、自分が感じる「やさしい」を早く見つけることが必要だ。それはなにか?本書では「i + 1」と示している。iは自分の英語思考可能レベルとある。英語思考可能レベルとは、日本語を介さず英語で考えるということだろう。多くの人にとっては、これが中学レベルということらしい。

 さて、本書の内容は氏のホームページを基としている。

伊藤サム 英語の世界

 なので、それを読めば本書を手に取る必要はない。しかし、氏のサイトはお世辞にも読みやすいとはいえない。むしろ、本気で氏の教えを請うモノしか受け付けぬというメッセージのように思える。

Sunday, August 26, 2007

英語学習7つの誤解

 英語科教育法の授業でとりあげられた議題が散見する。そこでも意見が分かれることが多かったが、英語教育に携わる者としては常識的なことばかりである。

Amazon.co.jp: 英語学習7つの誤解 (生活人新書 229)

 まず、本書に示されている英語学習の誤解は以下
  1. 英語学習に英文法は不要である
  2. 英語学習は早く始めるほどよい
  3. 留学すれば英語は確実に身につく
  4. 英語学習は母語を身につけるのと同じ手順で進めるのが効果的である
  5. 英語はネイティブから習うのが効果的である
  6. 英語は外国語の中でもとくに習得しやすい言語である
  7. 英語学習には理想的な、万人に通用する科学的方法がある
 「7つで足りるのかなぁ?」と思っていたが、外国語教育に携わるものと学習者の間の壁としては十分だろう。それは、上記の7つに付け加えて、母語・外国語・第二言語、臨界期、英語で考える、などなど、分かるようで分からないことばについて解説してくれているからである。

 大津氏も平たく言ってしまえば脳科学者である。なので、脳科学についても言及がある。この部分を読むと残念な気持ちなる読者もあろうが、現状をきちんと説明しなくては脳科学の発達も停滞してしまうだろう。8月19日にフジテレビの「ボクらの時代」で川島隆太氏以下、脳科学者3人が出演していた。そこでも、脳科学をとりまく物事に憤りがあるような発言があった。一語一句覚えているわけではないので、脳内ソースから咀嚼。
「右脳幼児教育を全否定しない。そこには、経験的な何かに基づいて、ある程度の効果があるのかもしれない。しかし、その効果が脳科学や右脳により説明できているとは思えない。」

 こうなってくると、科学というものをどのようにとらえるかという問題になってしまう。科学的に証明されたなどと言われると、飛びつきたくなる気持ちは理解できる。しかし、「科学的とはどういうことなのか?」と考えると語学に関することほとんどは根拠が薄い。だから「リテラシーなのだ」となる。

 最近は「右脳」という冠のついた書籍はめっきり見なくなった。右脳と英語。これもよくよく考えると矛盾する。英語は論理的な言語といわれている。日本語は論理的でない。ならば、日本語こそ右脳の特徴をもった言語ではないだろうか?どちらが正しいか、間違っているのか、それは分からないが、これだけでも矛盾している。だから「英語脳」なのだろう。隙がない。流行廃りがあるもんだというのがよくわかる。

 さて、英語学習とは関係のないことを書いてきたが、本書の核はこれだと私は感じた。科学的という表現はいただけないが、効果のある人には効果のある学習法は存在するということだ。これは、現状の英語学習をとりまく環境には希望的な考え方ができると思う。

 なぜ希望的な考え方ができるのか。それは、とにかく色々な学習法が作り出されているということに尽きる。参考書にしても、一体、何種類あるのか分からないくらい世には存在する。その中にはひとつくらい、自分に合ったモノがあるのではないだろうか、そういう希望である。それゆえに、本書での最終章「あとは動機づけと目標設定」に続く。

 本書は、英語教員が怠っていたことを穴埋めするモノだと、私は思う。

 英語教員にしてみれば、「こんな本が、なぜ必要なの?」と思うのかもしれない。当たり前すぎるからだ。保護者や生徒から「あのね……」と問われて、はじめて、はっとするのかもしれない。教師側としては「言ったじゃない…、もう…」とも思うかもしれない。信用されてないのか、説明を怠ってきたのか、それは分からない。しかし、「じゃぁ、先生、どうすればいいの?」と問われたら、それはまた別の問題である。

Sunday, July 22, 2007

今週読んだ、その他本たち

 大相撲が終わると少し寂しくなる。

 琴光喜は、優勝は逃したが、何年越しなのだろうか、大関昇進を確定的にした。おじさん(といっても30代前半であるが)大関だ。来場所も強い琴光喜を見せてもらいたい。しかし、相撲はスポーツなのだが、やっぱり武道でもあるなぁと、最近、つくづく感じる。

 がっつり組んだ熱戦がやはり気持ちを刺激する。古典的な四つのがっつりした相撲がいい。安馬や豊真将が最近のお気に入りだ。見ていて清々しい。

 しかし、今日は暑い。とろけそうだ。先週はかなり心地よい気温だったので、何事もスムースだった。寝るのも最高に気持ちよかった。今日から寝苦しい夜が続きそうだ。私のキライな季節だ……orz

 さて、今週読んだ、その他本たち。


Amazon.co.jp: 反社会学の不埒な研究報告

 あいかわらず面白いなぁ、パオロは。個人的には「新作落語『長屋武士道』」が好き。だいぶ考えさせられた。タイムリーというか、なんというか、本日、以下のようなブログ記事が目に付いた。

今日行く審議会@はてな - こうしたレトリックに嵌らないこと

 元記事はこれから読むつもりだ……、多分ね……

 さて、筆者のHPでAmazonのレビューにつっこみが入れられている。

『反社会学の不埒な研究報告』正誤表

 こういうのは、読者に非常に有益だ。しかし、Amazonにレビューや感想を書くのは、私としてはおこがましいと思ってしまって、遠慮というか、敬遠してしまう。正直、あそこにさらすのは怖い。

茂木健一郎 クオリア日記: 情報倫理

 上記のブログでAmazonのレビューから、ネットの匿名性について述べられている。タイムリーが続く。


Amazon.co.jp: 心理学から学習をみなおす

 先日、『勉強法が変わる本』を読んだが、それの元となっているのが本書だ。とりあえず読んでみたが、前書を同じ内容なので、『勉強法が変わる本』を読むほうが経済的だ。まぁ、本書は100頁そこそこなので、短時間で読むのならこちらのほうがよいかも。まっ、時間の問題ではないが……


Amazon.co.jp: 英語攻略の「天敵」―動名詞・不定詞・分詞の再征服

 いわゆる「準動詞」にポイントを絞ってまとめたモノである。学校英語教育に沿った書き方をされているので、理解の足しにはなるだろう。

 準動詞は確かに、英語攻略の壁だと思う。先日、『英文法ゲーム104』を読んだときに感化されたのはこの部分だった。こいつをチャンクとして考えられれば、英語を読むのがずっと楽になるし、会話の際もずっと楽になる。

 しかし、本書はタイポが多い。なので、他の文法書とにらめっこしながら読むことになった。考え方に賛同できるだけに、もったいなと感じざるを得ない。と同時に、自分も気をつけなければいけないと再認識した。やはり単純ミスを頻発していては信頼は得られないと……

Sunday, July 08, 2007

キャッチコピー

 英語脳、英語耳、英語口、英語舌、まぁ、英語学習書のタイトルにはいろいろある。昨日、新聞に新しいキャッチコピーを見つけた。英語喉。あと何が残っているだろう?考えるのが楽しくなってきた。

 で、この英語喉であるが、私は読んでいない。なので、少し調べてみた。Webサイトがみつかったので覗いてみた。

英語喉(のど)オフィシャルサイト

 あれ?誰かに似ているなぁとサイト内の写真を見ていたら苅谷剛彦氏だった。

また、そのころ私は、友人たちが新たに開発した画期的な英会話の学習方法の実験台を買って出ており、日本の英語教育についても、考えているときだった。この対談のなかで、多少なりとも厳しいコメントを日本の英語教育に向けているのは、自分自身が、英会話の学び直しの最中であり、この新たな学習法が日本の英語教育への批判になっていることを身をもって実感していたからである(ちなみに友人とは、上川一秋さんとジーナ・ジョージさんで、二人の共著がまもなく出版される。
(苅谷剛彦,増田ユリヤ(2006)『欲ばり過ぎるニッポンの教育』 講談社現代新書 pp.253)


 あっ、コレだったのね。もう、すっかり忘れていた。スルーしちゃいけないような気がしてきた。本の世界のまもなくって半年くらいなのか……

 しかし、複雑な気持ちにある。タイトルは間違いなく、私にとってはスルーの対象である。しかし、ちょっと調べてみたら、忘れていた記憶が蘇ってきた。このタイトルでなければ間違いなく調べることはなかった。う~ん、複雑だ……