Wednesday, August 29, 2007

英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方

 やり直すのなら、とことん基礎から。

Amazon.co.jp: 英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方 (講談社パワー・イングリッシュ)

 著者の伊藤サム氏はジャパンタイムズ編集局次長、『週間ST』編集長という肩書きである(ソースは本書)。新人記者研修で行っている教育がベースとなっている学習法である。

 野口悠紀雄氏の「パラシュート勉強法」(『「超」勉強法』、講談社文庫、2000年)の視点から考える。野口氏のこれは分からないところは、とりあえず飛ばして、先へ進めといっている。そうすれば、基礎的なことへの「気づき」の視点が生まれるというもので、ひとつのトリガーを提供する自己学習法である。

 この「やさしく、たくさん」にも、この基礎への気づきという視点が含まれているように思われる。理由は新人記者が英語ネイティブであるということだ。基礎は難しい。それは、概念の理解になるのだから。抽象を具体へという変換作業をするためには知識が必要であるからだ。経験がなければ気づくことは難しいと思う。しかし、初学者には絶対的にそれが不足している。だから「たくさん」なのだ。

 「やさしく」の定義は難しい。本書では、はじめは、中学英語からと書いてあるが、自分が感じる「やさしい」を早く見つけることが必要だ。それはなにか?本書では「i + 1」と示している。iは自分の英語思考可能レベルとある。英語思考可能レベルとは、日本語を介さず英語で考えるということだろう。多くの人にとっては、これが中学レベルということらしい。

 さて、本書の内容は氏のホームページを基としている。

伊藤サム 英語の世界

 なので、それを読めば本書を手に取る必要はない。しかし、氏のサイトはお世辞にも読みやすいとはいえない。むしろ、本気で氏の教えを請うモノしか受け付けぬというメッセージのように思える。

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