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Wednesday, January 21, 2009

横浜市が全校で小中一貫教育

全小中学校で小中一貫教育を行うと
横浜市が決めたらしい。

「小中ギャップ」解消へ全校で一貫教育 横浜市決定のメリットは?!  (1/3ページ) - MSN産経ニュース

横浜市教育委員会が、新学習指導要領が完全実施される平成24年4月から、すべての市立小中学校で9年間一貫の教育を実施する方針を決めたことが19日、分かった。小中一貫教育は東京都品川区や広島県呉市などで導入されているが、横浜市のように小学校346校、中学校全145校という大規模な実施は全国初


横浜市が小中一貫教育を決めた。
理由は「勉強」と「環境」ということ。

「勉強」では、中学進学直後に勉強が急に分からなくなる「中1ギャップ」の解消が期待できる。


俗に言う「中1ギャップ」というやつで、
社会問題にもなった。

現在、同市では中1生の半数が人間関係の変化による不安などで何らかの形で不登校を経験するという。


もうひとつの「環境」も「中1ギャップ」と
いってもよいと思うが、そう書いていない。

このニュースを聞いた翌日
栃木県でも小中一貫教育が導入される
というニュースがあったが、
そこには

背景には子供たちが抱える心の問題「中1ギャップ」の解消がある。


「中1ギャップ」とは便利なことばである。
地域で問題が異なるのは当然のことだ。
しかし、それをひとつのキーワードで
丸めてしまうと、本質を見失いやすい。

栃木県の小中一貫教育は、
制度的な「ゆとり教育」とみることができる。
私はそう理解した。

小中一貫教育は、小学校6年間、中学校3年間という期間にとらわれず、子供の発達によって3段階に分けて行われる。


私の知る一貫教育とはこれだ。
品川の例もこのパターンだったと思う。
横浜の場合、この色が薄いような気がしてならない。

横浜市の小中一貫教育導入の報を受けて
文科省次官のコメントがすばらしい。

文部科学省の銭谷真美事務次官は19日、横浜市の取り組みについて「小中、中高、高大といった学校間の接続は大きな課題。小中学校の9年間を一期間ととらえ、どのようなカリキュラムを作るべきかという試みは評価し、応援したい」とエールを送った。


すべてにおいて、温かく見守り、
応援だけにとどめてほしいものである。

see also
KOYASUamBLOG2 | 小中一貫とはなんだろう

Tuesday, March 18, 2008

伊藤悟 『東大卒・開成首席OBが明かした中高一貫校に行かなくても東大に合格する本―脱つめこみ勉強のススメ』

 中高一貫校の雄である開成について書かれているというので読んでみた。筆者が翻訳家として活動しているので英語教育にも触れられているので一石二鳥だとも思った。

Amazon.co.jp: 東大卒・開成首席OBが明かした中高一貫校に行かなくても東大に合格する本―脱つめこみ勉強のススメ: 伊藤 悟: 本 本書における開成の分析は、生徒間のピア・プレッシャーの賜物ということになる。ピア・プレッシャーについては以下参照。

解説委員室ブログ:NHKブログ | 視点・論点 | 視点・論点 「脳と個性」

 なぜか?まず、開成では受験に特化したカリキュラムではないという。授業は教師の裁量に任される。教師の力量と教師との相性により授業の善し悪しが決まるという。これは、どこでも同じだろう。驚いたのは、開成の生徒の多くは塾や予備校に通うということだった。もし、学校教育が受験に特化しているならば、塾や予備校には通わなくてもよいだろう。これは意外であった。「人のフリ見て我がフリ直せ」というポジティブなピア・プレッシャーが強い。ポジティブなピア・プレッシャーが開成の開成たるゆえんだろう。

 なぜポジティブなピア・プレッシャーが発生するのか?ふたつ示されている。ひとつは、ロールモデルが多いこと。これは、一貫校の強みである。縦のつながりが強いほど、ロールモデルの多様性が吉とでる。ふたつめは、学校内の競争のみならず、他校との競争がある。本書に示されていたのは、筑波大学付属高校とのボートレースであった。競争相手が外部にいることは重要だ、と個人的には思っていた。学内の競争は、編入組のことをいう。これが100人いるらしい。この数字が多いか少ないか、私の知るところではない。これがうまい具合にカンフル剤となるらしい。

 本書から受けた開成のイメージは、旧制中学だった。

 英語に関しては、中学英語で東大受験は十分だという。これが著者の英語教育のスタンスでもあるらしい。まぁ、文法事項のことである。これは同意。「英語で最初につまずくポイントは "like" 」というのが、私にはよく分からない。

Tuesday, March 20, 2007

教育戦争

 『ガイアの夜明け』で教育…… 見ないわけにはいかない。

「「公立」vs「私立」~教育再生の最前線では~」 : 日経スペシャル ガイアの夜明け

 昨今の教育改革に絡めたものではなく、現在の学校事情をまとめたもので目新しいことはない。しかし、品川区の中学校が結構な時間を割いて放送されていたのがよかった。アウトラインは以下。
  1. “黒船”ワタミの学校再建術
  2. スーパー公立を目指せ!
  3. 学校が選ばれる日
 郁文館夢学園の改革はまさに企業改革だ。どのような内容のことをやっているのか知らなかったが、教員にコスト感覚を養わせるための「50%プロジェクト」は興味深い。これは、私立だからできることではあるが、教員の異動がない私立だからそこ必要だと感じた。番組内の教員の発言を聞くとそれは確信となった。しかし、公立にもこの意識はとても欠けていると思う。最近、事務出身の校長が注目を集めているのも、コスト感覚の欠如と関連しているだろう。もうひとつ、なかなか刺激的な言葉ではあるが、深いと思った。

「教えることに専念することは、理想ではない」

 これは深い。素直に聞くと「なにを!?」と思いたくなるが、教えることができて当たり前というニュアンスがある。その上で経営センスとコスト感覚を求めるもので、ハードルの高い要求だ。大村はまの2歩先を行っている。かなりゲンナリする言葉だが一理ある。あと教員を評価する「360度評価」というのが取上げられていたが、さらっと流れてしまった。評価者が校長、同僚教員、生徒、保護者と四面楚歌の状態の評価であるが、重み付けがどうなっているのか謎なのでなんとも言えない。

 スーパー公立として取上げられていたのは九段中等教育学校だ。ここはすごい。なんせ、予算が他の公立校の10倍あるらしい。それゆえに、いろいろなことができている。習熟度別少数教育などはお金がないとまずできない。そして、授業時間の確保のために、土曜補講を早稲田アカデミーに委託している。これもお金がないとできない。このブログでさえも九段中学を検索して辿りついた人が多かった。謎が解けた。やっぱり、教育にはお金がかかる。

 で、最後は品川区の東海中学校。品川はいち早く学校選択性を施行した。その弊害というか、影響という感じで放送されていた。しかし、このお陰で、教員はかなり自由に授業ができるようになったのだなぁと改めて感じた。正直なところ、その他、大部分の学校はこの東海中のような状態だろう。東海中でも学力向上ということで教師間のレビューを行い、授業の質を高める努力をしている。番組では2年目の先生が取上げられていたが、問題となることは、どこでも、誰でも一緒なんだなぁと実感した。公立ならではの悩みだとは思うのだが、先に述べたように、かなり自由度の高い授業を行うことができるので、うまく切り抜けていたように見受けられた。

 校長が変われば学校は変わるという言葉がある。この番組を見ると、それは真なのだなぁと思う。九段の校長は「なりふりかまわず」という姿勢。一方、東海中の校長は理想と現実のジレンマに揺れながら。この差が一般教員に与える影響は大きい。

Friday, March 09, 2007

灘中の数学学習法

 灘にかぎらず中高一貫校のメリットが感じられる。

Amazon.co.jp: 灘中の数学学習法

 私は中高一貫校のメリットを2つ感じた。

 ひとつは、6年間という長い時間軸でカリキュラムが組めることである。数学に関して、私自身が感ずることのひとつに、中学と高校での密度差が大きすぎるということがある。正直なところ、中学の数学は簡単すぎる。基礎理解は土台固めで大切なのは重々承知しているが、それでも時間をかけすぎていると思う。それにひきかえ高校では、少し窮屈すぎやしないか。高校1年はまだいいとして、2年は窮屈すぎる気がする。私は学生時代も、そして今でも、そう感じている。

 実際、灘ではかなり弾力的に組み替えている。本書では、中学の内容は1年で終わらせると書いてある。「一貫校ならそうするだろうなぁ。ましてや私立だし」というのが正直な気持ちだ。個人的には英語もこうしたほうがよいと考えている。文法等はチャっチャっと終わらせて、翻訳ないし聞き取りなどに時間を費やした方が効率がいいと考えている。

 もうひとつは、目的を絞ることができることである。私の経験からではあるが、公立の場合はとにかくノルマを全て終わらせることが第一命題と感じる。だから、大抵は3年の授業内容がアタマに残っている人が多いと思う。私の場合なら微積分と確率統計。灘の数学は幾何に力点を置いているようだ。公立では幾何は高校2年でしたっけ?しかもそれっきりだったと思う。灘が理数系に強いというのは幾何に力点を置いているからのように感じる。微積分なども重要ではあるが、物理の基礎は幾何学であると私は思う。

 授業で取り扱う課題に文章問題が多いというのはあるが、内容自体には奇抜なモノはない。なので私は中高一貫校のメリットらしきモノに目がいってしまった。生徒にトライアンドエラーを求める学校というのも興味深い。教師目線で考えると、教材研究に使える時間は多そうだとか、部活の顧問としないんだろうなぁとか、評価はどうしているのだろうとか考えてしまう。学校の運営システムやマネージメントにも興味がいく。結果としては灘のよい宣伝本です、といったところか。

Saturday, February 17, 2007

シュタイナー教育

 一昨日、「シュタイナー教育を考える」という本を買ってきた。「シュタイナー」という言葉はよく見聞きしたのだが、全く理解していない。それで勉強がてら読んでみようかと思って買ってきた。まぁ、ブックオフで100円だったってこともあるが。そんなところへ、昨日の読売に以下の記事があった。あまりにシンクロしていて気持ち悪い。

千葉でシュタイナー教育…紹介者・子安さん開校へ : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 まだ本を読んでいないのでシュタイナー教育も子安氏の思いなどはわからないのだが、記事によると

 オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)の理念に基づくシュタイナー教育は、小中高12年間の一貫教育で、子供の個性や成長に合わせ、“五感で学ぶ”ユニークな教育として知られる。
<略>
 担任はずっと同じ人が務める。算数や国語などは、時間割に配分するのでなく、その教科だけを毎日数週間続け、年間を通じて各教科を順番に学ぶ「エポック授業」という方式をとる。

ということらしい。

 いい感じに今の日本の教育動向に逆らっている。近頃は、殺伐とした事件やらなんやらが多く、現実的な教育理念が話されていたので、このように前向きな教育理念が話題になるのはよいことだ。買ってきた本もさっさと読んでしまおう。

Wednesday, November 15, 2006

小中高一貫

 2008年度から小中高一貫教育が長崎県五島市で行われるようだ。

全国初「小中高一貫特区」長崎・五島市で認定へ : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 記事中にもあるように、義務教育課程と高校課程の接続・連続がカギとなる小中高一貫教育、行政も全面協力らしい。よい傾向と思う。

Thursday, October 12, 2006

プレジデントFamily 11月号

 今さらなのだが、プレジデントFamily 11月号は買いだと思う。メインは「担任教師の能力判定」なのだが、「子どもの問いかけ難問20」はいろいろなところで話題になった。そしてもうひとつ、表には大きく載っていないのだがインド人学校についての記事はある意味ショックであった。

 インド人学校という言葉ははじめて聴く言葉だった。インターナショナルスクールだと欧米式しかないと勝手に思い込んでいた。後は朝鮮学校のようなナショナルスクール。この記事を読む限り、とても興味がある学校であることが分かる。

  1. 授業は英語で行われる
  2. 教育レベルが高い
  3. INTERNATIONAL BACCALAUREATE

 まず、授業は英語でということなのだが、欧米式のインターナショナルスクールでもこれは同じである。しかし、欧米式だと母語としての英語となるので、インドとは状況は違う。インドの場合は公用語、共通語となるので第2言語としての英語教育がなされると想像できる。しかも小中高一貫校なので相当の英語力が期待できるのではないかと思われる。
 第2点は教育レベルが高いこと。実情は知らないが、欧米式の場合は教育レベルが低いということをよく見聞きする。そのことが本書にも書かれている。教育レベルが高いという証明なのかどうか分からないが、数学の時間の様子が記事に載っている。30×10まで暗算できるとか、25×25などの同数の乗算を暗記しているなどと論理数学に必要な計算を暗記できるというのは有利だなと思った。
 そして3点目、これが一番目を惹いたのだがINTERNATIONAL BACCALAUREATEとという資格だ。文科省ホームページより抜粋

国際交流の進展に伴い、各国において、外国人子女の教育を主な目的とする国際学校で学ぶ者が増えていますが、これら国際学校の卒業者には一般的に各国の大学への入学資格が認められていません。

このため、これら国際学校の卒業者に国際的に認められる大学入学資格を与え、大学進学の途を確保することを目的として、スイスの財団法人である国際バカロレア事務局により、国際バカロレア資格を授与する事業がすすめられています。

文部省においては、この国際バカロレア資格についてかねてから調査をすすめてきましたが、このたび大学設置審議会大学基準分科会の審議を経、同分科会の了承を得てこの国際バカロレア資格を我が国においても大学入学資格として認めることとし、このため別添のとおり大学入学に関し高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者の指定(昭和二三年五月三一日文部省告示第四七号)の一部を改正しました。

 この記事を読む限り、とても魅力的な学校のように思える。しかも、インターナショナルスクールに比べて学費やら入学費やらが安いらしい。日本の私立よりもやすいのかどうかは知らない。もしかすると、同程度かもしれない。

 インド人学校おそるべし……

Friday, April 07, 2006

品川「4・3・2制」始動、区立の全校小中一貫に

 何気に注目している「4-3-2制」。今後の動向に注目です。

品川「4・3・2制」始動、区立の全校小中一貫に : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東京都品川区で今年度から、区立の全小中学校で小中一貫教育が始まり、6日、各校で入学式や始業式が行われた。

■「中1ギャップ」解消狙い

 自治体内のすべての学校で、これだけ大規模に小中一貫教育に乗り出すのは全国で初めて。中学1年生が小学校時代との様々な“格差”に戸惑う「中1ギャップ」を解消するため、戦後の義務教育を支えてきた「6・3」制を「4・3・2」へと衣替えする大胆な試みだ。

 同区の小中一貫教育は、構造改革特区制度を活用するもので、区内40小学校、18中学校で一斉に始まる。

 中学入学後、授業についていけない子供が増え、不登校や問題行動も急増するというのが中1ギャップ。文部科学省によると、2004年度の不登校の子供の数は、小6の7652人に対し、中1では2万2974人に上っていた。

 そこで、品川区では、義務教育9年間のカリキュラムを「4・3・2」の3期間に分け、〈1〉基礎基本の定着を図る4年間〈2〉個性や能力を育(はぐく)む3年間〈3〉自分で課題を見つける力をつける2年間、と位置づける。

 そのうえで、これまで中学入学時に難度が上がっていた授業に溶け込みやすいよう、5年~9年(中3)では、算数・数学や国語などについて、習熟度別のクラス編制などによって授業を行う。また、1年(小1)から英語を始め、道徳と総合的な学習の時間などを合わせた「市民科」も設ける。

 小中一貫校として6日に開校した区立日野学園(品川区東五反田)の開校式には、1~9年までの557人と保護者らが出席。高橋久二区長が「小中一貫の象徴として開校を宣言します」と述べた後、小坂憲次・文部科学相も「小中連携を先駆ける大きな役割を持っている」などとあいさつした。

 同校では、1~9年生が同じ校舎で学ぶが、他の学校ではこれまで通り1~6年が小学校、7~9年が中学の校舎を使う。来年度以降、5組の小中学校が校舎を統合し、開校する予定。

 長女が日野学園に入学した母親(34)は「最新設備が整っており、教育課程も期待できそう。ただ新しい取り組みなので、不安もあります」。別の母親(40)は「区を挙げて取り組んでいるので期待している」と話した。

 同省によると、構造改革特区で小中一貫教育を実践中や予定中の自治体は全国に17ある。しかし、同区のように、すべての教科でカリキュラムを見直し、自治体内の全校で実施するケースはないという。

(2006年4月6日 読売新聞)

Thursday, January 19, 2006

中高一貫校 個性競うに思うこと

 前回の投稿から時間が経ちましたが、前回の記事で懸念することを述べたいとおもいます。

 まず、「個性を競う」ということの難しさ。「個性」という言葉がひろく使われるようになったが、一体「個性」ってのはなんなんだろうか?誰か具体的に説明できる人がいたら説明してもらいたい。最近よく聞く「Only One」なのでしょうか?塾で対策を練るともあるったが、そもそも対策が練れるものなのか?対策を練ってもよいものなのか?疑問である。

 私は「個性を競う」ってのはレースだと思っている。学力ではない。しかし、このレースを勝ち抜くためには確実な基礎学力が必要だと考えている。つまり、ここで言われている個性というものは、与えられた問題の本質を読みとる力と反応を見抜く力、つまり、経験が求められている。小6の受験生にこれを求めることが正しいことなのか、誰か研究してくれないだろうか。そして、このレースに勝つためには絶対的な目標が必要なのだが、それがあいまいに思えてならない。

 そして、塾の問題。画一的な個性が誕生しそうで怖い。まぁ、既に個性ではないのだから本末転倒か。「出る杭は打たれる」などということわざがあるが、相変わらず、コレは根強くあるのではないだろうか?結局、先生や講師のストライクゾーンに入っていない「個性」は潰されてしまうのではないだろうか?求められる「個性」を押し付けてしまうのではないだろうか?

 「個性」とは、どんな色で塗られてもヒョッコリ顔を出してしまうようなものだと考えている私はもう古いのだろうか。

Saturday, January 14, 2006

挑む入試最前線(7) 一貫校 選抜も個性競う : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

挑む入試最前線(7) 一貫校 選抜も個性競う : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東京で増える公立中高一貫校。その選抜方法から個性が見える。

 解答用紙には、日本地図が描かれていた。

 「あなたが江戸時代の将軍だとしたら、(五街道に続く)6本目の街道をどこに作りますか。地図に書き込み、その理由を50字以内で答えなさい」

 昨年11月、都内に本部のある進学塾「栄光ゼミナール」が行った、都立中高一貫校向け模擬試験の問題の一つだ。「記述式で、論理的思考力を重視した」と山中亨・進学指導部課長。模試は、塾生や保護者の強い要望で実現した。

 今春、東京都内には公立の中高一貫校が一挙に4校も誕生する。旧制中学からの伝統校である、都立両国高校付属中と小石川中等教育学校、都立大付属高を前身とする桜修館中等教育学校、都立高を千代田区に移管して区立で作る九段中等教育学校。先行する他県と違い、それぞれ独自の「適性検査」を課すだけに、個性を競わざるを得ない。

 栄光では、一足先に昨春開校した都立第1号、白鴎高校付属中学校の問題や、今春開校する学校側が出した見本の問題を分析した。

 模試には約1200人が参加。学校の採点基準も明確でないため、受験料は無料にした。「私立中受験のノウハウは役に立たない」と塾側の手探りも続く。

◎

 東京都が中高一貫校を設ける理念は明確だ。「自分で考え、判断し、集団の中で積極的に働く、リーダーを育てたい。だからこそ、自分で課題を見つけだす能力を見たい」(都教委学務部の坂本和良副参事)

 都の姿勢は、昨秋に出された見本問題からも読み取れる。例えば、小石川は、豪州シドニーの月ごとの気温・降水量のグラフと、1日の気温の変化という二つのグラフを関連づけて、夏休みに旅行に行く時の服装について考えさせた。

 「小石川は理数系、両国は資料分析を重視しているようだ。桜修館の特徴は作文を課すこと」と、見本問題を分析するのは、各校向けのそっくりテストを実施する大原予備校の宮沢協塾長だ。先月の2回目のテストも知恵を絞った。

 小石川向けには、科学館見学の親子の会話を参考に、太陽と惑星の距離や、地球が自転していると分かる理由を推測し、自分の考えを書かせた。両国向けには、食料自給率の推移や肉用牛飼育農家の規模の資料を示し、牛肉の小売価格の高い理由や、食料自給率が減っていくとどんな問題が生じるかを論じさせた。見本問題通り、300字以上400字以内の作文を書かせたのは桜修館向けだ。

 区立の九段向けには、自分の意見だけでなく、随筆の作者の考えをまとめさせる標準的な問題も出した。

 「自分の考えを書くと言っても、小学生が、それほど素晴らしい解答を書けるわけではない。自分の体験に引きつけ、考えを相手にきちんと伝えられるかどうかが勝負」(宮沢塾長)

 日々の生活で、はぐくまれている子供の総合的な学力が問われることになる。(大木隆士)

 中高一貫校 6年間一体で教育する中等教育学校、中高が同じ設置者で、中学から入ると高校進学時に入試のない併設型、中高が教育課程編成などで調整する連携型がある。中学入学時に選抜があるのは中等教育学校と併設型。学力試験を課さないことになっているが、総合的な学力を見る適性検査を実施する学校が多い。この2タイプの公立学校は全国で46校あり、今春9校増える。
 この記事を読んで、少し疑問を感じた。詳しくは後日…