Saturday, January 14, 2006

挑む入試最前線(7) 一貫校 選抜も個性競う : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

挑む入試最前線(7) 一貫校 選抜も個性競う : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東京で増える公立中高一貫校。その選抜方法から個性が見える。

 解答用紙には、日本地図が描かれていた。

 「あなたが江戸時代の将軍だとしたら、(五街道に続く)6本目の街道をどこに作りますか。地図に書き込み、その理由を50字以内で答えなさい」

 昨年11月、都内に本部のある進学塾「栄光ゼミナール」が行った、都立中高一貫校向け模擬試験の問題の一つだ。「記述式で、論理的思考力を重視した」と山中亨・進学指導部課長。模試は、塾生や保護者の強い要望で実現した。

 今春、東京都内には公立の中高一貫校が一挙に4校も誕生する。旧制中学からの伝統校である、都立両国高校付属中と小石川中等教育学校、都立大付属高を前身とする桜修館中等教育学校、都立高を千代田区に移管して区立で作る九段中等教育学校。先行する他県と違い、それぞれ独自の「適性検査」を課すだけに、個性を競わざるを得ない。

 栄光では、一足先に昨春開校した都立第1号、白鴎高校付属中学校の問題や、今春開校する学校側が出した見本の問題を分析した。

 模試には約1200人が参加。学校の採点基準も明確でないため、受験料は無料にした。「私立中受験のノウハウは役に立たない」と塾側の手探りも続く。



 東京都が中高一貫校を設ける理念は明確だ。「自分で考え、判断し、集団の中で積極的に働く、リーダーを育てたい。だからこそ、自分で課題を見つけだす能力を見たい」(都教委学務部の坂本和良副参事)

 都の姿勢は、昨秋に出された見本問題からも読み取れる。例えば、小石川は、豪州シドニーの月ごとの気温・降水量のグラフと、1日の気温の変化という二つのグラフを関連づけて、夏休みに旅行に行く時の服装について考えさせた。

 「小石川は理数系、両国は資料分析を重視しているようだ。桜修館の特徴は作文を課すこと」と、見本問題を分析するのは、各校向けのそっくりテストを実施する大原予備校の宮沢協塾長だ。先月の2回目のテストも知恵を絞った。

 小石川向けには、科学館見学の親子の会話を参考に、太陽と惑星の距離や、地球が自転していると分かる理由を推測し、自分の考えを書かせた。両国向けには、食料自給率の推移や肉用牛飼育農家の規模の資料を示し、牛肉の小売価格の高い理由や、食料自給率が減っていくとどんな問題が生じるかを論じさせた。見本問題通り、300字以上400字以内の作文を書かせたのは桜修館向けだ。

 区立の九段向けには、自分の意見だけでなく、随筆の作者の考えをまとめさせる標準的な問題も出した。

 「自分の考えを書くと言っても、小学生が、それほど素晴らしい解答を書けるわけではない。自分の体験に引きつけ、考えを相手にきちんと伝えられるかどうかが勝負」(宮沢塾長)

 日々の生活で、はぐくまれている子供の総合的な学力が問われることになる。(大木隆士)

 中高一貫校 6年間一体で教育する中等教育学校、中高が同じ設置者で、中学から入ると高校進学時に入試のない併設型、中高が教育課程編成などで調整する連携型がある。中学入学時に選抜があるのは中等教育学校と併設型。学力試験を課さないことになっているが、総合的な学力を見る適性検査を実施する学校が多い。この2タイプの公立学校は全国で46校あり、今春9校増える。
 この記事を読んで、少し疑問を感じた。詳しくは後日…

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