Friday, September 22, 2006

教育改革

 2006年9月20日付けの読売新聞・朝刊に「安倍氏 教育改革で具体策」と総合面にでっかくあったので覚書の意味も含めて安倍さんがどんな教育改革を推し進めようとしているのかまとめてみる。

 読売新聞にあったのは以下
  • 臨時国会での教育基本法の改正
  • 教員免許の更新制導入
  • 「教育バウチャー制度」導入
  • 「教育改革推進会議」(仮称)の新設
  • 学校評価制度の導入
  • 国公立大の9月入学への変更と奉仕活動の奨励
 はじめの「臨時国会での教育基本法の改正」というのは、私にはよく分からないので端折りたい。「教育改革推進会議」ってのは、臨教審や教育改革国民会議と一緒であろう。「教員免許の更新制導入」と「学校評価制度」は今さらという感じがあるので、これも端折る。なんとなく唐突に出てきたような感じがある「教育バウチャー制度」がポイントではないだろうか。

 教育バウチャーとは、asahi.com:文科省検討の教育バウチャー、効果は未知数 - 暮らし にある言葉を借りると
 教育バウチャーは一般的に、
  1. 子どものいる家庭が行政からバウチャーと呼ばれる利用券を受け取る
  2. 公立、私立を問わず、子どもが通いたいと思う学校に利用券を提出する
  3. 利用券の枚数に応じて、学校側が運営資金を得る
――という仕組みとされる。
とある。
 要は入学者の多い学校にはたくさんのお金を、予算をあげますよ。という制度だ。公立も私立も関係ない。これだと、公立は先細りしそうな感じが否めない。学校の特色を出しましょうといいますが、公立校では教員の異動がある。先生を固定せずにこのような制度が行われると公立はなくなってしまうのではとも思えてくる。利用者が選べるというのはとてもよいことだが、現行の学校行政では、競争原理を導入しようも、思ったような効果は期待でいないのではないだろうか。私立へよい人材が流れてしまうという危険もあるように思える。

 もうひとつ、目新しいものとしては「国公立大の9月入学への変更と奉仕活動の奨励」だろう。正直、意図がよく汲めなかったが、asahi.com: 「教育基本法の改正後、大学9月入学を」 安倍官房長官 - 教育 によると、
国公立大学の入学時期について「世界の大体の学校は9月だ」と語り、9月入学の導入を検討する考えを表明した。そのうえで「(入学まで)4月から9月の間に、ボランティア活動をやってもらうことも考える必要がある」
ということらしい。もっともらしいが、卒業も9月になるんでしょうか?なるんですよね、きっと。世界というよりは、イギリスよりな感じです。ファンデーション過程なども、そのうち言われそうです。
 ボランティアを義務づけるというのは、筋が違うのではないかといった話もあるだろうし、当然、あったようだ。谷垣氏がそうであった。私も、なんか違うなと思うが、ボランティア然り、インターン然り、日本ではまだまだ認められた奉仕活動ではないと感じている。特に企業ではボランティアに行く時間があるなら効率よく作業しろ。などと叱られそうであるし、もっともな意見でもある。インターンも、試験があり、それに落ちるとインターンに参加できない。インターンってそういうのだっけ?と人事に喰いついたこともある。大人の事情がある。

 バウチャー制は悪い制度ではない。ただ、現行の学校行政ではうまく機能しないことは目に見えていると思う。まずは、バウチャー制導入にあたり、しっかりとした人事制度を作るべきではないだろうか。「しっかりした人事制度」とは具体的に何かというと、学校の特色にあわせた教員を集めること。教員異動のシステムもバウチャー制にはそぐわない。教員の固定化も視野に入れてもらいたい。
 そして、ひとつの学校ではなく、生徒が移動しながら授業を受けられるのも面白いのではないか。「この教科はこの学校、これはこっち」などもありなのではないか。そうすれば格差拡大も抑制できるのでは。

 【論点・争点】(3)教育改革 : 自民総裁選 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) に3者の主張がのっている。

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