Wednesday, October 03, 2007

コミュニケーション技術―実用的文章の書き方

 「コミュニケーション」ということばから、何を想像しますか?私は思い込みによる勘違いで、本書を敬遠していました。とんでもない過ちだった。これはスゴ本。

Amazon.co.jp: コミュニケーション技術―実用的文章の書き方 (中公新書)

 私は本書を知っていた。ブックオフで100円の棚に陳列してあったのをいくどとなく見ては、スルーしていた。「コミュニケーション」ということばを敬遠していた。だから、本書を手にすることなくいた。

 偶然、Amazonで本書のレビューを読んだ。そこには、「実用文書」、「文を書くとき」、「悪文」、「論理的な文章」と、ライティングに関することばが並んでいた。過ちに気がついた。「コミュニケーション」=「会話」と決め付けていた。

 本書は、日本テクニカルコミュニケーション協会(JATEC)の会長、篠田義明氏による、実用的文章の書き方の解説書である。1986年初版と決して新しくないが、内容は現在の教育問題にもなっている、言語運用の核である。この手の他の書籍には、『外国語を身につけるための日本語レッスン』(白水社、三森ゆりか)がある。読者対象が異なるだけだ。

 篠田氏はミシガン大学でEnglish Technical Communicationを学んでいる。欧米の大学では作文の授業があることは既に日本でも知られている(と思う)。本書にあるような訓練を受けている人からすると、日本人が何気なく書く文章を「意味不明」と言われても、「ごめんなさい」と言うよりない。三森氏の本では、小学校でも同様の授業が行われているとある。「大変申し訳ございません」だ。

 英語の参考書に「パラグラフ・ライティング」やら「パラグラフ・リーディング」やら多数あるが、本書ひとつでこれらをカバーできるのではないかと思う。そして、本書に書いてあることが自分のモノになれば、整理術にもなるだろう。

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