Thursday, December 15, 2005

先生の「心の病」、過去最多3559人

 教員全体の約0.3%がうつ病だということ。私の会社では約2.0%がうつ病である。この数字が多いのか少ないのか、比べようがないが年々増えているという事実は分かる。

“心の病”深まる先生 休職、最多3559人…昨年度文科省調べ : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
“心の病”深まる先生 休職、最多3559人…昨年度文科省調べ


 昨年度に精神性疾患で休職扱いとなった公立小中高校などの教員は前年度より365人増え、過去最多の3559人に上ったことが14日、文部科学省の調査で分かった。

 ◆10年前の約3倍

 調査によると、全国の教員92万1600人のうち、病気休職者は過去最多の6308人(前年度比291人増)。このうち56・4%がうつ病などの精神性疾患で、教員全体に占める割合は、10年前の約3倍にあたる0・39%に達した。

 原因について文科省が各都道府県教委などに問い合わせたところ、「分からない」という回答が多かったが、ベテラン教員が学級崩壊など最近の子どもの変化に対応できなかったり、若手が職場のコミュニケーションに苦労したりするケースが報告された。このほか「多忙化」を挙げたところもあった。

 文科省によると、教員の病気休職は他の地方公務員に比べ、0・1%程度高い傾向があるという。

 一方、昨年度に懲戒処分を受けた教員は前年度より133人少ない1226人で、4年ぶりに減少した。内訳は交通事故が585人(前年度比51人減)、体罰が143人(同30人減)、わいせつ行為が141人(同14人減)など。体罰は児童生徒に骨折や鼓膜損傷などのけがを負わせたケースも目立ち、20人が停職、66人が減給の処分を受けた。また、わいせつ行為では、全体の7割近い95人が免職になっている。

(2005年12月15日 読売新聞)
 これは何が問題なのだろうか?今は一般的にストレス社会だということは、老若男女問わず承知の事実だと確信している。そのような社会風潮の中で、教員にもその「風潮」が影響していると考えれば、これは驚く数字ではない。むしろ、現代社会で生きるだけのノウハウ、術の欠如と考えるのが筋なのではないだろうか?

 今週末に、斎藤茂太氏のなぜか「一緒にいてほっとする人」のこころの習慣という本を読んだ。ここに書いてある言葉を借りると、常に100点満点を目指す人ほどうつになりやすい。あえて、80点~70点を目指し、残りの20~30%の余力をストレス解消に使うのが良いとしている。

 これが下手なのだろう。もしくは、このような考えすら学校の中には、先生同士の会話にはないのかもしれない。学校とは閉鎖的な社会だ。そう考えるのも理解できるだろう。多忙化なども原因として挙げられていたが、多忙化は仕事量の多さなのではなく、これに割ける時間が少ないのだ。仕事量の比較ならば、私達の方が絶対多いはずだ。

 ゆとり教育も終わり、また、週6日が復活されれば、職員の仕事に割ける時間が増えて少しは多忙化は防げるのではないだろうか。これは推測だが、仕事が終わらないのを理由に、残業時間が月25時間を上限とされているのに、会社や自宅で仕事をする我々と同じ努力をした結果が、うつ病の増加ではないだろう。

 うまくいかなくなった学級運営、同僚とのコミュニケーション、要は職員のスキル不足が問題の根本なのではないだろうか?

 今審議されている、教員免許更新制は彼らには適用されない。本当にいいのだろうか?これは、子どもたちに影響がでるばかりでなく、教員のスキルアップにも役立つ。不慣れなものを重点的に再教育して「もらえる」のだ。教員のストレスになっている学級運営や社会の動きもこの機会に、徹底的に教育してもらえるのだ。このように教員にとってはかなり有益な制度をなぜ拒むのか、もう一度、この記事を切欠に考え直してもらいたい。

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