Friday, January 04, 2008

内田樹 『先生はえらい』

 本書は教育書か?素直に感じた思いである。先生の専門性をデータで擁護しているような「ありきたりな」教育書ではない。もし、教育書と思っていて躊躇しているならば、さっそく読んでほしい。

Amazon.co.jp: 先生はえらい (ちくまプリマー新書)

 私は『先生はえらい』というタイトルで尻込みしていた。上に述べたようなデータ、データ、またデータで先生を擁護しているようなモノであれば、それは私にとってはつまらないモノだからだ。よくよく考えれば「ちくまプリマー新書」である。そんなはずはない。ましてや、内田樹である。ますます、そんなはずはない。

 タイトルの「えらい」がひらがなだ。読み終わってから気がついた。なぜ漢字の「偉い」ではないのか?中高生向けだからか?だったらバカにしすぎである。意図があるのだろうと勘ぐる。

 稚拙な文章ではあるが、私も文章を書く。そのときに注目をさせたいことばには目印をつける。漢字ではなくひらがなやカタカナで書いたり、括弧でくくったりする。ならば「えらい」は注目させたいことばだ。そこらへんは本書にちゃんと書いてある。

 本書は自分をすっかり変えてしまう力を持っている、恐ろしい本である。恐ろしいというと語弊があるかもしれないが、自分がすっかり変わってしまうのである。毒にも薬にもなりうる。恐ろしいも含意だろう。しかし、当事者(中高生)には本当に恐ろしいモノとなるかもしれない。当事者は注意して読むように。

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内田樹の研究室: 『先生はえらい』!

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