Friday, February 16, 2007

視点・論点 「私の英語教育論」

 Gregory Clark氏による英語教育論。彼の理念には賛同したい。

 彼はモチベーションとインセンティブを軸に英語教育の理念を示した。一応に押し付ける英語教育ではモチベーションを持たせにくい。日本という国柄を考えたときに、英語の必要性と、それを身につけることのインセンティブが不明瞭で弱いという。これが、英語習得に関するモチベーションの低下を招いているという。

 そこで彼は大学からの外国語教育の充実を考えた方がよいのではないかという。それは、「ダブル専攻」という考えだ。海外の大学では主流なのかどうか分からないが、日本では聞かない。「あるところにはあるだろう」という程度だろう。

 これならば、自分の戦略に則った言語を習得する術が増え、インセンティブを実感し、必然的にモチベーションもあがるという。ごもっともだ。

 これを実現するためには進学の道を広くせねばならないと思う。彼は、受験科目に英語(外国語)を外すのがよいという。今現在でも進学する際、英語(外国語)が足枷になる場合がある。外国語が苦手なために道が狭められたら本末転倒だ。最近の理数離れを食い止める効果もあると個人的には思う。

 英語を受験科目から外すと「ますます勉強しなくなるではないか」という反論が必ずあるが、この議論をする場合、これらの意見とは出発点が全く違うので無視する。ここでは教えないとは言っていない。

 では中学英語をどうするかとなるが、「中学英語は外国語を習得するための土台と定義したほうがよいのではないか」と彼はいっているように思う。高校は選択科目でよいといっていた。現在の英語教育論とは逆に「ゆるく」なっているが、その実、子どもには重い責任を背負わせている。

No comments: