Wednesday, February 21, 2007

シュタイナー教育を考える

 この本を読むと、シュタイナー教育の「奇抜な授業内容」に目がいってしまうが、それは大した問題ではない。シュタイナー教育の肝は「シュタイナーの人間観を理解しているか」それに尽きると述べている。

Amazon.co.jp: シュタイナー教育を考える―朝日カルチャーセンター講座

 奇抜な授業内容が大した問題ではないという理由は、英語などの語学教育には、第6講の「オイリュトミー」は意識的に採りいれられているというのがその心だ。第8講の「幾何の授業における主観から客観の流れ」もそうだ。70年代の授業から見ると奇抜なのだろう。現在の授業内容はシュタイナー教育でいう「主観から客観」の流れにシフトしてきたのではないかと思う。

 そうなると奇抜なのは、シュタイナーの人間観に則った時間軸設定だ。これは現在でも奇抜に写る。しかしこれも、発達心理学の研究成果とさほど違いがないように思える。ただ学校現場で実施されていないだけで、教員ならば理解しているはずだ。ではなぜこれが奇抜に写るのかというと「評価」の仕方に大きな違いがあるからだ。

 第2講にシュタイナー教育の人間観と目標が書かれているが、これは評価されるべきものだと考える。これがうまく教育現場になじめばシュタイナー教育の人間観を逸脱せず導入できる気がする。というか、別にシュタイナー教育の人間観にこだわる必要もないと思う。発達心理学の成果をうまく「学校教育における子どもの評価」に組み込むことができれば、先生にも子どもにもプラスになるのではないかと思う。

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