田尻悟郎 『田尻悟郎の楽しいフォニックス―田尻式フォニックスで発音をきたえよう!』

希求したものがひとつくらいあろうだろう。
私は、50音表があればと思った。
しばらくしてから、
フォニックスというものを知る。
救世主に思えたが違った。
本書は「違った」とひっかかった部分が
改善されている。
ひっかかった部分は何かというと
シラブル単位の発音で考えてはいけないのか
ということ。
目次
- フォニックスって、何?
- Ⅰ 田尻式カナ発音記号について
- 1 母音
- 2 子音
- Ⅱ アルファベットの読み方
- 1 アルファベットの名字
- 2 アルファベットの仕事(基本編)
- Ⅲ 子音・母音の読み方(音のたし算)
- 1 子音+短い母音(①番読み)
- 2 子音+長い母音(②番読み)
- 3 その他の読み方
- Ⅳ 読み方のさまざまなルール(その1)
- 1 同じ子音が連続する場合
- 2 連続する同じ子音の直前の母音
- 3 語尾のe
- 4 マジックe
- 5 eが唯一の母音である場合
- 6 yが唯一の母音である場合
- 7 cの2種類の読み方
- 8 語尾のcとce
- 9 gの2種類の読み方
- 10 語尾のgとge
- 11 2種類の「ン」
- 12 語頭のs
- 13 語尾のve
- 14 語尾のel, en, on, al
- 15 語尾のten
- Ⅴ 特殊な読み方をするもの
- Ⅵ 読み方のさまざまルール(その2)
- 1 語尾のque, gue
- 2 語頭のgu
- おわりに
発音本の多くは音素単位で解説してある。
cat なら
c は無声のクッ
a は ae でアとエの間の音
t は無声トゥ
で、つないで発音して キャット みたいな。
この手法自体に噛みついていた。
私は、日本語にみたいに
ca ならば キャ とローマ字読み方式でも
よいのではないかと思っていた。
勝手に突き進めばよかったのだが、
中途半端に常識のあった私は、
前例がないということで、この方法を退けた。
『メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法』で
長谷川滋利氏が同じように考えていてことを知って、
嬉しくなったのを思い出した。
本書では、はやい段階で
「子音 + 母音の読み方(音の足し算)」
として出てくる。
これを肯定するのか否定するのかは
大きな違いだと思う。
英語本はほんとうに数多く出版されているが、
教材研究というのか、調査というのか
そのようなことが満足に行われていない
のではないかと思いたくなる。
本書で残念なのはひとつ
「田尻式カナ発音記号」で書かれていること。
独自表記は便利なのだが、
後々の応用が利かず、危険だ。
本当に利用者、本書の対象であれば
中学生のことを思っているならば、
発音記号のルビとして独自記号を使うくらいの
気持ちでいてほしかった。
相当面倒くさいことではあるが…
しかし、きちんと注釈(pp.2)があるのが、
他と違う点ではある。
No comments:
Post a Comment