Monday, February 04, 2008

林剛司 『英語は「多読」中心でうまくいく!』

 高専で多読をとりいれた授業を行っている著者による多読の啓蒙書である。

Amazon.co.jp: 英語は「多読」中心でうまくいく!

 本書は「なぜ多読なのか」ということを、作者の英語学習経験、実務で英語を使っている人の英語学習本、英語教育界の提言などをまとめ述べられている。これでもかというくらい多読の効果を連ねれば、十分だと私は思う。本書を読めば、多読をやらねばと思うのが正常だろう。しかし、学校英語が悪いと言っているのではない。注意が必要だ。

 学校英語も十分機能している。文法と訳読式の精読は短い時間で英語の骨格を教授する方法としては最適だ。プラス、多読を始める前の基礎工事としても欠かせない。「じゃあ、どうすればいいのか?」という質問の答えは大抵、どっちもである。対立するものではない。本書もこのことは慎重に扱っている。

 さて、本書は多読の啓蒙書である。なので、「多読ってどうやるの?」というのが少ない。全くないわけではない。「多読の授業ってどんなの?」というもの少ない。全くないわけではない。くわしくは Web で、ということになるのかな。

SSS英語学習法/多読+シャドウイング

 個人的に気になった参考文献

  • 金谷憲 『忙しい人の多読トレーニング・メニュー』(IBCパブリッシング、2005年)
  • 金谷憲 『英語授業改善のための処方箋―マクロに考えミクロに対処する』(大修館書店、2002年)
  • 酒井邦秀、神田みなみ 『教室で読む英語100万語―多読授業のすすめ』(大修館書店、2005年)
  • 竹内理 『より良い外国語学習法を求めて―外国語学習成功者の研究』(松柏社、2003年)

see also
英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方

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