Tuesday, October 11, 2005

工学系女子は厳しい!? プロの研究者1~2%

 理工系の学会で組織する男女共同参画学協会連絡会の調査結果らしい。学生会員と一般会員の男女比率に乖離があるとのこと。しかし、大学院に進学する者はほとんど全ての人が何らかの学会に所属するのが当たり前である。発表の機会は学会に所属していないとないためである。そのため、院生の会員率というのはほぼ100%だと思う。

工学系女子は厳しい!? プロの研究者1~2% : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 工学系の女子大学院生がプロの研究者になる道は、生物・医薬系に比べはるかに厳しい――こんな実態が、理工系の学会で組織する男女共同参画学協会連絡会による調査でわかった。43学会(会員計約40万人)を調査。大学院生などの学生会員と、大学や企業、研究所などの研究職からなる一般会員についてそれぞれ女性が占める割合を学会ごとに算出した。

 生物・医薬系では女子学生は30%、一般で10~20%が女性だった。これに対し、土木や機械系では女子学生が5~10%いるのに一般になると1~2%と極端に低く、大学院まで進んだものの、一般会員である研究職には就けない傾向がうかがえた。
 ここでの大学院とは博士課程を指すのか修士課程を指すのか分からないが、今は修士課程では研究職に就くのは難しい。これは男女を問わずである。特に工学系は大学院への進学率も高く、学部卒のほうが珍しいくらいだ。即ち、修士課程で修了する工学系の学生が一番多いということになる。一昔前は、院へ行けば研究職に就くのが当たり前のように思われてきたようだが、今は違う。深い知識をもつ者だからこそ、マーケティングや企画などで活躍する人が多い。

 長くても2年単位でものを考える会社経営では、予測する力がモノをいう。利益を上げながら研究しなければならないので、無駄な投資は絶対にできな。そういったロスを最小限に抑えるためにも技術動向を考えられる人間が企画やマーケティングで働く必要がある。そして、近年のIT化により、技術力に差がつきにくくなってきたのも理由のひとつだろう。最近、高品質という言葉をあまり聞かなくなったと思う。一昔前は、同じ製品でもランクがあり、上位ランクは高品質を売りにしていたはずだ。特筆たる技術研究・開発が会社経営を圧迫し、にもかかわらず、大きな利益や宣伝にもならない。こういった、社会構造の変化も考えられる。

 特にこの記事で取り上げられている土木・機械系となると研究職の道は狭い。本当は、男女に関わらず研究者への道は険しいと言いたいところだが、特に土木・機械系は女性を排除する体質がまだある。

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