Saturday, October 29, 2005

外人と外国人

 「今更なに?」と思われるかもしれませんが、少し引っかかるコトがあったので書きたいと思います。先日、受講した教職課題演習の中で「おや?」と感じたのがきっかけです。

 先日の教職課題演習では英文科の学生が多く、英語教育やら異文化間コミュニケーションをテーマにしたものが多くありました。その中で、発表者のほとんどが「外人」という言葉を使っていました。

 私は、「外人」は差別用語だと信じきっておりましたので、これほど、しかも、英文科で、教員免許を取得しようとしている人達が「外人」と発言することに驚きました。私が「外人」を差別用語だと認識したきっかけは、確か、TVで放送されていたのを聞いたものだと思います。情報源は何か、すっかり覚えていませんが、確か、TVです。

 実際、コレが差別用語かどうかを確認したわけではありませんので、私自身がコレを指摘することはしませんでしたが、一人の女性が手を挙げました。

 彼女は自身の経験から、「イヤな顔をされた」と話をし、外国人にとっては「イヤな言葉」なのだということを話してくれました。この記事を書くに当り、ネットで「外人と外国人」を検索し、差別用語なのか、どのように嫌がられているのかをわずかながら見ることができました。ほとんどは彼女が話した内容に沿ったもので「イヤな言葉」、「疎外感」、「aline」の意味合いが強いようです。

 発表者のひとりが「foreigner」を引き合いに出して説明しましたが、コレは全く的外れな返答だと思いました。確かに、単語の意味としては間違っていないし、それなら「aline」はどうですか?と質問したかったが、火に油を注ぎそうなので止めました。ここでの問題は受け取る側の気持ちなのです。

 受け取る側の気持ちと単語の意味は必ずしも一致しないことは、あの場にいたほとんどの人が理解しているはずです。しかも、英語教育に携わろうと考えている人間なら敏感にならなければいけないコトなのではないでしょうか。ほとんどの人が定期的に外国人とコンタクトをとっているはずです。英語でコミュニケーションをとっているので見えにくいのかもしれませんが、子どもたちに教える場合は日本語も多少なりとも含まれるはずです。どうも教授法や教え方等のスキルの部分ばかりに目がいってしまっているような気がしてなりません。確かにスキルは大切な武器なのは理解していますが、「外人と外国人」はそれ以前の問題だと思っています。

 では、なぜ「外人」がダメなのか、それはイヤな顔をした当事者に尋ねるのが一番よいのでしょうが、少し調べた結果、こういうコトもひとつの回答ではないのかというものがありましたので書きたいと思います。

 恥かしながら、はじめて辞書で「外人」を調べました。(調べ先:Yahoo!辞書-大辞泉-)
 1. 外国人。特に、欧米人をいう。 2. 仲間以外の人。他人。
 おそらく、2の意味がイヤな顔をさせる原因ではないかと思いました。なぜこんな意味を知っているのかと疑問もありますが、頻繁に聞く、自分を指す言葉を調べるのは自然なことでないでしょうか?ほとんどの日本人は1の意味で使っているのにも関わらず、辞書を見るとそれだけでない。これを見て、知って少し不安になったのではないでしょうか?おそらく2の意味を知っている日本人は少ないのではないでしょうか。私は今回はじめて知りました。因みに「外国人」は、"その国の国籍を持たない人。外人。法律用語としては、外国の国籍を持つ者と無国籍の者をいう。"。

 これならば「外国人にしましょう」と考えるのも頷けます。

 少なくとも、あの場にいた人たちは問題意識を持つことができたことでしょう。私のように調べて、自分なりにでも答えを見つけようとしている人もいるでしょう。「他人のフリ見て、我がフリ直せ」ですね。

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