Wednesday, November 15, 2006

“愛国心”って何ですか

 昨日のクローズアップ現代で、愛国心を教える授業を放送していたのを思い出した。

今日行く審議会@はてな - 愛国心の問題を無理矢理無害化する授業

 NHKのホームページより、放送内容は以下。

“愛国心”って何ですか

教育基本法の改正案が今国会で成立する見通しで、昭和22年に制定されて以来、60年ぶりの改正となる。改正案の最大のポイントは、「愛国心」がどう盛り込まれるか。戦前の皇国教育への反省から生まれた教育基本法は、「個人の尊厳を重んじ」、「自律の精神を養う」という理念に賛同する人々と、国を形作る構成員としての「道徳心」や「規範意識」に欠けると見る人々の間で常に揺れてきた。「愛国心」とは何か。それをどうやって子供たちに教えていくのか。法律の改正で大きな影響を受けることになる学校の現場から、考えていく。

 このように、「愛国心とは何か?」という問題を、3者の視点で描いていた。3者とは、仏教系私立、キリスト教系私立、そして公立である。私としては公立に興味があるのでそこに言及する。

 放送されていた授業を見る限り、気が重くなるものだった。私もこのような授業をしなければならないのかという意味も含む。その授業内容は以下のサイトにあるよう内容だった。

Imaginary Lines - 論理の飛躍についていけなんだ

 授業を行っている先生も手探りだろう。その苦労もよく分かる。その後の研究授業のレビューの模様を見ても、それらが痛いほど分かる。しかし、どうにもこうにも腑に落ちなかった。今日行く審議会@はてなさんのところの文を引用するが、同じ気持ちだ。

 そして、こういう授業の問題点はもう一つある。それは、限定された価値観だけをそこでは正当化し、美化し、子どもはそれを受け入れさせられることだ。教室には、その価値観に反論できるほどの知識や能力を持った人間がいない。だから、討論なんて生まれない。あるのは想定された範囲内での揺れだけ。「一人の生徒が「スージーさんの国も美しいと思うから…」と反論をしていた。」という。その子どもはその授業のおかしさに気が付いている。しかし、教員はそれをまともに取りあげなかったようだ。そういう授業では、子どもの考える余地も多様な価値観を育むこともしていない。

 そう、愛国心の授業となると「反論が許されない」のだ。学校では「聞く態度を持ちなさい。相手の立場になって考えなさい。」などとしつこく教えているだろう。しかし、その態度が先生にないのは如何なものか。この1点をとっても腑に落ちない。

 私は愛国心なんてのは自然と生まれてくるものだと思う。自分にとって、家族にとって、好きな人にとって、住みやすい国であるならば、自然と帰属意識は高まるだろう。もちろん、愛国心はこんなことだけではない。私自身、勉強不足なの浅い展開しかできないのが歯がゆい……

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