Sunday, June 08, 2008

ヘッドギアをかぶらせる強気で前向きで尖ったメンタリティ

 だいぶさぼっていた。いや、さぼっていたわけではない。が、やはりさぼっていたのだろう。

 昨日、サッカー日本代表の試合があったので観た。「世界ふしぎ発見!」はほとんど唯一というくらい定期的に観ている番組である。その後であったので、惰性でチャンネルを固定していた。

 サッカーを観るときは静かな実況を好む。なので、副音声のスイッチを押す。高確率で副音声はない。私は、試合会場の音声を副音声で流したらよいのにと思っている。フジテレビならいいのにとも思った。フジテレビなら、風間八宏氏や奥寺康彦氏である。勉強になる。

 代表の試合。

 何日か前に日本で試合をしていたようであるが、観ていないのでなんともいえない。そのときは確か、日本の完勝という雰囲気であったように記憶している。今回の試合はとてもそうではなかった。

 オマーンはよい試合をするなぁというのが、率直な感想だ。あいかわらずシュートが枠へ飛ばない。あいかわらず楽しめない。シュートは放ってから、たとえ阻止されたとしても、ため息交じりの「あぁ……」というか、「オオォッ……」と力が抜けるか、ゲームの楽しみかたは全く違ってくる。

 さて、結果云々より残念なのは大久保である。

相手GKを蹴ってしまったのだから、今回の退場に言い訳の余地はない。ただ大久保のやんちゃなキャラクターが、チームにとって貴重なのも事実である。


 ふーん。そうなのか。私はサッカー素人だから戦術はおろか、感情やメンタル面のこともさっぱりである。しかしこの言い回しには閉口する。

フェアプレー精神はもちろん大切だが、国際試合ではちょっとズルがしこいくらいでもいい。


 私が中学生くらいに「マリーシア」ということばが流行った。サッカーにおいてずる賢いという意味らしい。たしか、そんな意味合いで使われていたと記憶している。これは「マリーシア」らしい。そうか、サッカーでズルがしこいプレーというのは「プレーの後にキーパーを蹴ること」なのか……

 その後、TBS では EURO 2008 の開幕試合も放送されていた。カードは、開催国の Switzerland と Czech Republic であった。Czech Republic のゴールキーパーは Cech である。スペルがあっているのか不安だ。今世界最高のゴールキーパーの一人であろう。ヘッドギアをかぶったゴールキーパーとしても有名である。

ペトル・チェフ - Wikipedia

 今回の大久保のプレーは最低だ。Cech の姿を見た後だと余計にそう感じる。TBS の解説陣はことばを濁していたが、なぜ批判しないか?「蹴っているようにも見えます」ということばは苦しい。まだ、「動きの流れの中の……云々」ということがなかっただけましか。

 私はこれを観ていて、サッカーはまだ大衆の物になっていなんだなぁと感じた。David Beckham が同じような愚行をしたことがある。そのときの英国のファンやメディアの扱いはすごい。「絶対にやりすぎだって……」と思うようなことが多々あった。日本にはまだない。これがよいことなのか悪いことなのか、私には判断できぬ。しかし、愚行にははっきりと愚行ということは甘やかしでもなんでもない。その後の捉え方は、個々人の民度の差である。

 Osim のときに、大久保が日本代表に呼ばれていたのかどうか、私には分からない。Google さんで軽く調べたところ、呼ばれてないようだ。これを知って、すこしホッとする私がいる。Osim は日本サッカー界の未来を考えていてくれたのだと、再認識できた。

強気で前向きで尖がったメンタリティは、これからも失ってほしくないのだ。


 私もそう思う。しかし、その「強気で前向きで尖ったメンタリティ」は「プレーの後にゴールキーパーを蹴ること」なのか?Cech がヘッドギアをかぶり続けているのは傷が癒えていないからか?接触プレーの恐怖心を和らげるためか?それとも、勘違いした「強気で前向きで尖ったメンタリティ」が起こす愚行への抗議なのか?

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