Friday, March 09, 2007

灘中の数学学習法

 灘にかぎらず中高一貫校のメリットが感じられる。

Amazon.co.jp: 灘中の数学学習法

 私は中高一貫校のメリットを2つ感じた。

 ひとつは、6年間という長い時間軸でカリキュラムが組めることである。数学に関して、私自身が感ずることのひとつに、中学と高校での密度差が大きすぎるということがある。正直なところ、中学の数学は簡単すぎる。基礎理解は土台固めで大切なのは重々承知しているが、それでも時間をかけすぎていると思う。それにひきかえ高校では、少し窮屈すぎやしないか。高校1年はまだいいとして、2年は窮屈すぎる気がする。私は学生時代も、そして今でも、そう感じている。

 実際、灘ではかなり弾力的に組み替えている。本書では、中学の内容は1年で終わらせると書いてある。「一貫校ならそうするだろうなぁ。ましてや私立だし」というのが正直な気持ちだ。個人的には英語もこうしたほうがよいと考えている。文法等はチャっチャっと終わらせて、翻訳ないし聞き取りなどに時間を費やした方が効率がいいと考えている。

 もうひとつは、目的を絞ることができることである。私の経験からではあるが、公立の場合はとにかくノルマを全て終わらせることが第一命題と感じる。だから、大抵は3年の授業内容がアタマに残っている人が多いと思う。私の場合なら微積分と確率統計。灘の数学は幾何に力点を置いているようだ。公立では幾何は高校2年でしたっけ?しかもそれっきりだったと思う。灘が理数系に強いというのは幾何に力点を置いているからのように感じる。微積分なども重要ではあるが、物理の基礎は幾何学であると私は思う。

 授業で取り扱う課題に文章問題が多いというのはあるが、内容自体には奇抜なモノはない。なので私は中高一貫校のメリットらしきモノに目がいってしまった。生徒にトライアンドエラーを求める学校というのも興味深い。教師目線で考えると、教材研究に使える時間は多そうだとか、部活の顧問としないんだろうなぁとか、評価はどうしているのだろうとか考えてしまう。学校の運営システムやマネージメントにも興味がいく。結果としては灘のよい宣伝本です、といったところか。

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