Monday, March 19, 2007

英語表現をみがく〈動詞編〉

 1991年発行の古い本であるが、そのコアは今も廃れていない。

Amazon.co.jp: 英語表現をみがく〈動詞編〉

 Basic EnglishやPlain Englishの存在を知り、その影響で本書を手にした。ただ、それらについて書かれているモノではないのであしからず。しかし、それらの影響を多分に受けている本である。

 「基本動詞の重要さ」は至極まっとうなことだ。しかし当時、学生であった私にはその重要性を問われていたという実感はゼロだ。

 例えばpostponeという単語がある。句動詞ではput offである。おそらくペアで覚えさせられたと思うが、私はpostponeしか記憶にない。なぜか?自分にとって理解しやすいほうで覚えた。それだけ。なぜ理解しやすかったのか?それは訳語と英単語が1対1の関係であったからだろう。put offを英辞郎で検索してみたが、句動詞の訳例は11例ある。単純に考えると日本語に訳す場合に11の選択肢があることになる。それならば同じことを1語で表現できるpostponeを覚えた方が合理的である。間違う確率も減る。これは本書にも指摘されていることであり、おおよそ万人に当てはまるのではないかと思う。

 「英語でしゃべらナイト」で鳥越俊太郎氏が「getだけで結構、書けるもんだ」と発言していたことを思い出した。結構どころかそれだけで事足りてしまう。後は「大人英語」かどうかという問題だけだ。しかし、私たちは外国人で、新聞記者ではない。新聞記者で思い出したが、伊藤サム氏によると新人記者の研修には中学校の英語の教科書を使うようだ。理由は伊藤サム氏のサイトを見るとよく分かる。

 さて、基本動詞を運用するためには前置詞、副詞、そして名詞の語彙数が重要になってくる。続編に『英語表現をみがく〈名詞編〉』があるが、個人的には興味を惹かれなかった。〈動詞編〉とのつながりが全くなく別の読み物である。作者は意識して独立させたとしているが、それが残念でならない。

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