Tuesday, October 07, 2008

『メガヒットの秘密 ~20年目のB'z~』をみて

 NHK スペシャル、「メガヒットの秘密 ~20年目のB'z~」をみた。再放送されるかどうかわからないのでみた。で、率直な感想であるが、期待はずれだ。

NHKスペシャル|メガヒットの秘密 ~20年目のB'z~

 もちろん、「過剰な期待のせいだ」というのもある。個人的にどのような絵を求めていたかというと『The true meaning of "Brotherhood"?』のようなものであった。なので食い違いがあるのも否めない。Nスペの web サイトにはこうある。

今回テレビとしては始めてB'zの裏舞台の取材に取り組み、レコーディングの現場、合宿リハーサル、ロングインタビューなどが実現した。それらを通して、20年にわたりメガヒットを続けるB'zの創作の秘密に迫る。

 番組をみた後にこのアブストラクトを読むと間違いや誇張はない。確かに、レコーディングの現場、合宿リハーサル、ロングインタビューがある。そして、それらを総括し、メガヒットの秘密に迫っている。が、物足りない。

 「なぜ B'z は売れるのか?」この番組の最大の提起である。曲作りの過程、曲作りのノウハウを追って解明しようとした点は理解できる。音楽表現を解析するには楽曲そのものを批評するのが正解だ。この番組では松本さんサイド、稲葉さんサイド両面から切り込んでいる。

 松本さんサイドはギターソロにウェイトがおかれた。なぜギターソロか?私が考えるに、その人也がでるからだろうと踏んでいる。なりよりも松本孝弘が出るのはギターソロだろう。しかし、そんな松本さんのギターソロはオーソドックスだ。これはコード進行やメロディにも当てはまる。B'z の楽曲はオーソドックスだ。

 稲葉さんサイドはもちろん歌詞である。「歌いやすいように語尾を変えたりする」ということはちょくちょく発言していることであった。ことば選びに関しては触れずに終わった。私の興味はことば選びのほうにあった。

 この両面から、この手の番組としてはもっとも落としやすいところに結論が導かれる。これが期待はずれであった。もちろん大切なことだと知っている。しかし、面白いかどうかと問われればつまらないと答えよう。

 個人的には、B'z の楽曲が売れる理由を頭のなかに持っている。しかし、それは B'z とは離れてしまう。B'z に焦点を合わせてしまうと結びつけることは難しいかもしれない。でも、稲葉さんはさりげなく私が持っている理由と同じことを発していた。

 稲葉さんの発言は「誤解を恐れずにいえば、100%の自己表現ではない」というもの。そしてもうひとつ、稲葉さんに「ミュージシャンか?アーティストか?」と問う。稲葉さんはどちらでもなく、「B'z の Singer」と答える。驚く発言かもしれないが合点がいく。

 『B'z Official Bootleg Hidden Treasure ~Typhoon No.20~』でこんな発言がある。「個人的なエゴがない」私にはこういう事前知識がある。なので、稲葉さんに「ミュージシャンか?アーティストか?」と聞いた意味が理解できる。しかし、この VTR だけしかない状況でこの質問の意味が汲み取れるのかどうか疑問であった。この質問がどことも絡まなかったように見えた。私が見落としているのかもしれないが。

 衝撃的な情報もあった。稲葉さんが喉の手術を受けていたことだ。2004年らしい。アルバムでいうと『BIG MACHINE』と『THE CIRCLE』の間だ。知らなかった。私のアンテナが疎いだけかもしれない。

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