河合隼雄 / 茂木健一郎 『こころと脳の対話』
どこで見聞きしたか忘れたが、
「ネガティブ思考の人間とではなく
ポジティブ思考の人間とつながりを持とう」
ということばが頭にこびりついてる。
わが身を振り返るとゾッとする。
本書の登場人物である
河合隼雄氏と茂木健一郎氏は
ポジティブ思考の最たるロールモデル
ではなかろうか。
目次
本書は河合隼雄氏の専門分野
ユング心理学を軸にしてはなしが進む。
河合隼雄と聞いて、私が思い浮かぶキーワードは
「中空均衡構造」である。
福田さんが総理大臣に選ばれたときに
メディアがタグづけしたリーダー像。
最近ではオバマがこれではないかという
意見をちらほら聞く。
通奏低音として流れているのは
「関係性」のジレンマ。
とてもデリケートなはなしだと思う。
本書を読んでいると、臨床心理士として
切実な思いのようだ。
しかし、河合氏の考える世界は
とてもレベルの高い世界だと思える。
ある側面では高コストになるだろう。
このような世界を営むために
どのようなコンセンサスをとればよいのか
頭を悩めそうだ。
しかし、必要なパラダイムシフトだろう。
私は河合隼雄氏のエピソードで
好きなのがひとつある。
それはタクシーのはなしなのだが、
確か茂木氏経由で知った。
それの出所が本対談だったとは。
リラックスして読める一冊。
「ネガティブ思考の人間とではなく
ポジティブ思考の人間とつながりを持とう」
ということばが頭にこびりついてる。
わが身を振り返るとゾッとする。
本書の登場人物である
河合隼雄氏と茂木健一郎氏は
ポジティブ思考の最たるロールモデル
ではなかろうか。
目次
本書は河合隼雄氏の専門分野
ユング心理学を軸にしてはなしが進む。
河合隼雄と聞いて、私が思い浮かぶキーワードは
「中空均衡構造」である。
河合 それがね、一神教的モデルでいくと、やっぱりセンターがほしいんですよ。僕はそうじゃなく、統合的ではなくて、バランスというかね、そういう考え方のほうが僕は好きなんですよ。
僕は日本の神話をモデルに考えてましてね。日本の神話の場合は、簡単にいうてしまうと、三つの神様がいる中で、ふたつの神様はものすごい葛藤とか対立があるんですよ。
で、三つ目の真ん中の神様が大事なんやけど、真ん中は何もしないんですね。たとえば天照大御神とすさのおのみことが対立する神で、つくよみの尊が真ん中の神であって、無為なんですね。
そういうのをずっと調べていって、僕は「中空均衡構造」という呼び方にしたんです。真ん中はプリンシプル(原理)もパワーももってないんですよ。だから、全体がバランスをとれるんだと。(pp.40-41)
福田さんが総理大臣に選ばれたときに
メディアがタグづけしたリーダー像。
最近ではオバマがこれではないかという
意見をちらほら聞く。
通奏低音として流れているのは
「関係性」のジレンマ。
河合 物理学の法則はどこでも適用できるわけですね。ところが、フロイトのいっていることは、フロイトとその相手の人が「自分たちをどうしようか」というなかで考えたことであって、それは誰にでも適用できるものではないと、僕は思っているわけですね。<略>
僕がいうのは、「私のやっていることは近代科学とは違います」と。「違うことをやってるんだけれど、意味があるんです」といういい方をしている。(pp.183)
とてもデリケートなはなしだと思う。
本書を読んでいると、臨床心理士として
切実な思いのようだ。
しかし、河合氏の考える世界は
とてもレベルの高い世界だと思える。
ある側面では高コストになるだろう。
このような世界を営むために
どのようなコンセンサスをとればよいのか
頭を悩めそうだ。
しかし、必要なパラダイムシフトだろう。
私は河合隼雄氏のエピソードで
好きなのがひとつある。
それはタクシーのはなしなのだが、
確か茂木氏経由で知った。
それの出所が本対談だったとは。
リラックスして読める一冊。
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