Monday, May 08, 2006

大学も企業も自分が生き残ることに必死

高校生青田買い:1学期で合格…面談で合格も 大学も必死-教育:MSN毎日インタラクティブ

 「AO入試」を採用する大学が国公私立を問わず急増し、いち早く高校生を囲い込もうという動きが強まっている。高校3年の1学期にあたる5月末に合格を出すことを表明したり、選抜の途中で合格の「内定」を出す私立大も現れた。急激な少子化を背景とする「青田買い」の過熱に、高校側は「生徒が学校で勉強しなくなる」と神経をとがらせている。

 AO入試は、大学が受験生の自己推薦を募り、面接や小論文で選抜する。高校長が日ごろの成績を基に生徒を推す従来の推薦入試に比べ、人物重視の選抜方式とされる。本家米国では多くの大学が早くから取り入れ、日本では慶応大が90年度初めて実施。導入する大学は増え続けている。

 推薦入試では願書の受け付けを11月1日以降とする文部科学省のルールがある。しかし、AO入試に縛りはなく、多くの大学は夏ごろから受け付けを開始する。

 昨年、福岡県太宰府市の第一経済大では、5月末に合格を出すという触れ込みでAO入試の受験生を募った。しかし、応募者はなく、今年は合格発表を7月末に設定する見通し。

 また、愛知県美浜町の日本福祉大は先月受け付けを開始(合格発表は10月)。岐阜県大垣市の岐阜経済大は今月15日から開始する(同11月)。愛知県岡崎市の愛知産業大は、出願前の面談で合格に当たる「出願許可書」(内定)を出す。

 AO入試の広がりについて、大手予備校の担当者は「中には『来れば内定、会えば内定』という大学もある」と明かす。大学見学や面談に訪れた受験生を軒並み合格させるという意味で、選抜の質を疑問視する。夏休み前に進路を決める生徒も増え、進路担当の都立高教諭(39)は「生徒が楽な方へ流れ、勉強しなくなる」と嘆く。

 推薦入試でも80年代後半、大学がいかに早く合格を出すかを競い合い、当時の文部省が95年度から「11月1日」の縛りを設けた経緯がある。【高山純二】

 ◇10年で161校も増加

 文科省によると、国公私立の大学数は05年度が計726校(国立87、公立86、私立553)。10年前の97年度は計565校(国立98、公立52、私立415)で計161校も増加した。一方、大学進学者数は95年度の59万7986人に対し、05年度が56万8336人と約3万人も減少した。07年度には大学・短大の進学希望者数と合格者数が同じ「大学全入」になるとの試算もある。

 ▽AO入試 学生の募集から入試までを担当する米国の大学の「アドミッション・オフィス」(入学事務局)が、名前の由来。大学により選抜方法は異なるが、志望理由などを記したエントリーシート(志願書)を提出させ、面接や小論文で選考するのが一般的。国立では00年度、東北大、筑波大、九州大の3校が初めて導入。文部科学省によると、05年度入試では、国立大では約3割の25校、公立大は2割弱の12校、私立大では約7割の364校が導入した。

毎日新聞 2006年5月8日 3時00分
 少し前の就職活動でも問題になった青田買い。少子化により学生確保が難しくなり、なんとしてでも学生を確保したいという思いが感じられる。

 AO入試自体が悪いわけではない。ましてや、早めに、この記事のように5月に内定を出すことも悪いことではないと思う。確かに勉強しなくなるということも真だが、その後の時間を学生は有意義に使えるメリットもある。大学の勉強の予習をするかもしれない。しかし、記事によると、学生の動向云々ではなく、結局は学生確保、経営安定といった企業経営のためというのはいささか悲しい。もし、自分なら、そのような目的でAO入試を行っているであろう大学には、進んで入学することはないだろう。この判断は難しいが……

 全入時代だからこそ、大学のブランドに価値がおかれる。これからは、今まで以上に受験は激化するだろう。そして、間違いなく大学は二極化する。就職にも影響するでしょう。

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