Friday, December 07, 2007

和田秀樹 『和田式 書きなぐりノート合格法』

 機会があったので読んでみた。

Amazon.co.jp: 和田式 書きなぐりノート合格法 (新・受験勉強法シリーズ)

 本書は授業の受け方のハウツウ本である。ハウツウ本というと印象はよろしくない。しかし、授業の受け方なんて誰も習わない。タイトルにもなっている「書きなぐり」がキモだ。

 「書きなぐり」とは、教師のしゃべりをノートに「書きなぐる」ということ。乱暴にノートをとることではない。真意が伝わりにくいことばだと思う。

 最近では大学で、「ノートのとり方を新入生に教えましょう」という試みが行われているらしい。それくらい漠然としたものである。時代は関係ないでしょう。

 ノートはきれいにとりなさいと指導される。小学校低学年なら、それは正しい。書き取りの練習も兼ねているからだ。だからノートの提出を求めることもある。字が汚い、落書きするな、きれいにとれ、と注意する。しかし、それ以上の指導はない。あるとしても、中学で英語がはじまるときだろう。しかし、これも書き取りのレベルだ。

 教師は板書に苦心する。「板書を見れば、授業がわかる」ということばもある。誰が板書を見て授業がわかると評するのか、問題がないわけではないが、板書は教師の評価のひとつである。

 その板書をどう生かすかは、しゃべりにかかっている。教師がもっとも評価される部分だ。小中学校の授業では、しゃべりの部分も板書に書き込む。その感覚で高校の授業を受けると痛い目にあうぞ、と言っているように聞こえた。NHKの高校講座などを見ても違いを感じるだろう。大学になれば、板書はしゃべりのサポートだ。

 今回、本書を読んで感じたのは、和田氏の考えは「活用力」や「応用力」に根付いているということだった。「数学は暗記だ」という有名なことばも、本書を読んで解せた。

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