Sunday, December 16, 2007

英語学習と脳科学

 大修館から出版されている『英語教育』の2008年1月号の特集が、「英語学習と脳科学」という面白そうな内容だ。

脳科学がいま元気である。言語学習に関連してさまざまな発見がなされるなか、英語教育界でも、脳科学を視野に入れての種々の提案、実験がされるようになった。新しい動向と最新成果を紹介する。

主要目次
脳内を最適に活性化する英語教授法とは(大石晴美)
英語(L2)の学習は日本語(L1)の語彙辞書を変える!:
 マルチコンピテンス研究が示唆するもの(村端佳子/村端五郎)
早期英語教育に文字はどこまで必要か(井狩幸男)
上級学習者は語彙をどのように理解しているか:
 反応速度と脳賦活から考える(石川慎一郎)
母語が違うと英語の情報処理時の負荷が異なるか(木下 徹)
私たちは日本語や外国語の文をどのように理解しているか(中野陽子)
第二言語習得研究の中の脳科学(松村昌紀)
[コラム]
脳科学から見たことばの習得(井狩幸男)

『大修館書店ホームページ燕館』より引用

 内容は、引用した目次の文字列から想像するものより、より専門的だ。現役の英語教師が触手を伸ばしたとしても、受信者、発信者ともに納得のいく「読み」ができるだろうか。不安はある。

 確かに脳科学は元気だ。しかし残念なことに、学問ではなく商業の面でそれが顕著である。事態がややこしくなる環境は整っている。特に英語に関しては百花繚乱である。教師が学問レベルの研究成果にふれる機会を増やすことは、必要不可欠になったと思う。

 脳科学と教育には政策の後押しもある。

「脳科学と教育」研究の推進方策について-3.「脳科学と教育」研究の推進に当たっての基本的考え方

 これは脳科学を教育に取り込もうというものではない。教育界からの課題に対して貢献できる研究をしてくださいという、科学界に向けた宣言である。ゆとり教育のときと同じように、真意が現場に十分に伝わっているのかあやしい。

 本書はこれから読む。

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