Thursday, August 28, 2008

小倉弘 『受験英語禁止令』

Amazon.co.jp: 受験英語禁止令―あなたの英語をリストラするマル禁132条: 小倉 弘: 本 著者は、代々木ゼミナールの中の人。今現在も講師をしているのは知らない。学校の教員同様、予備校の講師は生徒が「どのような理解をしているのか」を知ることができる。そのデータベースから足りている部分、足りない部分を132の項目をもって解説説明する。本書の解説方法は、最近はやっている「コア」とか「イメージ」のそれである。本書のターゲットはおそらく、ビジネスマンだろう。

 ビジネスマンがターゲットであれば、これはよい本だと思う。何がよいのか?ひとつは、受験英語に沿った解説がされていること。もうひとつは、説明のしかたがトリビア的でないこと。

 なぜ受験英語に沿った解説がよい点なのか?それは自分の知識を再利用できること、検索性が高いことがあげられる。学校で教わった内容に、なんか腑に落ちないという経験がひとつでもあれば、本書は使いやすいものになると思う。

 トリビア的な説明とは、「この単語にはこういう意味もあるんだよ、盲点だったね(笑」という説明のしかたである。このやりかたで勉強すると、いつかは「なんか腑に落ちない」という経験につながると思う。この腑に落ちないというのは、知識の断片化にある。ひとつの単語が、あんな意味やこんな意味になるのはわかった。しかし、なぜこんなにも意味が多様なのか?どんなカラクリでこのような多様な意味が出てくるのか?といった類のものだと思う。「コア」や「イメージ」と呼ばれている説明方法は、この断片化を解消してくれる、というのが私の経験である。

 久しぶりに英語を勉強するひとにとって、本書は確認テストのようなものになるだろう。ターゲットがビジネスマンだろうという推測はこれによる。132項目というと「多いなぁ」と思うかもしれないが、170ページ前後で字も大きい。1時間もあれば通読できる。お手ごろである。

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