Tuesday, March 18, 2008

伊藤悟 『東大卒・開成首席OBが明かした中高一貫校に行かなくても東大に合格する本―脱つめこみ勉強のススメ』

 中高一貫校の雄である開成について書かれているというので読んでみた。筆者が翻訳家として活動しているので英語教育にも触れられているので一石二鳥だとも思った。

Amazon.co.jp: 東大卒・開成首席OBが明かした中高一貫校に行かなくても東大に合格する本―脱つめこみ勉強のススメ: 伊藤 悟: 本 本書における開成の分析は、生徒間のピア・プレッシャーの賜物ということになる。ピア・プレッシャーについては以下参照。

解説委員室ブログ:NHKブログ | 視点・論点 | 視点・論点 「脳と個性」

 なぜか?まず、開成では受験に特化したカリキュラムではないという。授業は教師の裁量に任される。教師の力量と教師との相性により授業の善し悪しが決まるという。これは、どこでも同じだろう。驚いたのは、開成の生徒の多くは塾や予備校に通うということだった。もし、学校教育が受験に特化しているならば、塾や予備校には通わなくてもよいだろう。これは意外であった。「人のフリ見て我がフリ直せ」というポジティブなピア・プレッシャーが強い。ポジティブなピア・プレッシャーが開成の開成たるゆえんだろう。

 なぜポジティブなピア・プレッシャーが発生するのか?ふたつ示されている。ひとつは、ロールモデルが多いこと。これは、一貫校の強みである。縦のつながりが強いほど、ロールモデルの多様性が吉とでる。ふたつめは、学校内の競争のみならず、他校との競争がある。本書に示されていたのは、筑波大学付属高校とのボートレースであった。競争相手が外部にいることは重要だ、と個人的には思っていた。学内の競争は、編入組のことをいう。これが100人いるらしい。この数字が多いか少ないか、私の知るところではない。これがうまい具合にカンフル剤となるらしい。

 本書から受けた開成のイメージは、旧制中学だった。

 英語に関しては、中学英語で東大受験は十分だという。これが著者の英語教育のスタンスでもあるらしい。まぁ、文法事項のことである。これは同意。「英語で最初につまずくポイントは "like" 」というのが、私にはよく分からない。

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