Sunday, March 02, 2008

田地野彰 『「創る英語」を楽しむ―「暗記英語」からの発想転換』

 あまり読まれていないようだが、もったいない。

Amazon.co.jp: 「創る英語」を楽しむ―「暗記英語」からの発想転換 (丸善ライブラリー)

 応用言語学者による、学校英語のブラッシュアップと学校英語教育への提言である。田尻悟郎氏の英語教育と似ているというのが、私の印象である。

 なにが似ているのか?それを書くとネタバレである。が、書く。「魔法の呪文」である。ふざけているのか?いや、ふざけていない。本書にそう書いてある。本書は「魔法の呪文」の実践編、論理編が丁寧に綴られている。私としては、その論理編が興味深い。

 「魔法の呪文」を用いた外国語学習は、ネイティブの母語習得法に沿っているという。「またそれか……」と、正直なところ思った。しかし、丸め込まれた。言葉が悪い。腑に落ちた。

 英語は固定語順言語である。大西泰斗氏が口をすっぱくして言っている、あれである。英語は、単語の並びに意味がある。ネイティブが自然と獲得する文法ルールである。先に述べた「魔法の呪文」はこの文法ルールだ。

 「大きなルール違反」(グローバル・エラー)にこだわる。学校教育では、このグローバル・エラーよりも「小さなルール違反」(ローカル・エラー)に興味が向きすぎであるといっている。ローカル・エラーとは、冠詞や三単現、不規則変換動詞のミスのこと。納得である。

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