Monday, October 23, 2006

アメリカの数学教育者の憂鬱

 米シンクタンク、ブルッキングズ研究所のブラウン教育政策センターが面白い研究結果を発表した。

CNN.co.jp : 米国の数学教育に警鐘、「楽しさ」と成績は別物と - USA

 上の記事によると、生徒の自信と成績が一致していないことを示すデータも得られたという。そして、その原因に、
研究をまとめた同センターのトム・ラブレス氏は「成績の良い国は総じて、生徒への要求水準が高いようだ」との見方を示す。「だから生徒は数学を楽しんでいないし、自信もないと答える傾向があるのではないか」
と、述べている。

 成績としては、アメリカの数学教育の努力が報われていないと結んでいる。しかし、次の一言にちょっと惹かれた。
一方、全米数学教師協議会(NCTM)のフランシス・フェンネル会長は「楽しさも自信も重要な要素。これらが欠けていたら競争力はつかない。数学に自信のない生徒が、将来数学を専攻しようと思うはずもない」と反論する。
 これは、意外に重要でないかしら。私の周りに数学科の人間が少ないからそう思うのかも。日本でも理数離れが深刻な問題として、多々取り上げられている。そして、その解決方法はアメリカの教育方針と重なっている部分が大きいように思える。

 おそらく、アメリカは教育格差が大きいのではないかと思う。そうすると、成績が抜群の生徒も多かろうが、悪い生徒も多かろう。となると、平均は下がってしまうのではないだろうか?アメリカの教育方針は、この底辺層の底上げだと思う。これがうまく機能していないから、憂鬱なのだろうか。それとも、純粋に結果に憂鬱なのだろうか。

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