Thursday, October 26, 2006

工学部不人気

 工学部が存続の危機らしい。工学部出身の私としてはチョット悲しいが、分からない問題でもない。

知りたい:工学部志望、10年で半減 私学、相次ぎ再編--「資格なく不利」克服へ-大学:MSN毎日インタラクティブ

 記事によると、工学部の受験者が減少しているという事実を持ち出しているが理工系学部のもう一つの柱である理学部の動向が出ていないのがひっかかる。逆に、増加が認められているのは医学系、福祉系である。増加の理由を記事では以下のように示している。
医療系学部は理学療法士などの資格が取れるため、就職を見越した受験生が殺到する状況だ。
 ちょっと調べていないので分からないが、医療系学部で取得できる資格は実務経験は加味されないのだろうか?例えば、工学部でも資格は取得できる、電気工事士などがあるが、こいつは実務経験が必要だ。まぁ、こいつが有益な資格かどうかというのは置いておく。
 一方、工学部の不人気の理由としては、(1)就職に有利な資格取得に直接結び付かない(2)学問の内容が多岐にわたり、高校側が進路指導しにくいなどが考えられるという。
 大まかな分類は、機械、電気、電子、情報、建築、化学だろう。私が学生の頃は、経営工学や土木なんてのもあった。経営工学なんかは名前だけでは何を勉強するのかも分からない。

 資格に関しては将来の職業に見合った資格は取れると思う。先に述べた電気工事士や危険物取扱者など、まさにピンポイントの資格が取得できる。まぁ、そうは言っても志望者が減っているのは事実なので、大学側も手を打つのが普通だろう。その取り組みのひとつが再編だ。

 関西大では、
関西大(大阪府吹田市)は工学部の募集を停止し、「システム理工」「環境都市工」「化学生命工」の3学部に再編する。システム=仕組み作り▽環境都市=街づくり▽化学生命=モノ作り、というキャッチフレーズでアピールする。
 早稲田では、
 早稲田大も96年続いた理工学部を「基幹理工」「創造理工」「先進理工」の3学部に再編。大学院も併設し一貫教育を強調する。
 電機大では、
東京電機大は、これまで工学部に入っていた建築や情報の学科を集めて「未来科学部」を新設。
 武蔵工と上智は、
武蔵工業大(世田谷区)は従来の工学部に加え新たに「知識工学部」を設けて情報関連に特化した教育を目指し、上智大(新宿区)も08年度理工学部を再編する予定だ。
 で各大学の取り組みを見ていると、分かり易い名称ってのがポイントのように思える。しかし、本当に分かり易いか?関西大の「化学生命工」が「モノ作り」に高校生には結びつくと思っているのだろうか?私は結びつかぬ。まぁ、研究内容に沿った名称を付けているのだから間違いないだろう。これで。大学に入学してから「あっちの方が、自分の好みだった」なんてことになってしまわぬよう、改善する必要はあろう。これでは、高校の先生がさらに困惑しそうだ。

 このような、あっちが増え、こっちが減りってのは世の常だと思う。それで、改善・改革が行われ、よい方向へ進めば、これはこれで良いことだ。

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