Friday, October 27, 2006

競争やめたら学力世界一 - フィンランド教育の成功

 斜め読みでざっと読んだ。それでも、ページをめくる度に「はぁ~」と溜息がもれる。脱力感と希望と、相反するものが同時に襲ってくる不思議な感覚に陥った。

Amazon.co.jp: 競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功

 ひとつ気になったのは、「情操教育はどうしているのだろうか?」ということだった。日本と違い「宗教/倫理」があるから問題ないのだろうと、勝手に解釈している。このことをふまえると、日本の「教育」という言葉とフィンランドの「教育」という言葉に包括されているキーワードがそもそも違うということ、それが、日本の教育とは似ても似つかぬ状況だと思う。

 しかし、フィンランドの教育様式を日本に持ち込むのは時期尚早であろう。とても合理的なシステムであるのにも関わらず、だ。

 まず、強烈な言葉があった。咀嚼して示すがこんな感じである。「できる・できない、それは全て本人(生徒)の責任」日本じゃこんなこと口が裂けても言えないと思う。日本とフィンランドでは、義務教育課程の子どもの捉え方がまるで違っている。これは学校だけでなく、行政も社会も一致した見識だ。これには驚いた。時期尚早と考える理由はこのこと。このような考えがある社会では機能しても、現在の日本ではおそらく無理だろう。何から何まで、責任は教師・学校・行政にある。

 そうではなく、本人なんだとなぜ言えない。こう言えたときはじめてフィンランドの教育様式はフィットするのではないだろうか。そのためには社会と教師が変わらなければいけない。そう思った。

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