Friday, May 09, 2008

一斉授業から共同学習・ゼミへ

 教室改革の例である。

asahi.com:机はコの字、チョークなし教壇なし 進む「教室革命」 - 社会

机は普段からコの字形に並べ、教壇はない。教室と廊下を隔てる壁はなく、背の低い棚で仕切る。黒板は電子化し、チョークは見あたらない。小中学校の教室では、そんな変革が静かに進んでいる。

 これを見ると「どこの合衆国ですか?」という感じである。特に、教壇がないというのは。しかし、廊下と教室を隔てる壁がないというのは思い切ったことをした。

 私が知る最近の傾向は、教室が空になるとき、例えば、音楽とか体育のときは必ず教室の扉に鍵をかけるよう指示し、実行させる。下校後ももちろん施錠をする。これは学校内の窃盗防止のための処置である。悲しいかな。

 他に茨城県かどこかでも同じようなレイアウトを見たことがある。モデル校なのかもしれない。そこでは教室のほかにもチャイムを鳴らさないなどとの試みをしていたと記憶している。学校の常識を、もう一度、見直そうという思いを感じる。

 現在の教室の形は、一斉教授を効率よく行うための「発明」である。明治の教室がどのような形態だったか、私は知らないが、江戸の寺子屋は現在の教室のようではない。日本の教育はイギリスやドイツがお手本になっている。おそらく受け売りだと思う。視点は教師の利便性にある。

佐藤教授は「一斉授業から共同学習・ゼミへ、この15年で世界的な教室革命が起こっている」と話す。

 このことばは上に書いたような歴史的経緯を物語るものであろうと、私は考える。

 設備についても言及がある。黒板だ。その昔、e-Japan という政策があった。今も継続しているのかどうか知らないが、学校においてはまったく蚊帳の外である。PC がそうだろう。教職員は個人的に PC を使うようになったがインフラはまったくなっていない。だから、情報の持ち出しや紛失がでる。もちろん、イントラネットで共有してもセキュリティの面で万全の策がとれるとはいえない。

一方、黒板は「電子黒板」の普及が進む。1台10万円以上にもかかわらず、全国の公立小中に07年3月時点で約8千台ある。

 普通の黒板はいくらするのだろう?

高知新聞ニュース■5月9日は「黒板の日」 県内唯一の業者奮闘■

黒板の値段は、幅3・6メートル、高さ1・2メートルの一般的なサイズで約25万円だが、これは業界が定めた目安の値段で「実際の売値はもっと低い」と中山さん。

 google で「黒板の値段」で検索し、1ページ目の情報だけなので心許ないが、まぁ、10万円は下らないだろう。それとももっと安いのだろうか?電子黒板が10万円で「高いよ」というニュアンスの文体であるので、もっと安いのかもしれない。

 電子黒板の利点を考える。意外とない。私が真剣に考えていないだけかもしれない。思いつくことといえば、授業にかかわることでなく、情報の共有というポイントだけだ。

赤堀侃司・東京工業大教授(情報教育)は「うまく使えば子どもの興味を引き、集中力を持続させられる」と話す。

 これなんか、次世代 DVD やビデオゲームと同じ理屈である。「ソフトしだい」ということだ。

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