理系英語、文系英語という幻想
明治以来、日本に必要な英語力というのは今日でいう理系英語であったと、私は思う。その理系英語が『英語教育2008年6月号』で「チャレンジ!理系英語」として特集が組まれた。大修館のホームページより
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)や大学で行われている「理系」分野に特化した英語授業。論理構成、文章・語彙の特色など、文系にも役立つ理系英語のエッセンスを探る。
今までに何回「理系英語」が『英語教育』で特集されたのか知らないが、やや乗り遅れの感がするのは私だけでしょうか?
とりあえず、立ち読みしてきたので、ざっくり覚えていることだけ。
- 理系英語は英語学習の役に立つ
- JACET8000と理系英語の語彙
- 理系学部の英語教師の立場
1. は、論理と Concise、Clear、Correct という 3C について。学校教育としては高校2年から3年くらいの内容であろう。
2. は、専門用語について。知らない単語は分からないという当たり前のことと、多義語について。普段使われている単語も専門の文脈の中では意味が変わるということ。
3. は、英語教員が理科系に詳しくないこと。待遇の問題にもかかわるかと。
私が認知している問題とそれほど乖離していない。ということは10年以上停滞しているということだろう。理科離れ問題のおかげで少しは改善するか。
理系英語というが、本来そんなものはない。日本でいう理系英語とは、平たくいうと「学問をするための英語」と同義だろう。これは、英語母語話者でも生まれながらに備わっている能力ではない。Grade 12 からハイスクールくらいにやる言語教育の賜物であろう。
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