Sunday, May 04, 2008

数学教育へ一石か

 個人的にショッキングな記事である。

薬のことなら薬事日報ウェブサイト - 【ヘルスハイライト】身近な具体例の利用は数学学習の助けにならない

生徒が数学を学ぶときに、「現実世界」の具体的な例を用いることは有用でないことが米オハイオ州立大学の研究によって示され、米科学誌「Science」4月25日号で報告された。具体例を用いて数学的概念を学んだ大学生は新しい状況にその知識を応用することができなかったのに対し、抽象的な例で同じ概念を学んだ学生は、異なる状況に応用できることが多いことがわかったという。

 なんとまぁ。かなり意外である。この認識は、教育界では暗黙知の部類に入るらしい。記事でもふれられている。

この論文の著者の一人、同大学認知科学センター教授のVladimir Sloutsky氏は「この知見は、教育界で長い間信じられてきたことに疑問を投げかけるもの。具体例の利用が有効であるとの信念は深く浸透しており、これまで疑問視されることも、検証されることもなかった」と述べている。

 まず、注意するポイントは「算数」でなく「数学」である。が、記事を読んでいるとどうも違うらしい。

よく出題される文章題としては、2つの列車が別の町を互いに向かい合って出発し、異なる速度で走るといったものがあるが、

 これは数学か?一次方程式で考えるほうが確かにはやいが、日本では小学校4年か5年くらいの算数の領域でないか。

 英語で算数は arithmetic と書くこともあるが、calculation が妥当だと思う。上記引用のよくある文章題は、考え方は数学であろう。ということは、日本の理数教育がずれているのか?まぁ、こんなことはどうでもよい。

 抽象的概念を異なる状況に応用することができるかどうかということは、心理学の講義でやった記憶がある。どのような実験だったか、実験名や誰が行ったかということがすっぽり抜けている。

 まぁ、日本では分かりやすいが神である。そのためには具体であるほうが、近づきやすい。

See also
身近な具体例の利用は数学学習の助けにならない - ミカ教授の特別支援教育情報

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