Friday, April 18, 2008

ジャン=クロード マリオン 『はじめての発声法―基礎を学ぶポイント30』

Amazon.co.jp: はじめての発声法―基礎を学ぶポイント30(ヴォカリーズ・エクササイズ付): ジャン=クロード マリオン,美山 節子: 本 英語発音に役立つかもと思い、ヴォーカル・トレーニングや発声に関する本を読んでいる。本書もそのひとつ。

 本書は、フランス人のジャン=クロード・マリオン氏による発声教本である。中高生向けに書かれているようなので、ほんとうの基礎ということになると考えられる。中学生であれば、男子は声変わりの最中であり、通常は喉に負担のかかること、例えば大声を出すなどの行為は避けねばならない。その中学生に対して行われる練習が喉に負担をかけるはずがない。ということは、喉を痛めない声の出し方なのか、それとも、声を出すということは、一体どういうことなのかと気づかせるためのものではないかと考える。

 本書を選んだ理由は、「あくび」について書かれていること。

 どのように口を開けば、最高のコンディションで声が出せるでしょうか?

 それを説明するには、さっそく“あくびのテクニック”の練習に取りかかるべきです。あくびは声を出すためのあらゆる好条件を、至極容易にそろえてくれます。すべての発声の筋肉が完璧な状態になるからです。(pp.63)

 日本人の歌手、特に J-POP の歌手の話し声と歌声のギャップは知っているだろう。日本人と違い、欧米人の歌声は話し言葉の延長である。そのための最高のコンディションを提供してくれるのが「あくび」であると言っている。ヒントがあるかもしれない。

 生理学的観点からあくびを分析している。7点挙げられているが、その7点をふまえて

どんな場合でも、舌は喉の方に引っ込んではいけません。そのことさえ注意すれば、あくびは、発声のために、完璧で理想的な条件をそろえています。(pp.63)

 舌の位置にさえ注意すればいいらしい。あくびを誘発する練習の仕方も載っている。

下顎をしっかり下げます。そうすると口が大きく開きます。
横隔膜を下げるのを止めて少しだけ息を吸います。サイヴァネティック回路(この場合は、目、大脳皮質、軟口蓋の連動作用)によって、軟口蓋や口蓋垂を下げたり上げたりします。私たちの日常の行動、たとえば歩く、話す、書く、読む、走る……などは、まず願望、欲求、意志によって始まります。脳はその意志を記録し、神経に指令を出します。神経はその指令に対応する筋肉を機能させ、それに肉体が従って反応するのです。このようにして自動性は生まれます。(pp.65)

 なんだかよく分からないが、とにかく、意識してのどちんこを上げて、鼻腔を塞げといっている。おそろしく鼻声になりそうだ。

 どれだけ役に立つかは未知数だ。

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