Saturday, April 19, 2008

「そりゃ鬱にもなるわなぁ」という出来事

 この記事を見たときは背筋が冷えた。

自習時間の児童のけが「担任は無過失」…最高裁が2審判決破棄 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 千葉市の小学校で2002年5月、3年生の男児が振り回した上着が目に当たって女児がけがをした事故を巡り、女児と両親が同市に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が18日、最高裁第2小法廷であった。

 中川了滋裁判長は「担任教師に過失があったとはいえない」と述べ、市に約90万円の賠償を命じた2審・東京高裁判決を破棄し、原告の請求を棄却した。

 原告敗訴が確定した。

 判決は、事故が起きたのが朝の自習時間帯で、担任教師が別の児童と話していたことや、男児がふだんは乱暴ではなかったことから、「担任教師には、男児の行動を止める注意義務はなかった」と述べた。

 1審・千葉地裁は原告側の請求を棄却したが、2審は「担任教師は事故を未然に防ぐべきだったのに指導監督を尽くさなかった」として、請求を認めていた。(2008年4月18日20時03分 読売新聞)


 この出来事は以下の記事で知る。

担任はスーパーマンではない - 元検弁護士のつぶやき

例によって事実関係の詳細は不明ですが、言葉を選ばずに言いますと、法律馬鹿の高裁判断を最高裁が是正した、という感じなんですが。

 個人的感情としてはこのコメントに全力で賛成である。

 まず、背筋が冷たくなったのは、怪我した女児の両親が裁判に踏み切ったことである。加害の対象を教諭の過失に求めた。法に訴えるのであれば、怪我をさせた男児とその両親になると思うのだが、訴えやすいところからなのかどうなのか。

 女児の怪我の程度は分からない。顔の怪我だし、傷が残るとなれば「これはヒドイ」となるのは理解できる。まぁ、怪我の程度でこの大きさを決定することが前時代的な発想なのかもしれないが……

 このようなくだらない裁判が多いような気がする。中学の頃、社会の時間にこんなはなしを聞いた。アメリカで濡れた猫を電子レンジで乾かそうとし、実行した。猫は死んでしまったが、これをトリセツに「猫を入れてはいけない」と書いていなかった。ゆえに、メーカが悪いとし、裁判を起こした。原告が勝ったらしい。さすが訴訟大国アメリカと笑い話であったのだが、今は笑い話ではなくなってしまった。

教室での事故、担任教諭の過失否定:最高裁:きょういくブログ

判断が難しい問題だとはいえますが、裁判で事実認定された事実関係に基づけば、学校で起こった事故という意味ではそれなりの道義的問題はあるのかもしれませんが、教諭の過失というには酷ではないかと感じます。それ以上に、被害児童側が裁判にまで踏み切らざるを得なかった過程について何があったのだろうか、初期対応でよほどこじれたのだろうか・それとも同種事件への問題提起の意味を込めた訴訟だったのだろうかということが気になります。

 このように感じる人が大半であってほしいと願う。

No comments: