Thursday, April 24, 2008

「2年連続1位は難しいかも知れませんが、それなりの自信はあります」

 賛否あるが、2回目の全国学力テストが行われた。前回の学力テストで好成績を修めた秋田県教育委員会の委員へのインタビューが掲載されていた。これを読んで愕然とした。

全国学力テストに232万人、秋田「連続1位」に自信 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

「2年連続1位は難しいかも知れませんが、それなりの自信はあります」

 昨年10月に公表された前回のテスト結果で、小学6年の国語と算数がトップになるなど好成績をあげた秋田県。県教委の佐々木孝雄副主幹は胸を張った。

 なぜここで、「いやぁ、別に1位だとか2位だとかには、我々は興味ありません」などと気の利いたひとことが言えないのだろうか。これではまるで「1位にこそ価値がある」、「平均より上であることに価値がある」という序列精神丸出しの発言ではないか。

 学力テストは、入試などの選抜試験ではない。なので、偏差値で考えると低い偏差値でも一向に構わない。偏差値が低いということは、正規分布の中央にかたまりが密集している状態である。学力テストはこれでも一向に構わない。

 せっかく、前回の学力テストで「たまたま」1位を獲得し、そのために、わざわざ取材させてくださいと秋田県に人が集まる。前回の学力テストの後、序列化を懸念する声があった。それを払拭できるのは、前回、よい成績を修めて注目を浴びている秋田県である。

 ここで、大阪府や沖縄県が「いや、順位は関係ありません」などといっても説得力がない。よい成績を修めた秋田県だからこそ、アピールできる絶好の機会だったのだ。やはり、「たまたま」1位だったのだろうかと勘ぐりたくなる。

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