Wednesday, June 27, 2007

つっこみ力

 「メディア・リテラシー」って知ってますか?『週刊こどもニュース』なぞでも取上げられているので知っていますよね。

Amazon.co.jp: つっこみ力 ちくま新書 645

 チョイ前に、CFでなんとかリテラシーとか連呼していた、あの「リテラシー」です。かくいう私も、なんとなくわかったつもりで使っている、使ってはいないなぁ、なんとなく認知しているのですが、「情報を疑った目で見る」ってことです。

 本書ではそれを「つっこみ力」と定義し、社会学・統計学に厳しい目を向けましょうという口演の書籍版です。

 率直な感想は面白い。これだけ、面白おかしくモノゴトを語れるというだけで、憧憬のまなざしを送ってしまいそうだ。勉強というものに見出せない部分だと思う。というか、勉強からは意識的に排除されているかもしれない。

 本書は学者からは非難されているでしょうね。ネットで検索するとそういうのもチラホラ見かけることができる。まぁ、それが、本書のいう「つっこみ力」でもあると思う。データの解釈は、極端に言ってしまえば、「個々人」に依っている。

 こちらから見たらAでも、あちらから見たらBってのはいくらでもある。憲法のように、いくらでも解釈のしようがあるという事実が、現在の「メディア・リテラシー」を支えている。

 このように、AともBとも解釈できるものは、まず、整合性を考えるといいのでないか。

 ひとつのデータとなにかしらの背景があって、解釈が生まれる。AとBに対するふたつのなにかしらの背景が、データに対して関係性や親和性が高いのか、――これは数値がむずかしいと思うが、あえて――考えるだけでも、おかしいなというのが見えてくる可能性はあると思う。まぁ、数学でいう検算みたいなことだ。

 学問としてはどうか知らんが、個人が生活していくのに都合いい解釈というのは必要だと思う。それに結びつけるための「つっこみ力」、悪くない。

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