Saturday, June 23, 2007

ガクモンの壁

 『ガクモンの壁』か、うまく形容したと思うが、語呂などを抜きにし表すならば、『ガクモン“間”の壁』だと思う。しかし、養老先生って左利きだったのか。ちょっと近親感。

Amazon.co.jp: 養老孟司 ガクモンの壁

 もともとは『学問の格闘』という名で出版されたようだ。こちらの方がピンとくると、個人的には思う。『バカの壁』にあやかり過ぎだ。そんなマイナス評価があったので、なかなか手が伸びなかったのだが、読んで正解だった。やっぱり、タイトルって重要ですよ。出版社のみなさん。

 本書は「人間」を、違う角度から覗く、とてもスケール大きい内容だ。考古学、人類学、生物学、心理学、医学、それぞれの「人間」の見方の一例を示しているのが面白い。「学問の格闘」というのも納得。文系・理系というラベル付けがあほらしくなると思う。私は、早いうちに文型・理系というラベルを剥がしてしまったので、これの肯定になるのかもしれない。そういった、贔屓目はある。

 ホストの養老孟司氏と対談相手の若手研究者とでは、なかなか、活発な話し合いができないのではないかと思われるかもしれない。しかし、私見ではあるが、挑発的な質問も飛び、研究内容の危険性や、養老氏のパーソナリティに触れる話題もあり、サイエンス・カフェではこのような会話が行われているのかなぁなどと想像して読んだ。

 しかし、まぁ、いつもながら、養老氏の対談本はときどき筋を追えないときがある。いつになったら、リアルタイムで筋を追えるのやら……

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