Saturday, June 02, 2007

理科系のための英文作法

 先日、『理科系の英語』では、読んでいないと書いたが、ブックオフにいたので連れて帰ってきた。「理科系」の冠のついたモノが多いがご勘弁を。

Amazon.co.jp: 理科系のための英文作法―文章をなめらかにつなぐ四つの法則

 英語にかぎらず、日本語でも、まとまった文章をつくろうとするとぎこちないことがある。ぎこちないと感じるのも、流暢だと感じるのも、ネイティブの感覚による。ネイティブと同じ感覚を身につけるには、外国人は多くの例文に触れ、肌身で感じることができるようにならなければいけない。しかし、筆者はこれを、「精神論に下駄を預けてしまっている。[pp.4]」と痛烈に非難している。

 では、なにを武器に文章をなめらかにしていくのか?本書では、「談話文法」とよばれるモノを頼りに、客観的指針を示している。私は、「談話文法」なんぞはじめて聞いた。また、ひとつ勉強せねばいけないコトが増えた。間違いを恐れずいうと、コンピュータに解析させても一義の意味が引き出せる文章といったところか。

 コンピュータに解析させても一義の意味が引き出せる文章をつくるために、本書は、仮説として条件定義を示している。「道標としての接続詞と副詞」、「文の階層構造」、「古い情報の引き継ぎ」、「視点」である。これらの仮説は、奇抜なモノではない。おそらく、ほとんどの人が学校の授業や予備校などで聞いたことがあると思う。他の書籍でも同じことが書いてある。読む際には意識している箇所であろう。しかし、実際に書く作業に入ると、しどろもどろしてしまうコトなのだろう。

 本書を学生時代に読みたかった。チト後悔している。「おわりに」に書いてあるように、中学や高校での授業の中心は本書のような内容であることが望ましいと思う。激しく同意である。

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