Saturday, July 21, 2007

いやでも物理が面白くなる

 読者対象が明記されていなので、万人向けの書籍だと思うのだが、高校生ならば1年生が対象であろう。感化されて志村史夫本、3冊目。

Amazon.co.jp: いやでも物理が面白くなる―交通信号「止まれ」はなぜどこの国でも赤なのか?

 本書の「まえがき」にこうある。

学校の試験の点数を高めようとするような本ではない。また、「受験」に即効性があるような本にも思えない。(pp.5)


 筆者が書いているのだから間違いないだろう。しかし、物理を考えるうえで大切なスタンスを学習前に知っておくことは、結果として試験の点数を高める効力はあると思う。

 物理とは、おもいっきり単純にいうと「こう考えれば、辻褄が合う」ということだ。

 「こう考える」というのは定理であったり、定義だったりで、「辻褄が合う」というのは数式で表せるということ。

 「こう考える」というのは見た目とのギャップがあると甚だ難しい。基本的に物理は世紀の大発見の積み重ねである。むずかしくて当然だと楽観的に考えてもいいと思う。しかし、見方をちょっと変えると世紀の大発見も凡人に理解できる範囲に変わることが面白いじゃないか。

 宇宙空間では常に落下している。

 上の言葉を聞いた時、まったくピンとこなかった。どこでどのように聞いたのか忘れてしまった。ピンとこなくとも「辻褄が合う」のである。解せなかった、まったくもって解せなかった。そのような対象に波・光・電磁波があるが、それが丁寧に書かれている。

 本書のサブタイトルに「交通信号『止まれ』は なぜどこの国でも赤なのか?」とある。夕日でも見ながら考えてみよう。

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