Saturday, July 28, 2007

危うし!小学校英語

 驚くほど分かり易く書かれているが、小学校英語教育に賛成の保護者に読んでもらえるのだろうか?

Amazon.co.jp: 危うし!小学校英語 (文春新書)

 なぜ保護者なのかというと、本書でも指摘があるように、この問題に対する世論の声の大部分は保護者であろう。それが文科省を動かしているという指摘が本書にある。疑問に思うのだが、文科省は保護者の声だけでここまで強固な姿勢を貫くのか?もうひとつ疑問に思うことは、保護者は小学校英語教育を帰国子女のような状態にすることと勘違いしているのではなかろうか?

 はじめの疑問に対しては、昨日、興味深い記事があった。

asahi.com:「入社時から給与に格差を」経団連会長、フォーラムで - ビジネス

 学校教育のゴールはおそらく社会人になることだ。そこからの要求は飲まねばならないだろう。

 次の疑問に対しては、「外国語は、早ければ早いほど効果がある」というのが動機になっていると考えると、全くの見当違いとはいえない。「帰国子女のような状態」ってなんだろうと考えると、「楽してモノにさせたい」ということだろうか。しかし、日本語でも「最近の若者の日本語はなっちゃいない」などというのがあるように、母語であろうとも楽というのはないだろう。

 本書では、「小学校英語」って一体なに?いま小学校で行われている英語と、必修化しようとしている英語教育ってどう違うの?小学校では誰が教えるの?そもそも日本における「英語教育」ってなに?そして、どうして反対なの?ということが、とくとくと述べられている。個人的には「第三章 誰が英語を教えるのか」と「第四章 日本の英語教育はどうあるべきか」は是非とも読んでもらいたい。

発音が日本人的だと、「この人は英語が母語ではなく、外国人として英語をしゃべっていますよ」という、ひとつの警告になる。(pp.192)


 私もこの言葉はよく使う。日本語を話す外国人と接する機会がある人は分かるのではないだろうか?

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文藝春秋|本の話より|自著を語る 欠陥だらけの小学校英語に唖然

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